カンボジア:不動産の所有権又は占有権の移転に係る税免除及び優遇措置に関する通知
「不動産の所有権又は占有権の移転に係る税免除及び優遇措置に関する通知」についてニューズレターを発行いたしました。こちらの内容は以下のPDFからもご覧いただけます。
→不動産の所有権又は占有権の移転に係る税免除及び優遇措置に関する通知
カンボジア:不動産の所有権又は占有権の移転に係る税免除及び優遇措置に関する通知
2026年9月 One Asia Lawyers Group
カンボジア事務所
経済財政省(MEF)は、2026年8月4日付で、不動産所有権及び占有権の移転に係る税免除及び優遇措置に関する通知第008号を発出しました。同通知は、政府が導入した支援税制上の免除及び優遇措置を定めるものであり、主な内容は以下のとおりです。
1.登録税の延滞に対する追加税の適用猶予
不動産所有権・占有権の移転に係る登録税(印紙税)の納付が遅延した場合、原則として納税額の100%に相当する追加税が課されます。同通知により、都・州の土地管理・都市計画・建設・地籍局が発行する送付状又はその付属書類の発行日から3ヶ月の期間を徒過した場合における当該追加税の適用が、2027年末まで猶予されます。
2.複数回の不動産占有権の移転がある場合の登録税の一括納付
同通知により、2017年5月2日付で閣僚評議会が発行した通知No.367 SCNの効力が延長されました。これにより、不動産占有権について連続して複数回の移転が行われた履歴がある場合であっても、最終の移転段階においてのみ登録税を1回納付すれば足りることになります。
同通知の対象は、2026年7月末までに行われた複数回の移転であり、対象となる移転の履歴の範囲を画するものであると解されます。したがって、2026年8月1日以降に行われる移転については、各移転について登録税を納付する必要があると解されます。
なお、同項が対象とするのは占有権の移転に限られ、所有権の移転は含まれません。不動産所有権は登記制度の下で移転の都度登録税が課され記録が残るため、未処理の移転が累積する事態が生じないのに対し、未登記の土地については、占有権が売買や相続により登記を経ずに転々と移転してきた事例が少なくありません。同通知は、そのような土地について権原を正規化する際に、過去の各移転に遡って登録税を課すのではなく、最終の移転についてのみ課税することで、登記手続の促進を図るものと解されます。
3.完成した建物に係る登録税及び不動産税の納付書類の簡素化
完成した建物に係る登録税及び不動産税について、建設許可証又は所管当局が発行する建設日の証明書に基づいて算定することが認められます。これにより、当該税額の算定に必要な書類が簡素化されます。
4.遡及効
本通知に定める税制上の優遇措置は、既に納付された税額並びに行政罰(追加税及び利息)については遡及して適用されません。

