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ラオス外国投資家向け条件付き事業リストの改正

2026年10月26日(月)

ラオス外国投資家向け条件付き事業リストの改正についてのニューズレターを発行しました。
PDF版は以下からご確認下さい。
→外国人投資家条件付事業について

 


ラオス外国投資家向け条件付き事業リストの改正


                                                                                                                            2026 年10月26日
                                                                                            One Asia Lawyers Groupラオス事務所

1.背景

ラオスでは、外国資本の参入を制限している事業分野があり、規制の目的や外資出資比率などに応じて、複数のリストで管理されています。主なものとして、以下があります。

2019年1月10日付「ネガティブリスト事業およびコンセッション事業に関する首相令」No03)」

2025年11月11日付「ラオスにおいて禁止される事業分野リスト(No2821)」

(詳細は弊所ニューズレターをご参照下さい)

2025年11月11日付「ラオス国籍者に留保される事業リスト(No2822)」

今回改正されたのは、これらとは別に定められている、2015年7月13日付「外国投資家向け条件付き事業リスト(No1327)」です。同条件付き事業リストは、外国投資家に禁止されてはいないものの、最低資本金や外資出資比率などの条件が付く業種を定めたものです。外国投資家が参入できない「ラオス国籍者に留保される事業」のリストとは別のものです。

今回の改正版(2025年11月11日付(No2823)(以下、「新リスト」))では、金融・教育分野を中心に対象業種が大きく追加されたほか、建設・運輸関連の一部の業種がリストから外れました。また、新リストに適合しない登録や許可を持つ既存事業者に、事業種類の変更を申請する義務が新たに課されています。そのため、新たに参入する企業だけでなく、すでにラオスで事業を行う外資企業にも影響があります。例えば、次のような場合が考えられます。
・最低資本金が引き上げられた業種(商業銀行、外国銀行支店、預金受入型マイクロファイナンスなど)で、資本金が新たな基準に満たない場合
・外資比率の上限が設けられた業種(預金受入型マイクロファイナンス(51%)、決済サービス(90%)など)で、外資比率が上限を超えている場合
なお、是正の期限については、本リストに定めがありません。

ニューズレターでは、新旧リストを比較し、主な変更点と実務上の留意点を解説します。

2. 主な変更点

(1)外国投資家の定義等

旧リストにあった「外国投資家」の定義(ラオス国籍法上ラオス国籍を有しない個人および外国で登記された法人)は、新リストでは削除されています。旧リストの定義では、ラオス国内で登記された外資企業が対象に含まれるかが明確でなく、実務上の混乱が生じていたことが背景にあると考えられます。
また、旧リストの備考にあった、リスト掲載業種を「環境・社会に影響を与える業種と評価する」旨の記載も、新リストにはありません。

(2) 既存事業者への是正義務(新設)

本リストに適合しない企業登録書及び事業許可証を所有する者は、企業登録局へ事業種類の変更を申請する必要があります。

(3)条件が変わった業種

特に商業銀行、外国銀行支店、マイクロファイナンスでは最低資本金が大きく引き上げられており、増資が必要になる可能性があります。既存の会社に対しては、すでに関連法の改正時やBOLからの通知により、登録資本金の引き上げが通知されている場合もあります。

<条件が変わった業種>

業種

旧(外資保有率上限、登録資本金)

新ISIC※

新(外資保有率上限、登録資本金)

卸売・小売[1]

 

45101〜47990

卸売・小売は、資本金・出資比率の条件に変更はないものの、対象コードが卸売・小売全般に拡大されています。

国際貨物輸送

49%まで、50億キープ超

49231

49%(資本金の記載なし)

3~5つ星ホテル

60%、10億キープ超

55101・55102

100%、客室数に応じて1万〜50万米ドル以上 (詳細は弊所ニューズレターをご参照下さい)

商業銀行

比率は株主間の合意による、3,000億キープ超、

64191

100%、1兆キープ以上

(詳細は、弊所ニューズレターをご参照下さい)

 

外国銀行支店

1,000億キープ超

64191

100%、6,000億キープ以上

(詳細は、弊所ニューズレターをご参照下さい)

 

マイクロファイナンス

30億キープ超

64999

預金受入型:100%、300億キープ以上

非預金受入型:51%、100億キープ以上

(詳細は、弊所ニューズレターをご参照ください)

保健医療

49%、合弁要件あり、10億キープ超、

86100

私立病院:100%、20億キープ以上

(4)新たに追加された業種

新たに追加された業種の多くは、ラオス中央銀行(BOL)所管の金融分野です。

<新たに追加された業種>

分野

業種

最低資本金

外資比率

飲食

レストラン(50〜99席)

5万米ドル

100%

(詳細は弊所ニューズレターをご参照下さい)

金融

金地金の売買

200億キープ

100%

金融

リース

50億キープ

100%

金融

信用保証会社

1,000億キープ

100%

金融

証券業(財務アドバイザリー/ブローカー/引受)

50億/300億/1,000億キープ

90%/70%/70%

金融

証券取引所

3,000億キープ

100%

金融

証券保管振替センター

500億キープ

100%

金融

決済サービス(カード、電子マネー、電子決済など)

10億〜200億キープ(項目別)

90%

金融

一般決済システム(少額送金、小切手決済、清算)

40億〜100億キープ

90%

金融

暗号資産売買

1,000万米ドル

49%

金融

債権・資産管理会社

1,000億キープ

100%

金融

投資ファンド運用会社

 

 

100億キープ

30%/49%

物流

保税倉庫関連サービス

記載なし

49%

教育

就学前・初等・前期中等・後期中等教育(国内課程・国際課程)

5億キープ

100%

教育

その他文化教育、外国語教育、教育支援サービスなど

5億キープ

記載なし

(5) リストから外れた業種

旧リストに掲載され、新リストに掲載されていない業種は次のとおりです。リストから外れた業種であっても、ラオス国籍者に留保される事業リストへ移行した場合(例えば、教習所事業)や業法で別途制限されている可能性があります。これらの事業へ参入前に個別の確認が必要です。

<リストから外れた業種>

分野

業種

旧外資比率

製造

食品製造(コーヒー焙煎工場)

20%

製造

医薬品製造

49%

建設

道路・橋梁建設、整地、部材組立、内外装

49%(資本金により100%)

運輸

メータータクシー、国内貨物輸送

100%

物流

倉庫業、貨物ターミナル、輸送支援

49%

自動車

整備、車両検査センター

100%

専門サービス

建築・エンジニアリング

49%

教育

自動車・二輪教習所

49%/100%

3. 実務上の留意点

(1)既存の登録内容の確認

企業登録証に記載された事業種類とISICコードが、新リストの条件を満たしているか確認が必要です。適合しない場合は、第2項に基づき事業種類の変更を申請する必要があります。

(2)経済特区内の企業も対象

新リストは経済特区の商工事務所に対しても通知の対象に含めているため、特区内の企業も確認が必要です。

 

[1] 新リストの卸売・小売の対象範囲(45101〜47990)には、自動車の保守・修理等(LSIC 45201〜45209)も含まれます。ラオス国籍者に留保される事業リスト(No.2822)も、これらの業種(コード452)を留保対象から除外しています。そのため、外国投資家が自動車整備業を営む場合には、卸売・小売と同じ資本金・出資比率の条件が適用される可能性があります。ただし、洗車、板金・塗装、自動車の装飾及び二輪車の修理は、同リスト(No2822)でラオス国籍者に留保されています。

以上

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

 


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