ラオスにおける電子署名について

2021年07月19日(月)

ラオスにおける電子署名についてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

ラオスの電子署名について

 

ラオスにおける電子署名について

 

2021 年7月19日

One Asia Lawyersラオス事務所

1.背景

ラオスでは、2019年に電子署名法が施行され、2020年に電子署名サービス事業に関する合意が発行されています。コロナ禍において、外国人の投資家がラオスに来ることが難しい状態が続いており、電子契約等の需要は高まっています。今回は、ラオスにおける電子署名の有効性や要件等について解説いたします。

2.電子署名(Electronic Signature)とは何か

(1)電子署名の定義
電子署名とは、本人が署名していることを識別し、電子文書の内容が正しいことを証明するために電子文書に付与される電子的に作成された文字、記号、符号、数字、音等と定義されています。

(2)電子署名の種類
電子署名には、以下の3種類があります(電子署名法第8条、第9条、第10条、第12条)。
①簡易電子署名(Public Key Infrastructure(公開鍵暗号基盤、以下「PKI」)を使用しない電子署名)
②デジタル署名(PKIを使用する電子署名)
③デジタルシール(公印)

3.ラオス法上、求められる要件

電子署名法第11条及び第13条で規定される下記①から④の要件を満たしたデジタル署名及びデジタルシールであれば、紙面への直筆の署名及び捺印と同様とみなされ、ラオス法上、有効であると解されます。

①署名者本人(公印使用者の名前)を識別し、認証すること
②署名した(押印した)時間を明確に記録し、認証すること
③デジタル署名(デジタルシール)と電子文書が一定の形式で明確に紐づけられること
④電子証明書発行業者と紐づいたPKIを使用していること

なお、同法では、デジタル署名やデジタルシールが認められない例外文書についての定めはありませんが、デジタル署名は個人では、使用することができず、デジタルシールのみの使用に限定されます(電子署名法第16条)。

4.電子証明書とその発行主体について

デジタル署名を使用するためには、PKIを取得する必要があり、PKIの情報が入った電子証明書を認証局より発行してもらう必要があります(電子署名法第10条)。電子証明書とは、デジタル署名において、身元を保証する証明書を指します(電子署名法第23条)。

電子証明書の公共の発行主体は、Public Certificate Authority (認証局)と呼ばれており、技術通信省に確認したところ、その認証局として、政府から事業許可を与えられているのは、7月現時点において、Star Telecom Co., Ltd (ユニテル)1社のみとのことです 。しかしながら、ユニテル側は、公式に電子証明書を発行できる状態には至っておらず、発行できる状態になるためには、まだ一定の時間を要するとの情報もあります。

5.ラオスの現状

以上により、現時点においては、ラオスで合法的に電子署名サービスを提供できる会社は存在しない状態であります。ただ、ラオスの技術通信省は、すでにラオスで活動しているインターネットのサービスプロバイダー等に対して、認証局としての業務を打診しているとのことで、今後、認証局の準備、運用状況の動向に注目していきたいと考えます。

以 上

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