タイ:FBL免除対象事業の拡大に関する省令および勅令の施行
「FBL免除対象事業の拡大に関する省令および勅令の施行」に関するニューズレターを発行いたしました。こちらの内容は以下のPDFからもご覧いただけます。
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FBL免除対象事業の拡大に関する省令および勅令の施行
2026年11月5日
One Asia Lawyersタイ事務所
藤原 正樹(弁護士・日本法)
マーシュ 美穂
2026年7月13日付ニュースレターでは、外国人事業許可(以下、「FBL」)の取得義務を免除する事業の拡大について、内閣による原則的承認の内容をご紹介しました。その後、2026年8月に2つの省令[1]、同年9月に勅令[2]が制定され、外国人事業法に基づくFBL免除の対象が拡大されました。
本ニュースレターでは、前回のご案内からの進展、新たに免除対象となった6つのサービス事業、および関連会社間のサービス提供に適用される要件について解説します。
1. 前回のご案内からの進展
前回は法案の原則的承認の段階でしたが、今回は省令および勅令が制定・施行され、所定の要件を満たす事業についてFBLの取得が不要となりました。施行日は、2つの省令が2026年8月28日、勅令が同年9月28日です。
前回は免除が見込まれる9つの事業類型を3つのグループに分けてご紹介しました。今回は、証券・デリバティブ関連事業および農産物先物取引に関する免除と、6つのサービス事業に関する免除に分けて整理しています。
また、前回は関連会社グループ内のサービスとしてご紹介したマネジメントサービスおよび国内債務保証サービスについて、今回は免除の対象となる法人間の関係を具体的に説明します。いずれのサービスも、サービス提供者とその提供先が、下記3の表に掲げる要件のいずれかを満たす場合に、今回の免除の対象となります。
2. 新たに免除対象となった事業
(1)証券・デリバティブ関連事業および農産物先物取引
今回の法令により、証券業務およびデリバティブ業務に関する免除の範囲が拡大されました。これには、デリバティブ取引の代理業務や、デリバティブ取引所における農産物先物取引が含まれます。これらは主として金融分野に関わる改正です。
(2)6つのサービス事業
FBLの取得を要しないサービス事業を定める省令(第5号)により、以下の6つのサービス事業が新たに免除対象となりました。政府は、これらをタイ事業者が競争可能な事業、または関連会社間に限定して提供される事業と位置づけています。
- ①国家放送通信委員会(NBTC)の規制を受ける第1種電気通信ライセンス保有者による電気通信サービス事業
- ②外国為替管理法に基づき、タイ中央銀行(BOT)の規制を受けるトレジャリーセンター事業
- ③関連法人間で提供される管理、人事および情報技術に関するマネジメントサービス事業
- ④関連法人のみに対して提供される、タイ国内の債務に限定した債務保証サービス事業
- ⑤主として従業員の利便性のために、金融サービス用電子機器(ATMなど)、自動販売機または自動化サービス機器を設置するためのスペースの一部賃貸サービス事業
- ⑥エネルギー省の管理下において、コンセッション保有者のみに対して提供される石油掘削請負事業
3. 関連法人間のサービスに適用される要件
上記③および④のサービスについては、サービス提供者とその提供先が、下表のいずれか1つの関係を満たす場合に限り、今回の免除が適用されます。単に同じ企業グループに属しているというだけではなく、株主、取締役または出資関係を確認する必要があります。
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サービス提供者と提供先の関係 |
マネジメント |
国内債務保証 |
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1. 両法人の株主の過半数が共通している |
対象 |
対象 |
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2. 両法人の取締役の過半数が共通している |
対象 |
対象 |
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3. 同一の株主が、両法人にそれぞれ右記の割合以上を出資している |
25%以上 |
50%以上 |
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4. 一方の法人が、他方の法人に右記の割合以上を出資している |
25%以上 |
50%以上 |
例えば、あるグループ会社が他のグループ会社に30%を出資している場合、この出資関係に基づき、マネジメントサービスは今回の免除の対象となります(上記の表4に該当)。一方、この出資割合だけでは、50%以上の出資を要する国内債務保証サービスの免除要件を満たしません。ただし、両社の株主または取締役の過半数が共通しているなど、上表の別の要件を満たす場合には、国内債務保証サービスについても今回の免除が適用されます。
4. 企業への影響と実務上の留意点
今回の改正により、外国企業は、所定の関係要件を満たす関連会社に対し、管理、人事および情報技術に関するマネジメントサービスや国内債務保証サービスを、FBLを取得せずに提供できるようになりました。これにより、企業グループ内の支援業務をより柔軟かつ機動的に運営することが期待されます。ただし、債務保証サービスについて今回の免除が適用されるのは、所定の関係要件を満たす関連法人に対して提供される、タイ国内の債務に係る保証に限られます。
電気通信、トレジャリーセンターおよび石油掘削請負の各事業についても、FBL取得に伴う手続の負担軽減が期待されます。ただし、FBL免除が認められる場合であっても、国家放送通信委員会、タイ中央銀行、エネルギー省などの各規制当局または関係機関が要求する個別の事業ライセンスおよび承認は、引き続き適切に取得する必要があります。
免除の適用を検討する企業においては、実際の事業内容およびサービスの提供先が免除の範囲に含まれるかを確認するとともに、法人間の関係要件を満たすことを示す資料を整備・保管することが望まれます。証券・デリバティブ関連事業や農産物先物取引についても、実際に行う業務が免除対象に含まれるかを個別に確認する必要があります。
本件に関してご質問やご相談がございましたら、One Asia Lawyers タイ事務所までお気軽にお問い合わせください。
以上
〈注記〉
本資料に関し、以下の点につきご了解ください。
・ 本資料は2026年11月5日時点の情報に基づき作成しています。
・ 今後の政府発表や解釈の明確化にともない、本資料は変更となる可能性がございます。
・ 本資料の使用によって生じたいかなる損害についても当社は責任を負いません。
[1] FBLの取得を要しないサービス事業を定める省令(第5号)仏暦2569年(2026年)、およびFBLの取得を要しない仲介・代理業を定める省令 仏暦2569年(2026年)。
[2] 外国人事業法 仏暦2542年(1999年)の別表に掲げる事業類型を改正する勅令(第2号)仏暦2569年(2026年)。
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