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ラオスにおける産業機械登録制度について

2026年08月06日(木)

ラオスにおける産業機械登録制度についてのニューズレターを発行しました。
PDF版は以下からご確認下さい。
産業機械登録制度について

 


ラオスにおける産業機械登録制度について


                                                                                                                            2026 年8月5日
                                                                                            One Asia Lawyers Groupラオス事務所

1.背景

ラオスでは海外直接投資(FDI)が安定的に推移しており、従来から鉱業や水力発電などの資源開発分野への投資が大きな割合を占めています。一方で、近年は製造業や物流、輸出拠点の整備を目的とした投資も着実に増加しており、大規模な製造工場の新設・拡張が各地で進んでいます。

こうした投資の拡大に伴い、工場へ輸入・設置される産業用加工機械の数も増加しています。そのため、行政として、これらの機械の所在や所有関係を適切に把握し、管理する必要性が高まっています。

このような状況を踏まえ、商工業省は2026年7月27日付で「産業用加工機械に関する合意(No.2378)」(以下「合意」)を公布しました。合意は、2026年8月3日の官報掲載から15日後に施行されます。

ニュースレターでは、合意の概要と、実務上押さえておくべきポイントについて解説します。

1.対象となる「産業用加工機械」とは

対象となるのは、工場において製造・加工を行い、原材料や半製品を新たな製品へと加工し、商品として生産するために使用される産業用加工機械全般(以下「産業機械」)です(第2条)。

産業機械は、水、蒸気、燃料、空気、ガス、電気、風力その他あらゆる種類のエネルギー、またはこれらを組み合わせた動力を利用して駆動する機械を指します。(第3条)。

2.産業機械の輸入方式

合意では、産業機械の輸入方式を次の2種類に区分しています。

一時的輸入(第6条)
工場内で最大180日間使用することを目的として、期限付きで輸入する方式です。使用期間満了後は機械を返送しなければなりませんが、引き続き使用する必要がある場合は、1回の申請につき最大180日間の延長が認められます。

なお、一時的輸入された産業機械は登録の対象とはなりません。ただし、所定の手続きを経ることで、恒久的輸入へ切り替えることが可能です。

恒久的輸入(第7条)
工場に設置し、期限を設けず継続して使用することを目的として輸入する方式です。産業機械の登録対象となるのは、この恒久的輸入による機械に限られます(第11条第1号)。

3.産業機械の登録について(第10条)

産業機械の登録は、所有者の任意とされています。

登録を行うと、機械の台数、馬力、使用年数、売買契約書、輸入書類、基準証明書、製造番号、製造年、取扱説明書、使用目的、メーカー、安全性などの情報が登録されます。これらの情報は、当該産業機械の所有者を証明するための資料として活用されることが、登録制度の主な目的です。

もっとも、登録は任意である一方、後述するように、産業機械を担保に供する場合や、売買・譲渡などによる所有権移転を行う場合には、登録済みであることが前提となる場面が少なくありません。そのため、実務上は、恒久的に輸入した産業機械について積極的に登録を行うことをお勧めします。

4.登録の条件・申請手続について(第1113条)

条文

内容

第11条

登録するためには、①産業機械が恒久的輸入されたものであること、②産業機械が工場内に設置済みであること又は工場操業許可取得後であること、③申請者が当該産業機械の所有者であること、の3つの条件をすべて満たす必要があります。

第12条

登録申請にあたっては、申請書(様式1)、加工業局所定の産業機械リスト(様式2)、設置計画書、所有権証明書、工場操業許可申請書の写しなどの提出が必要です。

第13条

主管当局が工場で産業機械の実地確認を行い、申請内容と照合します。所有権の重複などの問題がなければ、産業機械に登録プレートが取り付けられ、その後10日以内に登録証が発行されます。


5.登録証とその有効期間(第
15条)

登録証には、①工場名、②工場のマネージング・ダイレクターまたは産業機械の所有者名、③工場所在地、④産業機械の台数、⑤総馬力が記載されます。
登録証の有効期間は発行日から5年間で、更新することが可能です。

6.登録による主な効果

産業機械の登録は任意ですが、登録済みの産業機械については、次のような取扱いが定められています。

  • 担保設定への活用(第20条)
    登録済みの産業機械は担保を設定することができます。ただし、担保設定の条件については、各金融機関が定める規定に従うこととされています。
  • 譲渡・貸与等の手続の円滑化(第21条)
    産業機械を贈与、貸与、交換または売却する場合は、登録情報に基づいて手続きが行われます。なお、譲渡後は新たな所有者による再登録が必要です。
  • 市場価格の評価・査定への活用(第22条)
    登録済みの産業機械は、耐用年数、減価償却費および当該産業機械に関連する構成要素などを比較検討し、市場価格を評価・査定するための資料として活用されます。

    7.ラオス国内に工場がある日系企業への影響
    合意に基づく産業機械の登録は任意ですが、担保設定や譲渡手続、評価・査定など、実務上のさまざまな場面で活用されることが想定されています。そのため、ラオス国内に工場を有する日系企業におかれては、恒久的に輸入した産業機械について、登録を積極的に検討することをお勧めします。

なお、今後は申請書式の入手方法や審査期間など、実務運用に関する詳細が関係当局から示される可能性があります。引き続き関連動向を注視し、最新情報を随時ご案内してまいります

以上

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

 


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