ラオスにおける職業あっせん業について
ラオスにおける職業あっせん業についてのニューズレターを発行しました。
PDF版は以下からご確認下さい。
→職業あっせん業について
ラオスにおける職業あっせん業について
2026 年4月7日
One Asia Lawyers Groupラオス事務所
1.背景
2023年に「職業紹介法」が制定されました(詳細は弊所ニューズレターをご覧下さい)。また、2022年3月25日付で「職業あっせんサービス事業者の管理に関する労働社会福祉大臣合意(No.1050)(以下「旧合意」)」が発行されています。
旧合意においては、外資参入を直接的に禁止する規定は存在しないものの、職業あっせん事業に関する外資の参入については慎重な姿勢が示されている内容となっていました(詳細は弊所ニューズレターをご参照ください)。
その後、労働社会福祉省は、旧合意に代わる「職業あっせんサービス事業者の管理に関する労働社会福祉大臣合意(No.850)(以下「新合意」)」を2026年3月11日付で発行し、同年4月25日より施行される予定です。
新合意では、外資の参入を新たに制限する規定は特段設けられていないものの、職業あっせんサービスの質の向上を目的とした制度設計へと見直しがなされています。特に、登録資本金の引き上げ及び事業の評価制度を通じて、安定的なサービス提供が可能な事業体の確保に重点が置かれていると考えられます。
以下では、旧合意からの主な改正点を中心に解説いたします。
2.政府の方針について
旧合意では、政府は「ラオス国籍の個人および法人」に対して職業あっせん事業を奨励する旨の記載がありました。
これに対し、新合意では当該政府方針に関する記載は削除されています。
3.職業あっせん事業許可証の取得要件について
(1)事業許可証の取得要件について
旧合意と新合意の主な相違点は以下のとおりです。
新合意においては、マネージング・ダイレクターに関する個別要件が緩和される一方で、職業あっせん事業の実施に必要な資金、人材および設備等の確保に重点が置かれる内容となっています(新合意第6条)。
|
|
新合意 |
旧合意 |
|
1 |
マネージング・ダイレクターのラオス国籍であること及び法的な能力があること |
ラオス国籍であること |
|
2 |
削除 |
マネージング・ダイレクターが25歳以上であること |
|
3 |
削除 |
マネージング・ダイレクターが高等専門学校を卒業しているこ |
|
4 |
削除 |
マネージング・ダイレクターが健康であること |
|
5 |
削除 |
マネージング・ダイレクターに犯罪歴がないこと |
|
6 |
登録資本金が十分にあること(詳細は、下記4で説明) |
登録資本金及び保証金が準備できること |
|
7 |
削除 |
自身(マネージング・ダイレクター)が事業許可証の取得申請をすること |
|
8 |
破産していないこと |
同左 |
|
9 |
少なくとも2年のあっせん業に関連する技能、経験を有する人材が少なくとも2名いること |
事業経験があること及び事業に必要な人材がそろっていること |
|
10 |
経済技術分析報告書及び事業計画書があること |
詳細な雇用計画と事業計画があること |
|
11 |
削除 |
労働社会福祉省から職業あっせん事業の試用事業許可を得ている法人は、優遇する |
|
12 |
技能開発訓練所又は標準的な技能開発施設との協定を有すること |
- |
|
13 |
マネージング・ダイレクターの過去3年間の事業活動歴があること |
- |
(2)事業許可証の発行手続きについて
旧合意では、事業許可取得に先立ち、計画投資省のワンストップサービスにおいて投資許可を取得する必要がありました。
しかしながら、2025年に計画投資省が財務省に統合されたことに伴い、投資許可の取得は不要となりました。
新合意では、事業許可申請書を労働社会福祉省の職業あっせん局に提出し、書類審査の完了後10日以内に、労働社会福祉大臣により事業許可証が発行される手続きに変更されています(新合意第8条)。
4.登録資本金及び保証金について
登録資本金の額は大幅に引き上げられています。
一方、保証金については、新合意において具体的な金額に関する規定は削除されています(新合意第6条)。
|
業種 |
資本金/回転資金 |
|
|
新合意 |
旧合意 |
|
|
国内職業あっせん業 |
10憶キープ以上 (約730万円) |
1億キープ
|
|
国内及び国外職業あっせん業 |
50憶キープ以上 (約3650万円) |
20億キープ
|
|
業種 |
保証金 |
|
|
新合意 |
旧合意 |
|
|
国内職業あっせん業 |
規定なし |
2,000USD以上
|
|
国内及び国外職業あっせん業 |
規定なし |
20,000USD以上
|
5.職業あっせん業に対する評価制度について
旧合意では、本格的に職業あっせん業を行う前に試験的にサービスを提供する試用制度(原則1年間)が規定されていましたが、新合意では当該制度は廃止されています。
これに代えて、新たに職業サービス事業者の運営状況について、業務の効率性および有効性の観点から評価する制度が導入されました。労働社会福祉大臣は、職業あっせん管理局の局長または副局長を委員長とし、関係部局の部長を委員とする評価委員会を設置します。
評価は年1回実施され、その結果は点数に基づき以下の4段階で示されます。評価結果は事業許可証の更新と連動しており、その有効期間にも影響を及ぼします(新合意第31条)。
|
評価 |
点数 |
事業許可証更新後の有効期間 |
|
とても良い |
90点から100点 |
3年 |
|
良い |
70点から80点 |
2年 |
|
普通 |
50点から60点 |
1年 |
|
悪い |
50点以下 |
事業の一時停止(1年以内) |
以上
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

