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BOI認可企業の外国人雇用基準及び最低月額賃金

2025年11月27日(木)

「BOI認可企業の外国人雇用基準及び最低月額賃金」に関する(ついて)ニュースレターを発行いたしました。こちらの内容は、以下のリンクよりPDF版でもご覧いただけます。

   →BOI認可企業の外国人雇用基準及び最低月額賃金

BOI認可企業の外国人雇用基準及び最低月額賃金

2025年11月20日
One Asia Lawyersタイ事務所
藤原 正樹(弁護士・日本法)
マーシュ 美穂

2025年6月5日、BOI(タイ投資委員会)は告示第Por.8/2568号(以下、「告示」)を発出し、BOIの奨励事業下で雇用する外国人の雇用比率や最低賃金についての新基準を定めました。本告示は新たに申請する奨励事業については2025年10月1日から、既存の奨励事業については2026年1月1日から適用されます。

1.  告示で定める基準

1.1 タイ人対外国人の雇用比率

従業員数100名超を有する製造会社が外国人を雇用する場合、タイ人従業員比率を最低70%以上維持することが求められます。ただし、以下に該当する場合はこの要件が適用されません。

  • 従業員100名未満の製造会社の場合
  • 従業員数問わず、製造業以外の全ての業種の場合
  • 外国人の雇用期間が6か月以下の場合

ただし、大型投資案件等については、BOIの裁量で個別に例外が認められる場合もあります。

1.2 外国人の最低月額賃金

BOIは、専門性の高い人材獲得を及びタイ人従業員の能力向上促進を目的として、以下の通り職位毎の最低月額賃金基準を打ち出しました。

カテゴリー

職種の例

最低月額賃金(タイバーツ)

エグゼクティブ

CEO、社長、代表取締役、MD、等

150,000

マネジメント

工場長、生産マネージャー、顧問、アドバイザー、等

75,000(職種に直接関連する学士号以上保持者は50,000)

オペレーション

監督者、技術者、スペシャリスト、等

50,000

研究者(科学・技術)

R&D要員、科学者、データアナリスト、等

75,000(職種に直接関連する学士号以上保持者は50,000)

エンジニア

機械・電気エンジニア、等

75,000(職種に直接関連する学士号以上保持者は50,000)

ITスペシャリスト

ソフトウェア技術者及び開発者、IT専門家、等

75,000(職種に直接関連する学士号以上保持者は50,000)

BPO/IBPOオペレーター

コールセンタースタッフ、データ処理スタッフ、等

35,000

上記の最低月額賃金は、BOIの認可を受けたタイ法人から外国人に対してタイ国内で支払われる必要があり、BOI奨励事業下の外国人がビザや労働許可証を新規取得または延長する場合は雇用契約、申請前3か月分の源泉徴収申告書(P.N.D.1 / P.N.D.1 Kor)及びBOIが求める関連資料を提出することにより上記の月額賃金以上が支払われていることを証明することが求められます。

また、既存の奨励事業については2026年1月1日から施行開始となっていますが、2026年1月に外国人のビザ及び労働許可証延長を予定している場合、2025年10月の給与から上記の月額賃金以上をタイ国内で支払っておく必要があります。

2. 結論

BOI奨励事業下で外国人を雇用する際は、タイ人対外国人の雇用比率を遵守していない場合や最低月額賃金以上を支払っていない場合だけでなく、申請者の学歴や経験が業務内容に直接関連しない場合にも申請が却下される恐れがあります。
BOIの奨励事業下で外国人のビザ及び労働許可証の発行が承認されなかった場合、一般制度下での申請が必要になり、外国人1名の雇用につきタイ人4名雇用が求められ、タイ法人の負担が増えることにもなりかねないため、BOI奨励事業下で外国人のビザ及び労働許可証を申請または更新する際は各種要件を充足しているかを事前にご確認頂く必要があります。
BOIの奨励事業や申請手続きに関するご質問は、One Asia Lawyersタイ事務所までお気軽にお問い合わせください。

以上

〈注記〉

本資料に関し、以下の点につきご了解ください。

・ 本資料は2025年11月20日時点の情報に基づき作成しています。
・ 今後の政府発表や解釈の明確化にともない、本資料は変更となる可能性がございます。
・ 本資料の使用によって生じたいかなる損害についても当社は責任を負いません。

 


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