ラオスにおけるeコマース事業について

2021年05月31日(月)

ラオスにおけるeコマース事業についてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

eコマース事業について

 

ラオスにおけるeコマース事業について

 

2021 年5月31日

One Asia Lawyersラオス事務所

  • 1.背景
  • 新型コロナウイルス感染症の拡大により、ラオスにおいてもレストラン、カフェなどの飲食店やスーパーマーケットなどは、オンラインで注文を受け、デリバリーする形態が増えてきました。

インターネットの普及に応じて、さまざまな取引が電子化されつつありますが、ラオスにおいて、それらを導入・管理するための法令は、消費者保護法(2010)、電子取引法(2012)、コンピューター犯罪防止法(2015)、情報通信技術法(2016)、電子決済システム法(2017)[1],電子情報保護法(2017)、電子署名法(2018)などがあります。

今回、発行された2021年4月12日付「電子商取引に関する政府令(No.296/GO)(以下、政府令)」は、上記の法令ではカバーされていない電子商取引(以下、eコマース)に関して、主に、事業許可の取得及び電子契約について規定されています。

 本ニュースレターでは、eコマースの導入部分について解説いたします。

2. eコマースの形態(政府令第6条)

eコマースの形態は下記の通り3種類あります。

①ネット販売(Online Ordering Function)

②マーケットプレイス(Electronic Marketplace)への出店

③マーケットプレイスの運営

3. eコマース事業承認証明書の取得(政府令第10条から13条)

上記①及び②の事業を行う場合は、ラオスにおいて会社を設立する必要はありませんが、商工業省へ下記に記載する書類を揃えて、通知する必要があります。すでに、事業を実施している個人、法人は、同政府令の施行日(2021年6月5日)から90日以内に、商工業省へ通知しなくては、なりません。通知を怠った場合は、何らかの指導を受けることになります。

通知に必要な書類は以下の通りです。

<法人の場合>

①商工業省所定の申請書

②企業登録書の写し(ただし、会社法上、登記する必要のない事業体は除く)

③事業許可証の写し(事業許可証の取得が義務付けられている事業分野の場合)

④ラオス国内の決済サービス利用証明書の写し

<個人の場合>

①商工業省所定の申請書

②IDカードまたはパスポートの写し

③住所証明証

④ラオス国内の決済サービス利用証明書の写し

上記の書類をすべて揃えて、商工業省へ提出後、3営業日以内に、「eコマース事業承認証明書」が発行されます。同証明書の有効期間は2年間で、有効期限が切れる30日前に更新することが可能です。

4. eコマース事業許可証の取得(政府令第9条、14条から17条)

  マーケットプレイスを運営する場合、法人であることが前提となります。外国の個人、法人がラオスで事業を行う場合、外資規制があり、最大90%まで株式を保有することが可能です。また、登録資本金は、100億キープ(約1億1600万円)と規定されています。

事業を実施するためには「eコマース事業許可証」を企業登録書とは別に商工業省から取得する必要があります。すでに、事業を実施している法人は、同政府令の施行日(2021年6月5日)から90日以内に、商工業省へ申請する必要があります。事業許可証を取得せずに、事業を行った場合は、法律に基づき何らかの指導を受けることになりますので留意が必要です。

事業許可証取得に必要な書類は以下の通りです。

 ①商工業省所定の申請書

②企業登録書の写し

③事業計画書

④インターネット技術証明書

③事業許可証の写し(事業許可証の取得が義務付けられている事業分野の場合)

④ラオス国内の決済サービス利用証明書の写し

⑤ラオス中央銀行が規定した特別規則に基づいた電子決済サービス利用許可書

 上記の書類をすべて揃えて、商工業省へ提出後、5営業日以内に、「eコマース事業許可書」が発行されます。同許可書は3年間有効で、有効期限が切れる30日前に更新することが可能です。

5. 電子署名に関して

 eコマースで必須となるのが、電子認証や電子署名ですが、同政府令の中では、電子署名に関しては触れられていません。ラオスでは、2019年に電子署名法が施行されており、今年3月に郵便・通信省が中心となって、同法律を普及させるための会議を開催しています。ラオス政府のE-government system projectに対して、技術支援をしている、大手通信会社スターテレコム(ユニテル)が電子署名に関しても高い技術を持っているため、この分野に貢献できることをアピールしています。なお、ラオスにおける電子署名については、次回のニュースレターにて執筆予定です。

6.所得税について

eコマース事業に関する税については、同政府令では明確に定められておらず、所得税に関して2021年2月10日付「所得税法の実施に関するガイドライン」の第66条から68条(個人の場合)と第69条から71条(企業の場合)に定められています。eコーマスと税金の問題については、ラオスのみならず、各国で問題になっておりますので、ラオス政府の方針や新たな通達等も含めて、動向を注視したいと思います。

[1] 電子決済サービスに関するニュースレターはこちらから(https://oneasia.legal/3922

以 上

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