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ラオスにおける外国人労働者の入国許可について

2021年04月19日(月)

ラオスにおける外国人労働者の入国許可についてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

外国人労働者の入国許可について

 

ラオスにおける外国人労働者の入国許可について

 

2021 年4月19日

One Asia Lawyersラオス事務所

  • 1.背景

2021年1月に「ラオスにおける外国人出入国管理に関する罰則規定」が発行されていますが、それに続いて、2021年2月23日付で「外国人労働者のラオスへの入国許可に関する労働社会福祉省大臣による合意(以下、合意)」が発行されています。

今回発行された合意は、2007年の合意の改正であり、2013年に労働法が改正されているため、その内容と整合性をとったかたちとなっています。従って、本合意の内容は、労働法の外国人労働者の入国について規定している第41条から第45条の内容に基づいています。

 一度、労働許可証を取得してしまうと、あまり気に留めることがない規定でもありますが、今回は、特に見落としがちな外国人労働者に関する規定をご紹介いたします。

なお、同合意は、外交官、各国の代表団とその家族、会議・研修参加者、事業許可証に記名されている投資家、国連・国際機関の職員等は適用の範囲外となっています。

2. 外国人労働者の要件について

 原則、外国人労働者は、ラオス人では技能が満たされないポジションの補完のため、ラオス人への技能の指導、移転のためにラオスで働くことが許可されています。

(1)条件

ラオスで働く外国人は、20歳以上、職位に応じたスキルと専門的能力があり、犯罪歴がなく、健康である者と規定されています(合意第7条)。

(2)責務

ラオスの社会保障基金に加入すること、納税すること、ラオス人へ技能を引き継ぐことなど(合意第9条)

(3)労働許可期間

雇用契約に基づき、1か月、3か月、6か月、12か月の期間(労働許可証の有効期間)働くことが可能となっています。また、5年を上限として、1回につき最大12か月の延長が可能と規定されています。

外国人労働者は、最長5年間ラオスで働いたのち、新たな職場で雇用される場合、いったん母国へ帰国しなくてはなりません。帰国してから30日後に、必要な手続きを経て、ラオスでの新たな雇用先での労働が認められます(合意第10条)。但し、雇用者が5年を超えて、継続して外国人労働者を雇用する必要があると判断した場合、雇用契約に基づき外国人労働者を雇用することが可能となっています(労働者は帰国する必要はありません)。

3. 外国人労働者の入国許可について

使用者は、事業所内における人材配置計画を作成する際、ラオス人労働者を優先する必要があります。ただし、その需要をラオス人労働者で満たすことができない場合には、使用者は、外国人労働者の使用を労働監督機関に申請する権利を有します。

(1)クオーター制(合意第17条)

事業所内の外国人労働者受入れ比率は、次の規定に従う必要があります。

ア) 肉体労働を行う技術専門家は、事業所内の全ラオス人労働者数の15%

イ) 頭脳労働を行う技術専門家は、事業所内の全ラオス人労働者数の25%

なお、クオーターは、1年間に何度でも申請可能であり、許可書発行日から同年12月31日までの最大1年間有効となっています。12月31日までに入国しなかった場合は、再度クオーターの取得申請をする必要があります(合意第21条)。申請から許可取得まで、15営業日と規定されています。

クオーター取得後に、外国人の入国許可申請を別途行う必要があり、申請後3営業日で入国許可書が発行されます(合意第38条)。

(2)労働許可証

外国人労働者は、ラオスに入国後30日以内に労働許可証を取得する必要があります(合意第25条)。30日以内に取得しいていないことが、発覚した場合は、超過1日つき一人50,000キープ(約500円)の罰金が科せられます(合意第41条)。ラオスでの雇用期間が終了し、母国へ帰国又は第三国へ行く場合は、労働許可証を管轄機関へ返却する必要があります(合意第39条)。

その他、外国人労働者は、治安維持省より滞在許可証を取得し、外務省よりLAB2ビザ(労働ビザ)を取得する必要があります(合意第23条)。

 

以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)