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インドネシアにおける新しいオンライン・シングル・サブミッション・リスク・ベースド・アプローチ(OSS-RBA)について

2021年11月08日(月)

インドネシアにおける新しいオンライン・シングル・サブミッション・リスク・ベースド・アプローチ(OSS-RBA)についてニュースレターを発行いたしました。
PDF版は以下からご確認ください。

新しいオンライン・シングル・サブミッション・リスク・ベースド・アプローチ(OSS-RBA)の紹介

 

新しいオンライン・シングル・サブミッション・リスク・ベースド・アプローチ(OSS-RBA)の紹介

2021年11月
One Asia Lawyers; Indonesia Office
日本法弁護士 馬居 光二
インドネシア法弁護士 Prisilia Sitompul

1. はじめ

 インドネシア投資調整委員会(Indonesian Investment Coordinating Board / Badan Koordinasi Penanaman Modal (BKPM))は、2021年8月9日、オンライン・シングル・サブミッション(OSS)の新バージョンを「オンライン・シングル・サブミッション・リスクベース・アプローチ(OSS-RBA)」という名称で正式に開始しました。新しいOSS-RBAシステムは、「リスクベースのビジネスライセンスの運用に関する2021年政府規則第5号」(GR 5/2021)に沿うものとなっております。

 OSSを利用することにより、ビジネスライセンスの発行を希望する企業は、オンライン設備でその発行の申請することができ、ライセンスサービスオフィスに実際に出向く必要がなくなります。

2. OSSシステム

 OSSは、BKPMが管理・運営するビジネスライセンスシステムに統合された電子システムです。OSS-RBAは、2021年8月4日以降、従来のOSS 1.1システムにとって代わり、左記のリンク(https://oss.go.id/) からアクセスできます。

 OSSシステムによるリスクベースのビジネスライセンスの移行と実施に関する投資調整庁長官Circular Letter No. 17/2021によると、2021年8月2日にリスクベースのOSSシステムが導入された時点で使用可能となった1349のインドネシア標準事業分類(Klasifikasi Baku Lapangan Usaha Indonesia; KBLI)、及び同時点では使用可能となっておらず2021年8月末までにリスクベースOSSシステムで使用可能とすることをを目標とした353のKBLIの合計1702の事業分野が存在します。

3. GR 5/2021に基づくOSS-RBAのコンセプト

 GR 5/2021は、OSSシステムは、ライセンス手続きを簡素化することを目的とし、RBAライセンスシステムという新しいコンセプトを導入しています。OSS-RBAシステムでは、安全、健康、環境、天然資源の利用・管理などの観点から評価された各事業のリスクレベルに応じて、ライセンス付与が行われることになります。これは、事業内容にかかわらず、すべての企業が同様のライセンスを取得する必要があった従前のシステムとは異なるものです。

 GR 5/2021は、コミットメントベースのビジネスライセンスに関する従来の規則を、ライセンスの要件に対するリスクを4つのレベルに改正しています。

 a. 低リスク:事業者識別番号(Nomor Induk Berusaha “NIB”)
 b. 中・低リスク:NIBと標準証明書(自己申告)
 c. 中・高リスク:NIBと標準証明書(自己申告)
 d. 高リスク:NIBおよびライセンス(Verified Standard認証の有無にかかわらず)

 上記の各カテゴリーでは、必要なライセンスがそれぞれ異なる形となっております。

4. OSS 1.1OSS-RBAシステムの違いについて

 従来のOSS 1.1と比較して、OSS-RBAは、外国人投資家を含む企業/ビジネス実務者向けに、インドネシアでビジネスを行うために必要な法的要件やライセンス要件について、より整理されたガイドラインを提供しているため、より使いやすく、統合されたオンラインシステムとなっています。OSS-RBAには、特定のビジネスクラスに適用される要件、特定のビジネスにおける外国人の最大所有権、ライセンス申請プロセスの推定時間等も示されています。

5. OSS-RBAシステム

 各事業が上記のどのカテゴリーのリスクに該当するかは、KBLIリストに記載されています。ビジネスを立ち上げる前に、投資家はまず、選択したKBLIの決められたリスクに従わなければなりません。

 OSS-RBAのライセンス発行のフローチャートは以下の通りです。

6. 結論

 上記を踏まえ、すべての投資家は、インドネシアへの投資にあたってはまず、自社の意図する事業活動がどのようなものであるかを具体的に把握し、当該ビジネスがどの標準産業分類に該当し、上記リスク分類のいずれに該当するのかを把握する必要があります。

 一方で、OSS-RBAシステムは、現在もアップデートされ続けており、各企業は、インドネシア政府の動きや手続きの変更状況を注視することが重要です。このため、必要なビジネスライセンスの取得を行う際は、インドネシア現地の法律事務所等から、より詳細なアドバイスを受けることが肝要かと考えられます。

以 上