• Instgram
  • LinkeIn
  • Lexologoy

ラオスにおける郡レベルの紛争解決に関するガイドライン

2022年08月04日(木)

ラオスにおける郡レベルの紛争解決に関するガイドラインについてのニュースレターを発行しました。PDF版は以下からご確認下さい。
郡レベルの紛争解決に関するガイドライン

ラオスにおける郡レベルの紛争解決に関するガイドラインについて

2022年8月5日
One Asia Lawyers ラオス事務所

1.背景

2021年12月に「村レベルの紛争解決に関する首相令」が施行されています(詳細は、2021年11月30日付けのニュースレターを参照ください)。今回、ラオス司法省は、3つの目的 ①同首相令を広め実施するため、②郡レベルの紛争解決を効率的、効果的に統一的に実施するため、③村レベルの紛争解決に関する手続きを実施可能な制度として展開するため、2022年7月21日付で「郡レベルの司法事務所、地方行政機関(準郡)、都市における紛争解決に関するガイドライン」を発行しました。
2.郡レベルにおいて取り扱う紛争の種類(Ⅱ.2)
郡レベルの調停で取り扱うことができる紛争は、村レベルと同様に、民事関係、商事関係、家族関係、環境関係、労働関係、刑事関係、青少年犯罪となっています。原則、当事者からの訴状又は要請をもとに調停手続きを進めます。青少年犯罪の場合、紛争額が高額でなく、解決が困難ではない規模の紛争については、まずは、村レベルでの調停で解決するように促します。なお、調停の手続きについては、村レベルの紛争解決と同じであるため、詳細は、ニュースレターを参照ください。
3. 郡レベルの調停委員の選出について(Ⅱ.1)
  郡の司法事務所長は、副所長を調停委員長として選任し、職員の中から、調停委員会メンバーとして二人選出します。選出された者は、県及びヴィエンチャンの司法局から全会一致の承認を経たのち、郡長、地方行政長、市長から認証される必要があります。
4.調停の効果(Ⅱ.4)
紛争解決の解決が、どのような結果であっても、調停調書を作成します。調停により、お互いの合意が得られた場合は、合意内容が、ラオスの法律や伝統・慣習に反するものであってはなりません。
調停委員会は、合意内容を実施するように当事者に促します。合意内容が実行できない場合、又は一部しか実行できない場合は、調停員会は、他の紛争機関でに解決を促すため、意見書を発行します。

5.調停費用について(Ⅱ.5)
調停にかかる費用は1回につき、手数料として200,000キープ(約13米ドル)を超えない額で、当事者が折半することと規定されています。但し、村レベルでの調停手続きを経た事件については、200,000キープを支払う必要はありません。
同じ事件に対して、再度、郡レベルで調停を行うことになった場合は、新しい事件として取り扱うため、手数料を再度支払う必要があります。
なお、当事者が生活の貧困を理由に、手数料を支払う能力がない場合は、村役場からの証明書があれば、手数料が免除されます。

以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)