ミャンマーにおける最近の規制動向: 車両使用規制及び携帯端末登録制度(CEIR)の導入
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ミャンマーにおける最近の規制動向:
車両使用規制及び携帯端末登録制度(CEIR)の導入
2026年3月
One Asia Lawyers ミャンマー事務所
代表弁護士(日本法):佐野 和樹
1 はじめに
2026年3月、ミャンマーでは、燃油不足を背景とする車両使用規制及び密輸端末の流通及び犯罪利用の防止を背景とする携帯電話端末の登録・課税制度に関する新たな発表が相次いで行われました。
本ニューズレターでは、2026年3月時点で公表されている情報を前提に、①車両使用規制及び燃料購入制限、②携帯端末登録制度(CEIR)の導入、について概要を整理します。
2 車両使用規制の発表
(1) 車両使用規制の発表
2026年3月3日、国防治安評議会(NDSC)は、中東情勢を背景とした燃油不足への対応として、同年3月7日から車両使用規制を実施する旨発表しました。
主な規制内容は、以下のとおりです。
1. 民間車両については、偶数日は偶数番号の車両、奇数日は奇数番号の車両のみ使用可能
2. 電気自動車(EV)及びEVバイクについては、毎日使用可能
3. 公共交通機関、タクシー、燃油運搬用タンクローリー、建設機械、物流車両、救急車、霊柩車、ゴミ収集車等については使用可能
4. 燃油の備蓄及び高額転売は禁止
(2) 追加緩和措置
その後、2026年3月4日、NDSCから追加発表があり、職員送迎車両、物品配送車両、業務運営車両及び学校送迎車両についても使用可能とされました。
もっとも、これらの車両及び搭乗者は、所属部署発行の有効な証明書又は推薦状を携帯する必要があるとされています。
(3) 取締り開始に関する情報
一部報道によれば、2026年3月13日までは啓蒙期間とされ、同月14日から本格的な取締りが開始される見込みとされ、違反者には、懲役1か月及び罰金2万チャットが科されるとの情報もあります。
(4)QRコードによる燃料購入制限システム
報道によれば、2026年3月11日、QRコードを用いた1日1回の燃料購入制限システムが発表されました。この制度の下では、車両の種類に応じて給油量が制限されるとされており、例えば、乗用車は12リットル、トラックは50リットルなどの上限が設けられ、給油は隔日となるとされています。同システムは、2026年3月12日から、ネピドー、ヤンゴン、マンダレー及びタウンジー郡区において試験運用が開始されたとされています。
これらの点については、実務上の運用や当局による正式な説明内容を引き続き確認する必要があります。
3 携帯端末登録制度(CEIR)の導入
(1) 制度導入の発表
2026年3月6日付の国営紙において、中央機器識別登録(CEIR: Central Equipment Identity Register)システムの導入が2026年3月から開始され、未登録携帯電話端末への課税が同年4月から開始される旨の発表が行われました。
本制度は、各端末に割り振られたIMEI番号を登録制とすることで、密輸端末の流通防止及び犯罪利用の防止を目的とするものと説明されています。現時点で対象機器は主に携帯電話(スマートフォン)とされています
(2) 既存端末の取扱い
2026年3月31日までに、ミャンマー国内のSIMカード(MPT、ATOM、U9、Mytel等)を端末に挿入してアクティベートした場合、当該端末は自動的に承認リストに登録されるとされています。
4月1日以降も、未承認端末であっても30日間は継続利用できるとされていますが、30日を超えて継続利用する場合には、猶予期間中に所定の金額を納税し、登録を完了させる必要があるとされています。
(3) 課税及び利用制限に関する報道
一部報道によれば、2026年3月31日までにSIMカードを挿入して使用中の端末については自動登録され、追加課税は不要とされる一方、同日以降に国内へ持ち込まれる新規購入端末や輸入端末については税金が課されるとされています。
また、未登録端末については、一定期間経過後、通信ネットワークへの接続が制限される可能性があるとも報じられています。
(4) 海外出張者や観光客に対する適用
税金の具体的な種類及び金額については、現時点でなお公式発表が十分に明確でない部分があります。また、海外出張者や観光客に対する適用関係についても、IMEI登録が査証申請時に必要となるのか、あるいはSIMカード購入時又は通信利用開始時に問題となるのかが必ずしも明確ではありません。
そのため、現時点では、今後の正式発表及び実務運用の明確化を注視する必要があります。
4 まとめ
2026年3月に公表された車両使用規制及びCEIR制度は、いずれも市民生活のみならず、企業活動にも直接的な影響を及ぼし得るものです。
車両規制については、社用車・送迎車・配送車両が例外扱いとなるか、必要書類を備えているか、給油制限の影響をどのように回避するかの対応が必要となります。
また、携帯端末登録制度については、3月31日までに現に利用している端末の取扱い、新規持込み端末・輸入端末への課税、海外渡航者への適用等、未確定な点がなお残されています。
今後、関係当局から追加の発表や運用指針が示される可能性があるため、最新の政府発表及び実務動向を継続的に確認することが重要です。
以 上
〈注記〉本資料に関し、以下の点ご了承ください。
・ 本資料は2026年3月13日時点の情報に基づき作成しています。
・ 今後の政府発表や解釈の明確化、実務上の運用の変更に伴い、本資料は変更となる可能性がございます。
・ 本資料の使用によって生じたいかなる損害についても弊所は責任を負いません。

