ラオスにおける貴金属の輸出入業に関する合意について

2021年03月09日(火)

ラオスにおける貴金属の輸出入業に関する合意についてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

貴金属の輸出入業について

 

ラオスにおける貴金属の輸出入業に関する合意について

 

2021 年3月5日

One Asia Lawyersラオス事務所

  • 1. 背景

ラオスでは、貴金属に関する主な法令は、2008年3月17日付「外国為替及び貴金属管理に関する国家主席令」及び2010年4月2日付「外国為替及び貴金属管理に関する国家主席令実施に関するガイドライン」の二つがあります。上記の法令において規定される貴金属は、ラオス中央銀行の管轄下にある「国際間の支払い使用される地金(延べ棒)」を指しており、それ以外の貴金属に関する詳細な規定はありませんでした。

今回、商工業省は、「貴金属の輸出入業に関する大臣合意(以下、合意)」を2021年2月26日付で発行しています。同合意においては、貴金属には、地金は含まれておりません。貴金属の定義、輸出入に必要な許可等について、次の通り、解説致します。

2. 貴金属とは

 同合意第3条によると、貴金属とは「銀や金の装飾品、ダイヤモンド、真珠、貴石、プラチナ及び貴石から作られたその他の物」と定義されており、下記表のHSコード[1](7102,7103,7104,7110,7111,7113,7114,7115,7116)の分類に基づいています。

但し、ラオス中央銀行が管理する装飾品の形式ではない、地金、金塊、銀地金、銀塊及び鉱山・エネルギー省が管轄する鉱石から作られる貴金属は含まれません。

 

HSコード

商品の名称

7102

Diamonds, whether or not worked, but not mounted or set.

7103

Precious stones (other than diamonds) and semi-precious stones, whether or not worked or graded but not strung, mounted or set; ungraded precious stones (other than diamonds) and semi-precious stones, temporarily strung for convenience of transport.

7104

Synthetic or reconstructed precious or semi-precious stones, whether or not worked or graded but not strung, mounted or set; ungraded synthetic or reconstructed precious or semi-precious stones, temporarily strung for convenience of transport.

7110

Platinum, unwrought or in semi-manufactured forms, or in powder form.

7111

Base metals, silver or gold, clad with platinum, not further worked than semi-manufactured.

7113

Articles of jewellery and parts thereof, of precious metal or of metal clad with precious metal.

7114

 Articles of goldsmiths’ or silversmiths’ wares and parts thereof, of precious metal or of metal clad with precious metal.

7115

 Other articles of precious metal or of metal clad with precious metal.

7116

Articles of natural or cultured pearls, precious or semi-precious stones (natural, synthetic or reconstructed).

3. 貴金属の輸出入業とは

海外から貴金属を購入して、ラオスに輸入後、卸・小売を行う又はラオス国内の生産者から購入し、海外へ販売するために輸出する事業と定義しています(合意第2条)

 4. 貴金属輸出入業の実施要件

 事業を実施するために必要な要件は、以下のとおりです(合意第5条)。

(1)会社法に則り合法的に登記した法人であること

(2)貴金属輸出入業の事業許可書を取得していること

(3)事業を実施するための資金及び資金源が確実であり、登録資本金の最低30%以上が法人の銀行口座に預金されていること

(4)事業実施者及び株主が犯罪歴、マネーロンダリング及びテロリズムに対する資金供与防止法第8条[2]に規定される違法行為に関連する前科がないこと

5. 事業許可証取得に必要な書類

 事業許可証を取得するためには、以下の書類を揃えて商工業省輸出入局(以下、輸出入局)へ提出します(合意第6条)。事業許可証は、首都ヴィエンチャンの輸出入局のみでしか発行しておりませんので、ご留意ください。必要な書類を提出後、3営業日以内に輸出入局は、許可証の発行の可否を審査して、申請者に結果を伝えます(合意第7条)。事業許可証は5年間有効で、条件を満たせば、更新も可能です。更新する場合は、期限が切れる30日前に手続きをする必要があります(合意第9条)。

 

(1)輸出入局所定の事業許可証申請書

(2)企業登録書の写し及び企業登録の際に提出した書類一式の写し

(3)過去90日間の事業実施者及び株主の銀行口座取引明細書及びラオスにある商業銀行からの資金証明書

(4)事業実施者及び株主の無犯罪証明書

 

[1] 「商品の名称及び分類についての統一システム(Harmonized Commodity Description and Coding System)に関する国際条約(HS条約)」に基づいて定められたコード番号

[2] Predicate offences are all criminal offences which are the cause of money laundering including offences committed outside the territory of the Lao PDR that cause proceeds ofcrime. These include frauds, robbery or theft, murder and grievous bodily injury, kid napping, illegal restraint and hostage-taking, illicit trafficking in stolen and other goods, counterfeiting currency, forgery, counterfeiting and piracy of products, corruption and bribery, sexual exploitation including sexual exploitation of child, trafficking human being and migrant smuggling, illicit trafficking in narcotic drugs and psychotropic substances, illicit trafficking of war arms and explosives, participation in an organized criminal group and racketeering, terrorism including financing of terrorism, environmental crime, tax crimes, insider trading and market manipulation, smuggling (including in relation to customs), extortion, piracy and others.

 

以 上

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