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ラオスにおける環境影響評価規制の改正

2023年03月02日(木)

ラオスにおける環境影響評価規制の改正についてのニュースレターを発行しました。PDF版は以下からご確認下さい。
環境影響評価規制の改正

ラオスにおける環境影響評価規制の改正

 

2023年3月2日
One Asia Lawyers Group ラオス事務所

1.背景

ラオスでの環境影響評価は、天然資源環境省(Ministry of Natural Resources and Environment (以下、「MONRE」)及びその管轄下にある県、郡レベルの天然資源環境局が監督機関として、その役割を担っています。ラオスにおいては、環境保護法が1999年に成立し(2012年に改正)、環境影響評価についての規定は存在していますが、その評価プロセスについては、別途規定する法令に従い実施すると定められています。別途規定する法令として、2010 年 に投資事業における環境影響評価を規定した「環境影響評価に関する首相令(No.112)」が公布されました。その後、2019年に改正され、2019年の改正に取って代わる首相令が2022年10月20日付で発行され、2022年10月17日[1](要注釈確認)から施行されています。

また、併せて「初期環境評価及び環境評価実施が必要な投資事業リスト(以下、「リスト」)」が、2010年、2013年に発行されており、2013年のリストの改正版が2023年2月24日付で発行されています。同リストの改正については、別途ニューズレターでご紹介いたします。

今回は、環境への影響が大きいプロジェクトが必要とする環境影響評価(Comprehensive Environmental Impact Assessment、以下、「EIA」)の改正点を中心に解説いたします。

2.EIAのはじめのプロセス

プロジェクトがEIAを必要とするか否かについては、MONREが、事業実施者から提出されたプロジェクトの申請書を精査し、リストに基づき、スクリーニングを実施、その結果、以下のとおり、分類されます。

①初期環境影響評価(Initial Environmental Examination、以下「IEE」)が必要なプロジェクト

②環境影響評価(Comprehensive Environmental Impact Assessment、以下、「EIA」)が必要なプロジェクト

3.EIAのプロセスの改善

EIA報告書の申請から環境証明書発行までのプロセスは、大きく4段階に分けられ、各段階のプロセスにかかる日数が、今回の改正で以下の通り、短縮されています(首相令第19条)。

 

 

実施日数(改正前)

実施日数  (改正後)

実施機関

EIAの方法書(スコーピング)[2]及び実施要領の作成

 

 

事業実施者

スコーピングと実施要領のレビュー

15日

10日

MONRE

EIA報告書及び環境管理・モニタリング計画の作成

 

 

事業実施者

EIA報告書及び環境管理・モニタリング計画のレビュー

 

95日

 

50日

MONRE

 

①意見、コメントの聴衆

(70日)

(40日)

MONRE

専門家

 

②最終レビュー

(25日)

(10日)

MONRE

専門家

EIA報告書及び環境管理・モニタリング計画の修正

6か月以内

2回まで (60営業日以内/回)

事業実施者

 

環境証明書の発行

 

 

MONRE

 

各段階におけるレビュー実施機関は、MONREの職員以外に、天然資源環境大臣より選出されたその分野の専門家から、チームとして構成されます。

改正前は、専門家の条件として、「環境影響評価に関する特定の資格を有する者で、官公庁職員、民間企業事業者、府省庁退職者及びラオス国民」と記載されていましたが、改正後は、この条件の中に「外国人」も追加されました(首相令第36条)。そのため、より高度な専門家によるEIAレビューも対応可能となり、迅速かつ効果的にプロセスが進むことが期待されます。

なお、これまでは事業実施者によるIEE及びEIA報告書の作成は認められず、MONREに登録している環境影響評価のサービスを実施している専門業者を起用する必要がありました。改正後は、事業実施者によるIEEの作成も認められている点は、注目すべきです。他方、EIAは、これまでどおり、専門のサービス業者を起用する必要があります(首相令第58条)。

[1] 施行日が発行日より前の日付になっており不自然ですが、原文のまま記載しております。

[2] プロジェクトの環境に関する基本的なデータを収集し、主要な領域と環境への潜在的な影響を特定するプロセス(首相令第20条)

以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)