フィリピン:eAMEND ポータルを通じた定款変更申請に関する改正ガイドライン
フィリピンの「eAMEND ポータルを通じた定款変更申請に関する改正ガイドライン」に関するニュースレターを発行いたしました。こちらの内容は、以下のリンクよりPDF版でもご覧いただけます。
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eAMEND ポータルを通じた定款変更申請に関する改正ガイドライン
2026年4月
One Asia Lawyers Philippines Team
日本法弁護士 難波 泰明
フィリピン弁護士 Camille Himala
1.はじめに
2026年1月12日、証券取引委員会(SEC)は、eAMENDポータルを通じた定款変更申請の分類、処理および提出に関する改正ガイドラインとして、Memorandum Circular(MC)No. 3-2026を発行しました。本ガイドラインは、最新の手続に従って変更書類が提出されない場合の罰則も定めています。
2.簡易手続
MC No. 3-2026は、eAMENDポータルにおける簡易手続の対象となる変更申請の範囲を拡大しました。従前は、簡易手続は定款(AOI)および付属定款(By-Laws)の一部の変更に限定されていましたが、新ガイドラインでは、会社名、事業目的、取締役数の増減、ならびに付属定款の最大4項目に関する変更なども簡易手続となりました。
簡易手続 ― 対象となる変更事項
| 区分 | 改正前(MC 3, S. 2024) | 改正後(MC 3, S. 2026) |
| 定款 | 1. 主たる事務所の住所変更
2. 取締役・評議員の増減 4. 条項の削除および/または追加(会社の目的、資本金、または株式の再分類に関するものを除く) |
1. 前文条項
2. 会社名・商号 |
| 附属定款 | 1. 株主・社員総会の年次開催日
2. 事業年度 |
1. 附属定款における会社名の採用
2. 株式の譲渡および株主の権利に関する条項(先買権・優先購入権等) |
従前は、書類提出後にPAFが発行され、申請者は45日以内に支払う必要がありました。 新ガイドラインでは、eAMENDポータルを通じた変更申請の提出に先立ち、システムにより支払査定書(PAF)が作成され、申請者は当該PAFの受領から10日以内に適用される申請手数料の100%を前払いする必要があります。
申請者は、定款または付属定款の変更に関する電子的な提出証明書が発行された日から15暦日以内に、変更書類の紙媒体2部を委員会に提出する必要があり、従前のガイドラインの30日から短縮されました。期間内に提出しない場合、5,000ペソの罰金、申請の取消および手数料の没収まで、段階的に罰則が科される可能性があります。ただし、再度手数料を支払い、新たに申請を行うことは妨げられません。
変更提出証明書(Certificate of Filing)の原本は、提出書類の受領後に実施される審査(7営業日以内に完了)を経た後に発行されます。
3.通常手続(Regular Processing)
通常手続には、会社およびパートナーシップの解散、パートナーシップ契約の変更、付属定款の5項目以上の変更、ならびに会社形態の変更が含まれます。
通常手続 ― 対象となる変更事項
| 改正前(MC 3, S. 2024) | 改正後(MC 3, S. 2026) |
| 1. 組合の変更または解散
2. MC 3, S. 2024の第1条A項(a)に規定されるもの以外の、国内法人(株式・非株式を問わない)の定款または附属定款の変更 5. MC 3, S. 2024の第1条AおよびBの組み合わせ |
1. 新附属定款の制定
2. 5条項以上に関する附属定款の変更 注:組合は複雑な取引に該当するが、通常手続きの対象となる。 |
申請者は、eAMENDポータルを通じて必要書類を提出し、その後PAF発行日から10日以内に手数料を支払う必要があります。支払がなされない場合、申請は自動的にシステムから削除されます。新ガイドラインでは、申請者は手数料支払後30日以内に提出書類原本を提出しなければなりません。これを怠った場合、申請は取消または放棄されたものとみなされ、支払済み手数料は没収されます。
両手続において、提出書類の多くはeAMEND上で生成またはダウンロード可能です。また、CRMD Monitoring Clearanceの代替として、Affidavit of Undertaking for Monitoringの提出が求められます。さらに、本ガイドラインはSECから発出される指摘事項(compliance remarks/letters)への対応期限も定めており、期限内に対応しない場合、申請の取消または放棄につながる可能性があります。
4.適用除外
以下の申請は本ガイドラインの対象外とされています。
・資本金の増減
・株式の再分類または区分変更
・株式の転換
・額面金額の変更
また、外国会社に関する変更(ライセンス変更等)は、現時点では電子メールにより提出する必要があります。
これらの適用除外の申請に関する手続および期間については明示されていません。
5.企業の取るべき対応
本ガイドラインは、対象となる変更申請手続を簡素化し、迅速化・効率化することを目的としています。ただし、資本金の変更や株式の再分類などの適用除外事項については本ガイドラインの対象外であるため、事前確認が必要です。対象となる変更を予定する企業は、本制度の活用により、より円滑な手続が可能となります。
新しいガイドラインに関しては、こちらをご参照ください。

