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ミャンマー:ヤンゴンにおける不動産利用権変更の長期化:Permit Landをめぐる一例

2026年01月19日(月)

「ヤンゴンにおける不動産利用権変更の長期化:Permit Landをめぐる一例」についてニューズレターを発行いたしました。こちらの内容は以下のPDFからもご覧いただけます。
ヤンゴンにおける不動産利用権変更の長期化:Permit Landをめぐる一例

ヤンゴンにおける不動産利用権変更の長期化:Permit Landをめぐる一例

 2026年1月
One Asia Lawyers ミャンマー事務所
代表弁護士(日本法):佐野 和樹

1. はじめに

ヤンゴンでは、地方都市からの人口流入や為替の不安定さ等を背景に不動産投資が活発化しています。他方で、土地利用権の種類変更(例:Permit landからGrantへの変更)や名義変更に相当の時間を要するケースが散見されています。
本ニュースレターでは、Permit landに関する近時の運用を題材に、利用権変更が長期化する例を紹介します。

2. 不動産利用権の種類の概要

 土地の最終的な帰属は国家にあることが前提とされておりますが、ミャンマーの土地制度では複数の権利類型が併存しており、実務上の取扱いも複雑です。

不動産を利用する権利の例として、主に以下の種類が挙げられます。

・Grant(政府から付与される永続的で相続可能かつ譲渡可能な権利):長期(例:60年等)で設定され、相続・譲渡の対象となり得ると整理されることが多い土地の賃貸権
・Lease(賃借権):政府・関係機関等が設定する長期または短期の賃借権
・Permit Land(許可):政府が公務員や軍人などを対象に付与される場合などの政府から許可される土地の利用権

※具体的な権利の強弱・移転可能性は、対象地の履歴、保有書類、当局の運用により左右されます。 

3. Permit landに関するYCDCアナウンスメント(近時の運用)

 (1)従前の運用

Permit landは、公務員・軍人等に対して付与されることのある、土地の利用許可(Permit)に基づく土地を指します。2024年頃までは、Permit landの最終名義人が、親族間の売買契約等を根拠として、税負担を伴わずにGrant申請を進めることができる、との理解に基づく運用が行われていました。

(2)近時の運用

2024年頃に発出されたPermit landに関するYCDCのアナウンスメント(以下「本アナウンスメント」という。)では、原則としてOriginal permit holder(原許可名義人)のみが、Grant申請資格を有し、契約等に基づき権利取得を主張する者は、裁判所に提訴し、裁判所の判決等を得たうえでGrant申請を行わなければならないと規定されています。
本アナウンスメントにより、実務上は、Original permit holderによる申請又は有効な裁判所の判決等に基づく場合を除き、Permit landについて新たなGrantの発行が大きく制限されている状況がみられます。
Original permit holderが関与できたとしても、Permit landからGrantへの変更が完了するまで1年以上を要することが珍しくなく、ヤンゴンにおける土地利用権取得・変更の困難さを示す一例といえます。 

4. まとめ

ミャンマーでは、土地利用権の取得・変更は、ミャンマー人にとっても容易ではないと考えられます。特に、外国人がミャンマー人名義を用いる形で土地利用を検討する場合には、権利化(例:Grant取得)が進まないリスクに加え、当局運用の変更リスクや税務リスク等が重なり得るため、慎重な対応が求められます。

以 上

〈注記〉本資料に関し、以下の点ご了承ください。
・ 本資料は2026年1月19日時点の情報に基づき作成しています。
・ 今後の政府発表や解釈の明確化、実務上の運用の変更に伴い、本資料は変更となる可能性がございます。
・ 本資料の使用によって生じたいかなる損害についても弊所は責任を負いません。