ラオスにおける国営企業のガバナンスについて

2021年01月14日(木)

ラオスにおける国営企業のガバナンスについてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

ラオスの国営企業について

 

ラオスにおける国営企業のガバナンスについて

 

2021年1月14日

One Asia Lawyers ラオス事務所

1.背景

ラオス国内には100社以上の国営企業が存在していますが、経営不振に陥っている国営企業の株式を民間企業に売却したり、民間に払い下げる動きが出ています。会社法では、国営企業に関する詳細は定められておらず、ガバナンスに関する規定が明確に定められていません。そこで、今回、昨年9月28日付で発行された「国営企業の取締役会に関するガイドライン(以下、「ガイドライン」)」は、過去に発行された国営会社の株主や取締役の選任に関する規則をさらに詳細に規定したガイドラインとなっています。同ガイドラインは、昨年12月23日に官報に掲載、15日後に施行されています。ラオスにおける官民連携型のプロジェクト事例が増えてきており、国営のガバナンスについて、今回共有致します。

2.国営企業の定義

本ガイドライン第3条によれば、国営企業とは「政府が設立した事業体、全会一致で他の企業から国に事業体を移行、他の企業の株式を購入したことにより、政府が株式の51%以上を保有する事業体」と定義されています。

3.取締役会について

政府が100%の株式を保有する国営企業(以下、「100%国営企業」)においては、取締役会が、事業上の意思決定機関となっています。他方、政府が50%以上の出資しているが、100%国営企業ではない場合は、株主総会が、事業上の業務意思決定機関となります(第2条、4条)。

取締役会は、基本的には、議長、副議長、取締役会監督委員会の5人以上のメンバーで構成されています。メンバー総数の少なくとも10%は、女性が含まれる必要があります(第2条)。なお、任期は3年間で、再任も可能となっていますが、財務省又は株主総会による内部評価を経た上で、再任される必要があります(第20条)。

(1)議長・副議長(第4条)

議長は、財務大臣より選出・任命されます。副議長については、100%国営企業の場合は、財務大臣より選出・任命され、民間企業が出資している国営企業の場合(以下、「官民合弁」)は、政府関連機関及び株主の全会一致により、民間より選出されます。

(2)マネージング・ダイレクター(以下、「MD」)について(第4条)

MDは、取締役会より選任されます。場合によっては、財務大臣の任命により、副議長又は取締役会監督委員長が兼任することも可能です。官民合弁(政府が51%以上、99%以下の出資)の場合は、財務大臣が、候補者の中からMDを選出し、株主総会によって正式に任命します[1]

4.取締役会の開催について

取締役会の開催回数については、定款で定めることが可能となっています。通常、国営企業の場合、取締役会普通決議は、1年間に少なくとも最低2回開催されなければなりません(第11条)。

また、定足数は、取締役の過半数以上と規定されています。議決要件は、議決に参加できる取締役の半数以上の賛成が必要となっています(第11条)。また、書面で作成された取締役会決議書の作成、保管も必要です(第11条)が、こちらはラオス会社法と同様の内容です。

5.株主総会について

官民合弁(政府が51%以上、99%以下の出資)の場合は、株主総会が、業務上の意思決定機関となり、開催回数については、定款に定める必要がありますが、少なくとも、1年に1回以上開催する必要があります。

普通決議要件は、株主総会に出席した株主の3分の2以上の賛成、かつ、賛成した株主が総株式数の80%以上を保有する必要があり(第26条)、株式会社等の特別決議要件と同じ要件となっています。

[1] 政府が保有する株式が51%以下の事業体の場合は、民間より候補者を選出し、株主総会により決定されます。

 

以 上

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