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ラオスにおけるeコマース事業に関するガイドライン

2023年05月08日(月)

ラオスにおけるeコマース事業に関するガイドラインについてのニュースレターを発行しました。PDF版は以下からご確認下さい。
eコマースガイドラインについて

ラオスにおけるeコマース事業に関するガイドライン

 

2023年5月8日
One Asia Lawyers Group ラオス事務所

1.背景

2021年4月に事業許可の取得及び電子契約について規定した「電子商取引に関する政府令(No.296/GO)(以下、政府令)」が発行されています(詳細は2021年5月31日発行のニューズレターをご参照ください)。今回、商工業省は、政府令の第6条から第17条、第35条から第40条、第42条、第51条及び第59条について、補足説明するために、2023年4月5日付で「電子商取引(eコマース)事業の承認と事業許可通知に関するガイドライン(No0479)(以下ガイドライン)」を発行しました。

 ガイドラインには、すでにeコマース事業をはじめている個人や法人に対しても、商工業省からの事業承認や事業許可の取得を義務付け、厳格に実施させる目的もあります。本ニュースレターでは、その補足された点の要点について、解説いたします。

2. eコマースの事業承認機関とその取得期限について(政府令第10条の補足)

eコマースの形態は3種類[1]あり、その中で、ネット販売(Online Ordering Function)及びマーケットプレイス(Electronic Marketplace)への出店については、会社を設立する必要はありませんが、商工業省国内貿易局から「eコマース事業承認証明書」を取得する必要があります。政府令では、管轄機関が、商工業省としか記載されていませんでしたが、ガイドラインでは、国内貿易局が管轄機関であることが明示されました(政府令第51条の補足説明)。また、既存の事業者に対しては、ガイドラインの施行日(2023年4月5日)から90日以内に、当局へ事業許可の手続きをとることを義務付けています。政府令では、政府令の施行日である2021年6月5日から90日以内に事業許可申請を行うようにと記載されていましたが、その期間が、延長されたことになります。なお、上記の期限内に事業承認証明書を取得しない場合は、政府令第59条の罰則規定[2]が適用されます。

3. 「eコマース事業承認証明書」の種類について(政府令第12条、第13条の補足)

様々な商品やサービをネット販売したり、マーケットプレイスへ出店したりする場合、商品の種類又はサービスの種類ごとに事業承認を得る必要はなく、事業ごとに「eコマース事業承認証明書」発行されます。また、「eコマース事業承認証明書」は、印刷版と電子版があり、有効性に違いはありません。なお、同承認証明書は、「eコマース事業許可証(Business Operation License)」とは別物ですが、事業者が実際に存在していることを証明したり、紛争が生じたときの根拠となる書類であるため、ビジネス上の信用を得るうえで、重要な書面とみなされます。なお、ガイドラインでは、「eコマース事業承認証明書」が無効となる場合の条件(政府令が規定する事業者の権利と責務、禁止事項に違反した場合等)も示されています(政府令第36条、第38条、第42条の補足説明)。

4. 「eコマース事業許可証」の取得(政府令第14条から17条の補足)

マーケットプレイスを運営する場合、法人であることが前提であり、事業を実施するためには「eコマース事業許可証」を企業登録書(Enterprise Registration Certificate)とは別に商工業省国内貿易局から取得する必要があります。

なお、マーケットプレイス運営事業者が、ネット販売やマーケットプレイスへの出店等をする場合は、商工業省国内貿易局から、上記、2及び3で説明した「eコマース事業承認証明書」を別途取得する必要はなく、「eコマース事業許可証」のみで、すべてのeコマース事業を実施することが可能です。また、「eコマース事業承認証明書」と同様に、事業許可証にも印刷版と電子版の2種類がありますが、ともに有効な許可証として認められています。

また、ガイドラインでは、「eコマース事業許可証」が無効となる場合の条件(政府令が規定する事業者の権利と責務、禁止事項に違反した場合等)も示されています(政府令第40条、第42条の補足説明)。

[1] ①ネット販売(Online Ordering Function)、②マーケットプレイス(Electronic Marketplace)への出店、③マーケットプレイスの運営

[2] 政府令第59条 罰則規定

同首相令の規定に違反した個人、法人、組織は、警告、指導、懲罰、罰金、民事的損害賠償、罪の重さ従い刑事罰を科す

                                          以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)