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タイにおける電子システムを利用した会議を開催する場合の基準について

2020年04月27日(月)

タイにおける電子システムを利用した会議を開催する場合の基準について報告いたします。
PDF版は以下からご確認ください。

電子システムを利用した会議基準について

 

電子システムを利用した会議を開催する場合の基準について

2020年4月27日
One Asia Lawyers タイ事務所

 

2020年4月20日付のニュースレターにおいて、2020年4月19日「電子システムを利用した会議に関する勅令」が施工されたことをお伝え致しました。同勅令7条に規定されている通り、電子システムを利用した会議を開催する際は「電子システムを利用した会議のセキュリティ基準に関する情報技術・通信省(現デジタル経済社会省)の2014年の告示に従う必要があります。

デジタル経済社会省のウェブサイトの情報によれば、現在同告示の改定に向け草案の準備を進めているようですが、新告示が発出されるまでは同告示に規定される基準に準ずることになります。同ウェブサイト上で公開されているガイドラインの内容も含め、以下の通り解説致します。

1 電子システムを利用した会議開催の基準

上記勅令、告⽰、及びウェブサイト上のガイドラインの内容をまとめると、電⼦システムを利
⽤した会議を開催する際、以下の要件を最低限満たす必要があると考えます。

 • 会議参加前に参加者全員を特定すること
 • 会議開催前に、会議開催の承認に関する記録や、招集通知を作成すること
 • 参加者の投票を可能にすること
  投票結果を公表する場合の投票⽅法の例
   a. 会議システム内でのメッセージ送信
   b. SMS
   c. E メール 等
  投票結果を公表しない場合の投票⽅法の例
   a. オンライン投票システム 等
 • 議事録を作成すること(電⼦データ形式も可)※注1
  議事録に記載を推奨する事項
   a. 電⼦システムを利⽤した会議の⽅法(会議システムのプロバイダー名)
   b. 投票⽅法
   c. 会議参加者のシステムへのアクセス⽇時
   d. 接続が中断された場合の時刻 等
 • 会議開催中は終始、会議参加者が⾳声もしくは⾳声及び映像により、2 か所以上の場所を繋いで双⽅向のコミュニケーションをとれるようにし、それをデータとして保存すること。(秘密会議を除く)会議中は、電話、テレビカメラ、マイク、などのツールを利⽤すること
 • 会議参加者全員のログファイルを証拠として保存すること
 • システム管理者を配置し、リモートアクセスによる会議参加者のシステム動作環境確認
とトラブルへの対応を⾏うこと
 • 緊急時または必要に応じて、会議の議⻑またはシステム管理者が即時に⾳声もしくは映
像信号を切断したり情報の送信を停⽌したりすることを可能にすること
※注1
電⼦システムを利⽤した会議に関する勅令により、電⼦システムのログ、映像、⾳声は議事録
の⼀部であるとみなされます。議事録は、⺠商法第 1207 条に従い記録・保管し、また株主から
の閲覧要求があった場合にはそれに応じる必要があります。⺠商法上保管期限が明⽂化されて
いないため、会社解散まで保管するべきであると考えます。

  ⺠商法第 1207 条
  取締役は株主総会及び取締役会議の議事及び決議のすべてを正確に記録し、記録を会
  社の本店に保管しなければならない。決議の可決、議事が⾏われた会議の議⻑か、ま
  たはその次の会議の議⻑によって署名された議事録は全て正しい証拠と推定され、決
  議および議事は正当に可決されたものと推定される。
  ②株主は全て、執務時間中いつでも上記書類の閲覧を要求することができる。

⺠商法の罰則規定第 28 条 3 項により、議事録が記録されていなかった場合は、取締役 1 ⼈につ
き 5 万バーツ以下の罰⾦が科せられますのでご注意下さい。

⺠商法罰則規定第 28 条 3 項
⺠商法第 1207 条に従い議事録が記録されなかった場合、⾮公開会社の取締役それぞれに5 万バーツ以下の罰⾦が科せられる。

2 電⼦システムを利⽤した会議開催時に利⽤可能なシステムプロバイダー

デジタル経済社会省のウェブサイト上において、電⼦取引開発機構が「告⽰第 74/2557 号:電
⼦システムを利⽤した会議」及び「電⼦システムを利⽤した会議のセキュリティ基準に関する
情報技術・通信省(現デジタル経済社会省)の 2014 年の告⽰」に基づき作成した適合性評価フ
ォームで各プロバイダーが⾃⼰評価を⾏った結果を以下の通りユーザーに公開しています(タ
イ語のみ)。
ただし、これらの告⽰では適合性の条件が規定されていないため、電⼦取引開発機構も⾃⼰評
価結果が同告⽰の規定に準じているか否かについては保証しないと記載しているため注意が必
要です。⾃社で現在使⽤しているシステムのセキュリティ基準を⾒直す際の参考程度にご確認
頂き、詳細は各プロバイダーへお問合せ下さい。

以 上