ラオスにおける所得税法について(アップデート)

2021年02月22日(月)

ラオスにおける所得税法について(アップデート)ニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

ラオスの所得税法について

ラオスにおける所得税法について(アップデート)

 

2021 年2月22日

One Asia Lawyersラオス事務所

  • 1.背景

ラオスにおける所得税法は、2021年2月13日付「ラオスにおける所得税法の改正について」にて解説した通り、2020年1月から施行されています。今回、2021年2月10日付「所得税法履行に関するガイドライン」(Guidelines for Income Tax Law) (以下、ガイドライン)」が財務省より発行されました。同ガイドラインは、全86条で構成されており、新所得税法の内容が十分かつ明確でない点が多く、ガイドラインや細則のアップデートを待っておりました。今回のガイドラインは比較的詳細な内容となっています。下記の表にある所得の種類に従って、所得税法では、十分かつ明確に説明されていなかった、所得税の算出方法も含めて解説されています。

<ラオスにおける所得の種類>

法人税

・事業所得

・零細企業の事業所得

所得税

・給与所得

・配当による所得

・賃貸収入

・政府・行政機関のビジネスではない活動からの所得

・建物を含む土地使用権の売買、譲渡による所得

・景品、賞金からの所得(現金、現物)

・個人及び法人の株式譲渡にかかる所得

・宝くじによる所得(現金・現物)

・フリーランス・個人事業主の取得

・個人・法人によるオンラインによる売買の所得

・知的財産からの所得

・金融機関及び金融機関外を介しての貸付利息収入

・遺産相続による収入

・非居住者(ラオス国内に一時的に居住している個人を含む)の収入

 

2. 個人に対する納税者番号の発行について

同じく2月10日付で、財務省より「個人に対する納税者番号の発行について」の通知が出されました。これまでは、会社の登記と同時に、法人に対してのみ納税者番号が付与されており、個人の給与税は法人の納税者番号と紐ついておりました。今回、所得税法第6条において、個人も納税の義務があることが規定されており、それとの整合性をとる必要もありました。また、個人からの税金徴収は、企業からの給与に対する源泉徴収が主となっていましたが、新所得税法の導入で、年度末での確定申告制度も導入され、個人からの税金徴収が本格化するといえます(但し、準備が整っておらず、2021年度は実施されないのではないかと言われています。)。なお、上記1の表の所得税は、個人と法人の区別はありません。

3. 受取配当による所得

上記1.表中の配当に関して、ガイドラインに少し気になる規定がありましたので、紹介いたします。法人、個人を問わず、配当を受け取った場合、配当額の10%を受領した後、15日以内に管轄の税務署に納税する必要があります(所得税法第41条、ガイドライン第42条)。非居住者へ支払いをする場合、実務上、ラオス国内で登録された会社が源泉徴収し、代わって納税することになります。

配当額は、株主総会にて全会一致で決議する必要があり(ガイドライン第40条)、株主総会の決議書は、次の会計年度(会計年度が1月から12月の場合)の6月30日までに、管轄の税務署に通知する必要があります(ガイドライン第41条)。通知をしなかった場合、配当税額相当額を追徴される可能性があることを示唆する規定がありますので(ガイドライン第41条)、ご留意下さい。旧税法第39条[1]においても、同じような規定があり、配当に関する決議を行った株主総会の決議書を提出していなかったところ、税務署が年間の利益からみなし配当金を算出し、その10%を追徴されるケースがありました。

なお、配当が出ない年度の対応については、記載されておりませんが、配当はゼロであるということを、株主総会で決議をして、念のため、財務諸表を税務署に提出する際に、決議書も一緒に提出しておくことを推奨いたします。

[1] <旧税法第39条 法人税の納付>

…the minute of meeting of partners or shareholders regarding the profit use or dividend payment shall be submitted to the Tax Administration before the first of March each year. In the case of fail to submit or open the shareholders meeting, tax officials will calculate dividend tax according to the income statement within a year.

 

以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)