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ラオスに所在する国際機関、大使館、領事館、及び外交官に対するVAT還付に関するガイドラインについて

2021年11月19日(金)

ラオスに所在する国際機関、大使館、領事館、及び外交官に対するVAT還付に関するガイドライン
についてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

VAT還付に関するガイドライン

 


ラオスに所在する国際機関、大使館、領事館、及び外交官に対する

VAT還付に関するガイドライン

                                     2021年11月19日
                              One Asia Lawyers ラオス事務所


1. 背景
ラオスの付加価値税法(以下、VAT法)は、2018年6月に改正され、同年12月に施行されています。VAT法第25条4項及び26条5項において、ラオスに事務所を有する国際機関、大使館、領事館及び外交官は、還付請求の対象であり、国内で購入した商品・サービスにかかるVATは、還付を受けることが可能であると、明記されています。しかしながら、実際は、還付手続きに時間と手間がかかり、実務上の運用面において、大きく隔たりがありました。
 そのため、今回ラオス政府は、2021年8月30日付けで「ラオスに所在する国際機関、大使館、領事館、及び外交官に対するVATの還付に関するガイドライン(No.4083)」 (以下、ガイドライン)を発行、同年11月10日付けで官報に掲載、施行されています。
 本ニューズレターでは、還付請求の要件、還付を受けるために必要な書類等を中心に解説いたします。

2. 還付請求の要件について(ガイドライン第9条)
ラオスに事務所を有する国際機関、大使館、領事館及び外交官は、以下の要件を満たす場合、VATの還付を受けることができます。

ア) 外交特権を享受し、ラオス外務省から承認されていること
イ) 国際機関、ラオス外務省が発行したIDカード、外交旅券の所持していること又は書記官以上の職位を有する外交官及び領事館の職員であること
ウ) 財務省税務局が発行した納税者番号を保有していること(もしあれば)
エ) ラオス国内において、商品・サービスを提供するVAT登録事業者が発行したVATインボイスの内容について、「領収証に関する首相令」の規定に従って、商品・サービス名とその価格、VATの価格、売買者の署名・公印等について、すべて証拠書類として情報が揃っていること
オ) 商品・サービスの売買が事実であること
カ) 還付を受けるVATは、ラオス国内で商品・サービスを提供するVAT登録事業者から購入した際に発生したものであること

3. 還付請求に必要な書類について(ガイドライン第10条)
VATの還付請求には下記の書類が必要です。
ア) 国際機関、大使館、領事館及び外交官(家族を含む)からのVAT還付請求申請書
イ) VAT還付申請額が記載されている証拠書類、例えば、VATインボイス、売買契約書等
ウ) 外交官のIDカードのコピー又は個人で還付請求を申請する場合は、ラオス外務省儀典局発行の要請書

4.還付対象の商品及びサービス(ガイドライン第8条)
ラオスに所在する国際機関、大使館、領事館及び外交官に対してVATの還付の対象となっている商品・サービスは、以下の通りです。なお、国際機関、大使館、領事館等で働く還付対象となる人数によって、VATの還付が受けられる数量に制限がありますので、ご留意ください。

ア) 乗り物用ガソリン
イ) 不動産の建設資材、修繕資材及び機械
ウ) 不動産の建設、修繕サービス
エ) ラオス国内でVATを支払った商品及びサービス
オ) 事務所用文房具、機器
カ) 業務管理上必要な先端機器及び外交上必要な通信機器

 

 

                     

以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)