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ラオスにおける農作物加工工場に関する合意について

2022年09月21日(水)

ラオスにおける農作物加工工場に関する合意についてのニュースレターを発行しました。PDF版は以下からご確認下さい。
農作物加工工場について

ラオスにおける農作物加工工場に関する合意について

2022年9月21日
One Asia Lawyers ラオス事務所

1.背景

ラオスは、人口の約65%が農業に従事しており、主要な農産物は、コメ、キャッサバ、さとうきび、バナナ、トウモロコシなどです。大量生産を目的とした農業を行ってこなかったため、また、経済的にも農薬を使用する余裕がない農家が多く、農薬の使用歴がない土地が多く残されていると言われています。

オーガニック商品への関心が高まるなか、近年このようなラオスの土地に注目する投資家が、日本を含め農業分野で進出する個人事業主や企業が増えています。一方、農産物の加工技術が未熟なため、海外へ輸出するできるほどの品質や基準を満たしていない商品が多く、海外への販路拡大が難しい状況にもあります。

そこで、今回、農林水産省は、ラオス政府の目指すクリーンな農業とラオスの農産物の付加価値を高めることを目的として「農産物加工工場管理に関する大臣合意(以下、合意)」を2022年8月19日付で発行しました。同合意は、主に農産物加工工場(以下、加工工場)の稼働に必要な許可等について規定されています。

2. 加工工場の規模と登録資本金について

 加工工場は、機械の馬力と労働者の人数によって、以下の表の通り区分されています。

登録資本金は、工場の規模に基づき決定されますが、どの規模においても、投下資本金総額の30%を下回ることは認められません(第12条)。

 

規模

馬力

労働者の人数

201馬力以上

201人以上

51馬力以上200馬力以下

51人以上200人以下

10馬力以上50馬力以下

10人以上50人以下

3. 加工工場設立許可

 加工工場の設立の前に、投資家は、農林省へ事業計画書を提出する必要があります。計画書に合意が得られたのちに、加工工場の設立許可の取得へ進むことができます。

(1)申請条件

工場設立許可申請の条件は以下の通りです(第6条)。

 ①会社法に基づき設立された法人であること

 ②資本金、機械、機器及び車両などが揃っていること

 ③農産物加工に関する学位(資格)、職歴、経験を有する技術者がいること

 ④工場を建設する土地、生産地又は原材料の産地があること

(2)許可申請書類

工場設立許可申請に必要な書類は、第7条に以下の通り規定されています。なお、⑦について、自社による初期環境評価及び環境評価の作成は認められず、天然資源環境省に登録されている環境コンサルタント会社が実施する必要がありますので(環境影響評価に関する首相令第 4条)、留意が必要です。

①農林水産省所定の加工工場設立許可申請書

②実行可能性調査報告書(FS)(記載項目: ⅰ)事業概要、ⅱ)工場建設の概要、技術面、ⅲ) 製造、労務面 ⅳ)事業の裨益効果(第8条))

③企業登録書写し(商工業省管轄)

④納税証明書写し(財務省管轄)

⑤コンセッション事業の場合は、投資許可証の写し(計画投資省管轄)

⑥銀行の残高証明書の写し

⑦環境影響評価証明書の写し(天然資源環境省管轄)

⑧土地/建物賃貸契約書の写し、土地所有権譲渡証書又は土地権原証明書の写し

⑨工場建設許可証の写し(公共事業運輸省管轄)

(3)加工工場建設までの流れ

農林省が、上記(2)の書類を完全に受理後、工場建設までの流れは以下の通りです(第9条~第11条)。

①FSの検討

②工場建設予定地の現場視察(農林省農業局、県・郡の農林課、天然資源環境省、公共事業運輸省、工場が位置する村役場から担当者が参加)

③工場設立許可合意書発行の検討

④工場設立許可合意書発行後に建設開始

4. 加工工場業事業許可について

加工工場の事業を行うためには、企業登録後、加工工場設立許可を取得し、さらに加工工場事業許可を農林省より取得する必要があります。加工工場建設が完了していること及び工場の試運転が完了していることが、加工工場事業許可取得の条件となっています(第14条)。試運転の期間は、90日以下と規定されており、その期間中は、製造した商品を販売等することはできません(第16条)。

加工工場事業許可取得に必要な書類は多くありますが、製造計画の詳細や廃棄物処理にかかる書類なども含まれています(第17条)。書類が完全に揃っているか、不足している書類があるかについて、5営業日以内に書面で通知があります。書類が完全に揃ってから、5日以内に農林省の職員による、加工工場の視察が行われます。問題なくFSの通りに、加工工場が稼働可能であることが確認されると、加工工場事業許可証が発行されます。許可証の有効期間は3年間で、更新が可能です。

5. その他

同合意では、加工工場稼働後の管理規定について、衛生管理、廃棄物管理も含め、規定されています(第31条から第40条)。また、工場の拡張(第25条)、移転(第26条)譲渡・貸出・売却(第28条)、機械の移動(第27条)、相続(第29条)等に関する規定も定められています。

 

以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)