カンボジアにおける2023年度最低賃金および祝日の決定について
カンボジアにおける2023年度最低賃金および祝日の決定についてニュースレターを発行いたしました。
PDF版は以下からご確認ください。
2023年度最低賃金および祝日の決定
2022年11月11日
カンボジアにおいては、毎年、次年度の最低賃金額および祝日が法令により定められています。2023年度(1月から12月)について、下記の通り決定されました。
1.2023年度 縫製産業最低賃金の決定
2023年度の縫製産業を対象とした最低賃金は、月額200USドル(使用期間は198USドル)とされました(2022年9月21日付け労働省令247号)。
カンボジア実務においては、最低賃金は、縫製産業のみを対象として法定されています(もっとも、実務上は製造業を中心にその他の産業にも影響があります)。また、地域による差異はなく全国一律です。
毎年、政府・使用者・労働者の代表からなる最低賃金諮問委員会における議論を経て、労働省令により定められます。
コロナ禍の2020年・2021年において最低賃金の引上げが1%程度に抑えられていたこと、来年7月に5年に一度の下院選挙を控えていることなどから、事業者からは大幅な引き上げの懸念の声もありましたが、2022年度の194USドル(試用期間192USドル)から3.1%程度の上昇にとどまりました。
2.2023年度 祝日の決定
カンボジアにおいて、祝日は毎年政令により定めるとされます。2023年度の祝日が下記の通り決定されました(2022年8月22日付け政令166号、同9月7日付け労働省令243号)。
1月1日 インターナショナルニューイヤー 1月7日 虐殺政権からの解放の日 3月8日 国際女性の日 4月14日、15日、16日 クメール正月 5月1日 国際労働者の日 5月4日 仏誕節 5月8日 王室始耕祭 5月14日 シハモニ国王誕生日 6月18日 モニク前王妃誕生日 9月24日 憲法記念日 10月13日、14日、15日 プチュン・バン(お盆) 10月15日 ノロドムシハヌーク前国王記念日(命日) 10月29日 シハモニ国王即位記念日 11月9日 独立記念日 11月26日、27日、28日 水祭り |
前提として、2021年労働法改正により、週休(通常は日曜日)と祝日とが重複する場合における振替休日の付与義務は撤廃されています(上記合計21日中、8日が日曜日)。また、10月15日は重複して二つの祝日が定められていますが、同日についても振替休日等は付与を要しない趣旨と考えられます。したがって、合計21日を定めていますが、週休を日曜日としている企業の場合、実質は年間12日となります。
以上