ラオスにおける外国人出入国管理に関する罰則規定について
ラオスにおける外国人出入国管理に関する罰則規定についてニュースレターを発行しました。
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ラオスにおける外国人出入国管理に関する罰則規定について
2021 年3月4日
One Asia Lawyersラオス事務所
- 1.背景
コロナ禍において、陸路にてラオスに不法入国する外国人が後を絶ちません。また、先日、1年前に観光でラオスに入国した日本人が、コロナの影響で日本へ帰国できずに路上をさ迷っていたため、ラオス政府に保護され、人道的支援により、日本へ帰国することができたとの報道がありました(Vientiane Times 2月26日付)。
ラオス政府は、これまでも、特に不法労働者の取り締まりを定期的に実施してきましたが、今後さらに増加すると予想される不法入国、不法滞在、不法就労に対する厳格な措置として、外国人の出入国管理法の徹底と違反した場合の罰則規定(罰金と然るべき措置)に関する首相令(以下、首相令)を2021年1月20日付で発行しています。以下、ラオスでビジネスを実施する上でも気を付ける必要がある罰則規定を中心に解説いたします。
2. 罰則とは
同首相令第2条によると、罰則は罰金とその他の措置の二つがあります。その他の措置は、罰金を科せられた上で、さらに課せられる処罰であり、指導、警告、事情聴取、24時間の拘束、違反に関する書類、道具、物及び乗物の押収、滞在許可の登録抹消、事業の停止及び撤退又は関連省庁に対して企業登録証及び事業許可証の返納要請を含みます。なお。外国人及び無国籍者[1]に対しては、強制送還の場合もあります。
3. 罰則規定について
(1)滞在許可期間を超えて滞在している場合(首相令第15条)
対象:外交ビザ、公用ビザ、配偶者ビサ、優遇ビザ、専門家ビサ、ビジネスビサ、学生ビサ、メディアビザ、労働ビザを保持している外国人及び無国籍者
罰金:超過日数1日につき10万キープ(約10ドル)
(2)許可を得ずに事業を行っていた場合(首相令第17条)
対象:企業登録又は事業許可書を取得せずに事業を行っている外国人及び無国籍者
罰金:1回目 400万キープ及び調書
2回目 700万キープ、調書及び事業の一時停止
3回目 1千万キープ、調書、事業の撤退、強制送還及び再入国禁止
(3)不法就労の場合(首相令第18条)
対象:許可を取得せずに就労している外国人及び無国籍者
罰金:1回目 一人につき100万キープ及び調書
2回目 一人につき200万キープ及び調書
3回目 一人につき1千万キープ、調書、強制送還及び再入国禁止
(4)許可を得ずに収入を得ていた場合(首相令第21条)
対象:ラオス国籍に保全のみに保全される事業を行って収入を得ている外国人及び無国籍者、合法的に許可を取得せずに、小売、飲食店、縫製、振り売り、廃品回収、マッサージ、美容室、爪切、体重測定屋、請負業、バイク修理業、家具製作などで収入を得ている外国人及び無国籍者
罰金:1回目 一人につき100万キープ及び調書
2回目 一人につき200万キープ及び調書
3回目 一人につき500万キープ、調書及び場合によっては強制送還及び再入国禁止
(5)不法就労の労働者を雇用した場合(首相令第22条)
対象:労働許可証、滞在許可証、労働ビザを所有していない外国人及び無国籍者を雇用した個人、法人及び団体
罰金:1回目 一人につき200万キープ及び調書
2回目 一人につき400万キープ及び調書
3回目 一人につき600万キープ、調書及び関連省庁に対して事業許可証の抹消要請、労働者の強制送還及び再入国禁止
(6)合法的に結婚登録する前に家庭を築く又は寝食を共に(夫婦のように生活する)した場合(首相令第25条)
対象:合法的に結婚登録する前にラオス国籍者と家庭を築く又は寝食を共にしている外国人及び無国籍者
罰金:1回目 一組につき400万キープ及び調書
2回目 一組につき600万キープ及び調書
3回目 一組につき800万キープ、調書及び場合によっては然るべき処罰
外国人又は無国籍者は、罰金と処罰の他に滞在許可証の抹消と強制送還の措置が取られる可能性がある旨も規定されています。
上記のほか、外国人及び無国籍者が滞在していることを治安維持関連当局に通知しなかった宿泊施設のオーナーや合法的に就労している労働者を目的と異なる仕事に就かせるなど管理義務を怠った場合も処罰の対象となっており、今回かなり厳格な規定がおかれましたので、ラオスに滞在している企業、日本人駐在員や出張者の方々は留意する必要があります。
[1] 外国人:ラオス国籍以外の国籍を保有し、ある任務のため契約に基づき、もしくは期限付きで一時的ないし長期的に滞在している外国人
無国籍者:ラオス領土内に暮らしている国籍を持たない外国人
以 上
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