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ラオスにおける外貨の持込・持出規制について

2026年04月09日(木)

ラオスにおける外貨の持込・持出規制についてのニューズレターを発行しました。
PDF版は以下からご確認下さい。
外貨の持込・持出規制について

 


ラオスにおける外貨の持込・持出規制について


                                                                                                                            2026 年4月9日
                                                                                            One Asia Lawyers Groupラオス事務所

1.背景

ラオスにおいて、現金の持込・持出に関して規定する主な法令は、以下の3つです。これらの法令では、具体的な上限額はラオス通貨である「キープ」を基準として規定されており、外貨については「キープ相当額」として示されています。
・2022年7月7日付「外国為替管理法(No.15/NA)」
・2019年5月30日付「ラオスの口座開設、送金、現金の持込・持出に関する中央銀行合意(No.454/BOL)」(以下「2019年合意」)
・2023年7月13日付「ラオスへの現金持込・ラオスからの持出に関する告示(No.14/BOL)」(以下「2023年告示」)
2019年合意においては、キープおよび外貨の現金の持込・持出の上限額は「1億キープ相当」とされていました。その後、キープの継続的な下落を背景として、2023年告示においては、この上限が「1億5,000万キープ相当」に引き上げられています。
もっとも、これらはいずれもキープを基準として外貨を換算する仕組みであったため、為替変動の影響を受けやすいという課題がありました。
この点を踏まえ、ラオス政府は、キープと外貨(特にUSD)を切り分け、外貨現金の持込・持出について独立した規定を定めることを目的として、2026年2月18日付で「ラオスへの外貨現金持込・持出管理に関するラオス中央銀行総裁合意(No.140)」(以下「2026年合意」)を発行しました。
これにより、2019年合意および2023年告示に規定されている外貨の持込・持出に関する部分については、2026年合意が優先して適用される形となっています。
以下では、実務上特に重要なポイントに絞って解説します。
2.外貨の持込について
原則として、外貨現金をラオスへ持込む場合、持込額に上限はありません(第4条)。
ただし、以下のいずれかに該当する場合には、税関での申告を行い、現金持込許可書を取得する必要があります(第4条)。
・1回につき、10,000USD又はその相当額を超える外貨現金をラオスへ持込む場合
・ラオスへの直接投資を目的として、外国人投資家が投資資金を現金で持込む場合
2023年告示では、「1億5,000万キープ相当額を超えない範囲で持込可能であり、これを超える場合には税関での申告が必要」と規定されており、持込額に上限があるかのようにも読める内容となっていました。
これに対し、2026年合意では「持込額に制限はない」ことが明示されるとともに、10,000USDを超える持込については税関での申告が必要である点が明確化されています。
3. 外貨の持出について
原則として、外貨現金をラオスから持出す場合、持出額に上限はありません(第6条)。
ただし、10,000 USD又はその相当額を超える外貨現金を持出す場合には、事前にラオス中央銀行外国為替管理局又はラオス中央銀行の地域支店(以下、BOL)から許可を取得する必要があります(第6条)。
なお、10,000USDを超える外貨現金をラオスへ持込む際に税関で申告を行い、現金持込許可書を取得している場合には、その許可書に記載された金額の範囲内であれば、持出しに際して改めてBOLの許可を取得する必要はありません(第7条)。
一方、持込時に許可された金額を超えて外貨を持出す場合には、その超過分について、事前にBOLから持出許可を取得する必要があります(第7条)。
(1)持出許可申請について(第8条、第9条)
以下の書類を揃えてBOLに提出すると、原則として3営業日以内に可否が通知され、許可された場合には許可証が発行されます。なお、上記は法令上の目安となる処理期間を示したものであり、実務上は審査状況や関係当局との調整等により、当該期間を超えて対応されるケースも見受けられます。
<必要書類>
① BOL所定の申請書
② 外貨現金の出所を証明する書類
③ 外貨現金を持出す目的を示す書類または証拠
④ 委任状(外貨現金の所有者本人以外が申請する場合)
⑤ その他、BOLが必要と認める書類
(2)許可証の有効期限と申請費用について(第10条、第11条)
許可証の有効期限は発行日から30日以内であり、税関での使用は1回限りです。また、発行日から30日以内にBOLにて許可証を受領しない場合には、当該許可証は無効となります。
持出許可証の発行手数料は20万キープ(約10米ドル)であり、許可証の受領時に支払う必要があります。
4.禁止事項
ラオス居住者・非居住者を問わず、以下の行為が禁止されています(第14条)。
① 2026年合意に従わずに外貨現金持出許可証を使用すること
② 外貨現金持出許可証の申請に際し、情報を隠蔽し、虚偽の情報を提供し、または文書を偽造すること
③ その他、関連法令に違反する行為を行うこと

5.罰則規定
2026年合意第14条に違反した場合、居住者・非居住者を問わず、以下の措置が科されます(第15条)。
① 上記禁止事項①に違反した場合
 →許可された金額の10%の過料が科されます。
② 上記禁止事項②に違反した場合
 →1,000万キープ(約500米ドル)から2,000万キープの過料が科されるとともに、外貨現金持出許可が取り消されます。

以上

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)