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ラオスにおける水力発電事業実施ガイドラインについて

2020年11月14日(土)

ラオスにおける水力発電事業実施ガイドラインについてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

ラオスの水力発電ガイドラインについて

 

ラオスにおける水力発電事業実施ガイドラインについて

                                   2020 年11月13日
                             One Asia Lawyersラオス事務所
1. 背景
 2018年7月にラオス南部のアッタプー県にある建設中のダムの決壊をきっかけに、ラオス政府は、外国から専門家を呼び、既存のものも含めて建設中のダムの建設基準、品質の監査を行うことになりました。同時に、政府による新規の水力発電プロジェクトの承認審査も保留となりました。一方で、「東南アジアのバッテリー」を目指しているラオスにとっては、ラオス国内の貧困削減というスローガンに基づき、水力発電を使用した、外資主導による近隣諸国への送電事業を推進しています。
  エネルギー・鉱山省は、今後も増加することが予想される水力発電事業に関して、その実施手順を明文化するために、2020年10月9日付で「水力発電事業実施における標準手続きに関するガイドライン」(以下、ガイドライン)を発行しました。2020年11月3日に官報に掲載、15日後に施行されます。同ガイドラインは、376ページにも及ぶもので、ラオス政府の力の入れようが伺われます。
2. 標準手続き26項目について
ガイドラインでは、水力発電事業の実施事業者の選定から始まり、最終的に政府へ事業引き渡しまでのプロセスにおいて、その手順と課題について、26項目を定めています。。詳細や留意点については、今後アップデートして参ります。
【標準手続き26項目】
1 事業開発者及びプロジェクト主体の審査(ラオス政府による入札は除く)
2 MOUの精査及び承認
3 第1次事業実現可能性調査報告書の承認
4 社会・自然環境影響調査報告書(方法書)の承認
5 社会・自然環境影響評価の対象エリア及びアセス項目の設定に関する詳細な報告書の承認
6 MOUの期限延長について
7 MOUの解除について
8 事業開発契約書の精査及び承認
9 技術・財政面における事業実施可能性調査報告書の承認
10 社会・自然環境影響評報告書(評価書)の承認
11 国内電気料金に関するMOUの締結(電力購入者:ラオス電力公社(EDL))
12 海外送電事業における電気料金に関するMOUの締結(電力購入者:外国の企業)
13 ダム建設設計図の承認
14 社会及び自然環境開発に関する別添資料の承認
15 事業開発契約期限延長について
16 会社設立契約書締結
17 コンセッション契約精査及び承認
18 国内電力売買契約書締結
19 海外送電事業における電力売買契約締結
20 輸入材料リストの補正
21 外国人労働者受け入れ承認(クォーター制)
22 貯水量に関する承認
23 建設工事の監督と検査
24 事業の実施状況及び管理について
25 コンセッション契約の修正について
26 政府への事業譲渡について

以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)