フィリピン:改正マドリッド規則の制定
フィリピンにおける改正マドリッド規則の制定に関するニュースレターを発行いたしました。こちらの内容は、以下のリンクよりPDF版でもご覧いただけます。
改正マドリッド規則の制定
2024年9月
One Asia Lawyers Philippines Team
日本法弁護士 難波 泰明
フィリピン弁護士 カミーユ・ヒマラ
はじめに
2024年7月1日、フィリピン知的財産庁(IPOPHL: Intellectual Property Office of the Philippines)は、2024年マドリッド規則(Memorandum Circular No. 2024-024)を公布しました。本規則は、国際商標登録制度に関するマドリッド協定(マドリッドプロトコル)を実施するための従来の規則を改正するものです。
マドリッドプロトコルは、指定された締約国における商標を保護するための国際的な登録制度です。
改正規則は、2024年7月25日に施行されています。
関係企業は、商標登録を維持するために必要な実使用宣言(DAU)の適時かつ完全な提出に特に注意を払い、国際登録に関する更新された手続きを確認することが推奨されます。
対象範囲と適用範囲
この通達は、マドリッドプロトコルに基づく規則の関連条項を採用しており、IPOPHLが原出願庁である国際出願及びフィリピンが指定締約国(DCP)である国際登録(IR)に適用されます。
商標規則の適用(商標、役務商標等に関する規則)
IPOPHLとの手続代理する現地代理人の要件を含む関連する商標規則、およびオンラインシステムは引き続き適用、利用されます。国際出願は、マドリッドオンライン提出システムを通じて提出され、その後のやり取りはIPOPHLのオンライン提出システムを通じて行われます。
国際登録簿への記録
当該IRに関して国際登録簿に行われた記録は、フィリピンがDCPとして適用される範囲において、IPOPHLが記録した場合と同じ効果を持ちます。
ライセンス契約が国際事務局に記録されている場合、保有者はライセンス契約に関するフィリピンの法律および規則に従っていることをIPOPHLに示さなければなりません。手数料を支払うことによりライセンス契約の審査が行われ、適合証明書が発行されます。そうでない場合、契約は強制力を持ちません。
団体商標および認証商標
団体商標または認証商標の場合、国際事務局での国際登録の日から2か月以内に、その使用を規定する契約のコピーをIPOPHLに提出する必要があります。
代替
IRの保有者は、フィリピンで登録された商標をIRに代替するようIPOPHLに申請することができます。IPOPHLが当該IRを確認した場合、国際事務局に通知し、IRが有効に登録されている限り、代替された国内登録をその登録簿に維持します。
国内出願への変更
フィリピンを指定締約国として指定しているIRが原出願庁の要請により取消された場合、保有者は取消の日から3か月以内にIRを国内出願に変換するよう要請できます。
実使用宣言(DAU)
フィリピンを指定締約国とするIRのすべての保有者は、国際登録の日またはその後の指定日から3年以内に、IPOPHLに対して実使用宣言(DAU)を提出するか、未使用の正当な理由を示さなければなりません。
保護の付与または登録の更新の満5年から1年以内に、すべてのIR保有者はDAUを提出するか、未使用の正当な理由を示す必要があります。
また、すべてのIR保有者は、登録更新の日から1年以内にDAUを提出する必要があります。必要なDAUを提出しない場合、未使用宣言(DNU)が提出された場合を除きIPOPHLの登録簿からの商標登録削除理由となります。
代替/変換の対象となる国内登録に関連するDAU
IPOPHLが代替のケースでIRを認識している場合、IRの保有者は上記に従ってDAUを提出しなければなりません。
出願または登録が変換によって生じた場合、IRが変換される前にDAUが提出されていれば、そのDAUは国内出願に対して考慮されます。IRが変換される前にDAUが提出されていない場合、上記の規定された日付に従ってDAUを提出しなければなりません。
更新
IRは、マドリッドプロトコルおよび規則に規定された方法で国際事務局に更新手続をとる必要があります。
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