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ラオスにおけるカジノ事業に課せられる税金について

2025年06月03日(火)

ラオスにおけるカジノ事業に課せられる税金についてのニュースレターを発行しました。
PDF版は以下からご確認下さい。
カジノ事業に課せられる税金について

 

ラオスにおけるカジノ事業に課せられる税金について

 

2025 63

 

One Asia Lawyers Group ラオス事務所 

1. 背景

ラオスには、主に北部、南部、中部の3県に合法的に運営が許可されているカジノがあります。カジノ事業の開発については、ラオス政府は慎重な姿勢を見せており、カジノ事業で使用するスロットマシーン等すべてのギャンブル関連機器に対する物品税及びカジノ事業サービスに対する物品税率は50%と非常に高い税率を設定しています。他方、経済特区の中にあるカジノは、外貨の使用が例外的に許可されており、政府にとっては、カジノ事業から、外貨で税収入を得られるメリットもあります。

今回、政府は、カジノ事業からの収入を厳格に管理し、確実に徴収するために、2025410日付で「カジノ事業における定額税及び手数料の管理に関する国家主席令(No135)(以下、国家主席令)」を発行しました。

 2.定額税について

(1)定額税とは

カジノゲームを行う台(以下、「テーブル」)の台数と種類によって規定された税金(一定額)を指します(国家主席令第2条)。

(2)テーブルの種類とレベル

テーブルは、一般用とVIP用に区別され、その台数により、以下の通り、レベル1から4に分けられます(国家主席令第3条)。

レベル1:一般テーブル40台以下、VIPテーブルなし

レベル2:一般テーブル41台以上60台以下、VIPテーブル20台未満

レベル3:一般テーブル61台以上80台以下、VIPテーブル20台以上39

レベル4:一般テーブル81台以上、100台以下、VIPテーブル30台以上50台以下

 なお、レベルは変わらず、テーブルの台数に増減がある場合は、財務省からの許可取得及び財務省のカジノ事業者リストに登録する必要があります。

テーブルの台数の増減により、レベルが変わる場合は、政府から許可を得て、財務省のカジノ事業者リストに登録する必要があります(国家主席令第3条)。

(3)レベル別定額税

レベルに応じて下記の固定額を米ドルで支払う必要があります(国家主席令第4条)

 <レベル別税金>

レベル   税額/年

 1     300万USD

 2     400万USD

 3     600万USD

 4     800万USD

レベル4を超える事業規模の場合、一般テーブル1台につき年間75,000USDVIPテーブル1台につき年間100,000USDを納税する必要があります(国家主席令第4条)。

なお、スロットマシーン等の機器については、1台につき年間3,000USDを納税する必要があります(国家主席令第4条)。

 3.入場料について

ラオスに居住するラオス国籍、外国人永住者[1]及び国籍不明者[2]がカジノを利用する場合、入場料は、一人1回につき200USDと定められています(国家主席令第5条)。

なお、旅行者等の短期で一時的にラオスに滞在する外国人の入場料に関しては、国家主席令には定めがありません。

 

 



[1] ラオス国籍以外の国籍を保有し、ラオス国内に居を構えて長期的に滞在している外国人

[2] ラオス領土内に暮らしている国籍を持たない外国人

 

 

           以上

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)