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ラオスにおける看板法の改正について

2026年03月24日(火)

ラオスにおける看板法の改正についてのニューズレターを発行しました。
PDF版は以下からご確認下さい。
看板法の改正について


ラオスにおける看板法の改正について
                                                                                                                            2026 年3月24日
                                                                                            One Asia Lawyers Groupラオス事務所

1.背景

ラオスでは、2018年10月に成立した看板法が2025年6月に改正され、2026年2月18日付の官報に掲載されました。なお、本改正法は2025年8月より施行されています。
今回の改正においては、看板の基本的な表示ルール自体に大きな変更はありません。従来どおり、ラオス国内に設置される看板にはラオス語の併記が義務付けられており、主な要件は以下のとおりです。
• いかなる看板であってもラオス語を併記する必要がある
• 表示の位置関係は、ラオス語を上段、外国語を下段とする(またはラオス語を右側、外国語を左側とする)
• 文字の大きさは、外国語はラオス語の文字サイズの3分の2以下とする
これらの基本ルールは改正後も維持されており、企業がラオス国内で広告・店舗看板を設置する際には、引き続き注意が必要です。
一方で、今回の改正では、看板業(看板制作・設置事業)に関する規制が新たに整備された点が大きな特徴です。以下では、この看板業に関する新規規定を中心に解説します。

2.看板事業について
改正法では、看板に関する事業を以下の5つの種類に分類しています。
1) デザイン
2) 製造
3) 装飾
4) 設置
5) その他
これら各事業の具体的な内容については、改正法本体には詳細な定義は置かれておらず、別途規定により定められるとされています(改正法第24条)。そのため、今後、関連する政令や省令等により、各事業の具体的な範囲や要件が明確化される可能性があります。

(1)事業許可証の取得について
看板事業を行うことを目的とした個人は、まずはじめに、会社法に従い、企業登録を商工局で行う必要があります。企業登録書(Enterprise Registration Certificate:ERC)を取得後に、文化観光局において事業許可証(Business Operation License)を取得することになります。
他方、すでにラオス国内で登記が完了している法人については、看板事業のために新たに別法人を設立する必要はありません。既存法人は、文化観光局から事業許可証を取得することで看板事業を実施することが可能とされています(改正法第25条)。
(2)看板事業者の要件について
看板事業を行うものは、下記の要件を満たす必要があります(改正法第26条)。
1) ERCを取得していること
2) 社会経済影響評価調査報告書があること
3) 環境への影響を予防するための措置が講じられること
4) 資金、車両、工具、事務所など、事業実施に必要な設備を有していること
5) ラオス語能力に加え、看板事業に必要な技術・技能(デザイン、アート、建設分野等)を備えた人材を確保していること
6) その他必要な条件
(3)事業許可証の取得に必要な書類について
ERC取得後、以下の書類を揃えて文化観光局へ提出し、事業許可証の取得手続きを行います。書類が正式に受理されてから、10営業日以内に事業許可証が発行されると規定されています。
なお、事業許可証の有効期間は1年間であり、更新することが可能です。
提出書類は以下のとおりです。
1) ERC
2) 事業許可証発行申請書
3) 社会経済影響評価調査報告書
4) 環境影響評価証明書
5) 無犯罪証明書(過去3か月以内に発行されたもの)
6) その他当局が必要とする書類
(4)看板事業者の責務について(改正法第29条)
改正法では、看板事業者が遵守すべき責務についても定められています。主な内容は以下のとおりです。
1) 看板の形態および内容について責任を持ち、法律に従って看板を制作すること
2) 自身の看板事業の経営管理を適切に行うこと
3) 人材の管理を適切に行うこと
4) 会計法に基づく会計プログラムを保有していること
5) 事業により生じたあらゆる問題について責任を負うこと
6) 人材育成および技能向上に責任を持って取り組むこと
7) 法律に従い権利および利益を保護すること
8) 期限内に関税、税金、手数料およびサービス料を支払うこと
9) 政府および関係機関と連携・協力すること
(5)事業の停止及び事業許可証の停止、はく奪について(改正法第30条、31条)
看板事業者が、許可された事業目的以外の事業を行った場合などには、当局により事業許可証の一時停止が命じられることがあります。
また、当局が定めた期限内に改善が見られない場合には、事業許可証が剥奪される可能性があります。
事業許可証が剥奪された場合、当局は5日以内に登記当局へ通知することとされています

3.禁止事項
改正法では、看板事業者が行ってはならない行為についても規定されています。主な禁止事項は以下のとおりです。
1) 事業目的または許可された事業内容以外の事業を行うこと
2) 品質が劣悪で基準を満たさない看板を作成、製造、装飾、印刷、書き込みまたは設置すること
3) ラオス語と外国語(例:英語)の内容が一致しない商品またはサービスの広告看板を設置すること
4) 国家の誇り、国家機密、国家安全保障、国家の平和、祖先の尊厳、国の良き文化、民族集団(ラオス国内のすべての民族の団結を含む)および国際社会に悪影響を与える内容の看板を設計、製作、装飾、印刷または設置すること

4. おわりに
今回の看板法改正では、看板の表示ルール自体は維持されつつ、看板事業そのものに対する許可制度および管理体制がより明確化された点が特徴といえます。
日系企業においては、企業登録後、企業看板の設置が義務付けられています(2018年11月26日付「企業印と企業看板に関する商工業省事務局告知」)。民間企業の看板は 背景が黄色で文字は赤色とし、看板の大きさは、30 cm × 60 cm以上、1.5 m × 3 m 以下と規定されています。看板法で規定する表示規定やサイズを十分に理解していない看板業者も見受けられるため、作成にあたっては業者任せにせず、事前にデザインやサイズのサンプルを確認するなど、企業側でも内容を確認しておくことが重要です。

 

以上

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

 


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