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ラオスにおける若年者に対する労働規定について

2026年07月29日(水)

ラオスにおける若年者に対する労働規定についてのニューズレターを発行しました。
PDF版は以下からご確認下さい。
若年者の労働規定について

 


ラオスにおける若年者に対する労働規定について


                                                                                                                            2026 年7月29日
                                                                                            One Asia Lawyers Groupラオス事務所

1.背景

ラオス労働社会福祉省は、若年労働者(12歳以上18歳未満)に従事させることのできる「軽作業」の範囲と、18歳未満の者に従事させてはならない「危険業務」の範囲を定める新しい合意「若年労働者における軽作業及び危険業務に関する合意(No4677)(以下、合意)を2023年12月12日付で発行しました(官報掲載日は、2026年7月10日)。

従来、「軽作業」および「危険業務」の具体的範囲は2016年11月発行のNo4182およびNo4183により定められていましたが、合意はこれらを廃止し、両者を統合したうえで内容を改めています。

本ニューズレターでは、実務上留意すべき点を整理します。

2.労働法上の規定

ラオス労働法上、労働者として雇用できる年齢は原則として18歳以上とされています。例外として、次の年齢層についても一定の条件の下での就労を認めています。

年齢層

就労の可否

主な制約

14歳以上18歳未満

就労可、ただし、時間外労働は禁止

危険業務への従事は禁止(合意第7条)。ただし15歳以上については、所定の条件を満たす場合に限り従事を認める場合もある(合意第8条)。

12歳以上14歳未満

労働力を必要とする場合に限り就労可

従事させ得るのは「軽作業」に限られ(合意第5条)、かつ所定の条件を満たす必要がある(合意第6条)。

 3.軽作業とは

合意第2条は、「軽作業」を、若年労働者の身体および精神の健康に危険を及ぼさず、かつ、身体、脳、精神の発育および教育を妨げない業務であって、12歳以上14歳未満の者に従事させることが認められるものと定義しています。

第5条は、軽作業に該当する業務を次の3分野に区分して列挙しています。

(1) サービス分野

  • 法令に適合する手紙、新聞、書籍、雑誌または広告物の配布業務
  • スポーツの補助業務(球拾い:テニスボール、バドミントンのシャトル等の回収)
  • 公式に開催される催事・番組(テレビ番組、ラジオ、芸術公演等)における業務
  • 飲食物(ノンアルコール飲料に限る)の給仕業務

(2) 工業・手工業分野

  • 軽量物の梱包、仕分け、開梱または組立て業務
  • 袋詰め又はパッケージ作業
  • 洗濯物の仕分け、分類作業
  • 商品の数量カウント業務
  • 織物、刺繍、紡糸、糸紡ぎ、糸巻きおよび機織り業務
  • 手工芸品のかごを編む作業
  • 木彫り、陶芸、鋳物、彫り物、描画等の機械や化学薬品を使用しない国の独自の民芸品を作成する作業
  • 花輪(花飾り)の販売

(3) 農業分野

  • 健康及び環境に配慮した有機肥料を使用した農作業
  • 苗木、野菜および果実の手入れ業務
  • 花卉、果実および野菜の収穫および販売業務
  • 危険を伴わない家畜への給餌、畜舎の清掃および世話業務
  • 危険を伴わない水産養殖業務(養魚、蛙、田ウナギの養殖等)
  • 田植え、稲刈り及び除草業務

(4) 従事させる場合の条件(第6条)

雇用者は、12歳以上14歳未満の若年労働者を上記の軽作業に従事させる場合、次の条件をすべて満たさなければなりません。

条件

内容

重量制限

重量が8キログラムを超えない物の持上げ、担ぎ、背負い、押引き

学校の開校期間中

1日あたり2時間を超えないこと(授業時間外に限る)。

学校の休業期間中

1日あたり6時間を超えないこと。

 4.危険業務とは

合意第2条は、「危険業務」を、その性質または作業条件に照らして、若年労働者の身体、脳、精神、道徳または安全に悪影響を及ぼすおそれのあるすべての業務と定義しています。

第7条は、18歳未満の若年労働者に従事させてはならない危険業務として32項目を列挙しています。主なものは次のとおりです。

(1) 有害物質に関する業務

癌、放射能、粉塵を引き起こす化学物質・毒物の製造、運搬、接触に関する業務全般。具体的には、アスベスト、ベンゼン、カドミウム、水銀、鉛(酸化鉛、亜鉛系鉛化合物を含む)、可燃性溶剤その他の腐食性物質、ならびに白色光、紫外線、レーザー光線、放射線が明示されています。

(2) 衛生・医療関連

  • 感染症の原因となる毒物に関連する業務
  • 各種病原体に接触するおそれのある実験室での業務
  • 刑務所及び精神科病院におけるあらゆる業務
  • HIVA感染患者を除く、感染症患者の看護・介護業務
  • 医療器具の洗浄、治療施設において、患者が着用していた衣服の洗濯、危険物質を含む物の洗浄業務
  • 使用済み医療器具および医薬品の収集、運搬および廃棄業務
  • 死体安置所または遺体保管施設における業務、および遺体処理業務
  • 遺体の埋葬・火葬準備業務および墓地掘削業務
  • 不衛生なものを清掃する業務

(3) 危険な作業環境

  • 振動もしくは衝撃を伴う機械操作の運転又は補助業務
  • 地上2メートルを超える高所における業務
  • 高熱を伴う業務
  • 高圧電気設備下における業務
  • 鉱物採掘に関する業務
  • 水中における爆発物および可燃物に関する業務(爆発・発火の原因となる化学物質、可燃物、酸素、ガス、火薬類その他を含む)
  • 地下、深さ1メートルを超える掘削作業
  • 不発弾がある場所でのあらゆる作業
  • 防虫剤、除草剤などの危険物質に接触するあらゆる農作業
  • 棘があるあらゆる作業
  • 水上における業務、潜水業務又は水難救助
  • 屠殺に関する業務
  • 娯楽施設、マッサージ店、酒類提供店舗その他風俗営業に類する場所における業務
  • 廃品や鉄くず処理場、ごみの収集およびリサイクル業務
  • 危険動物または有毒動物に関する業務(動物の調教、動物園内での飼育、動物病院、動物サーカス)。
  • 持ち上げ、担ぎ、背負い、牽引または押す作業については、年齢層ごとに次の重量上限が定められています。

年齢層

通常の場合

1時間を超えて継続的に行う場合

15歳以上16歳未満

12㎏を超えないこと

8㎏を超えないこと

16歳以上18歳未満

25㎏を超えないこと

15㎏を超えないこと

 

  • 継続して2時間を超える立位作業
  • 照明が不十分な環境における業務
  • 煤煙、粉塵、蒸気その他の有害物質に接触する業務
  • タバコやアルコールの製造を伴うあらゆる業務
  • 若年労働者にとって危険となる騒音又は振動を伴う業務
  • 労働法第51条第5項および第102条に定める業務

(7) 例外(第8条)

雇用者は、15歳以上18歳未満の若年労働者について、必要性、従事させる時間および当該若年労働者の氏名一覧を労働管理機関に対して報告したうえで、次の条件および手続をすべて満たす場合には、第7条の危険業務に従事させることが認められます。

  • 事業体の労働組合又は労働者代表の同意を得ていること
  • 労働管理機関、衛生安全部署等の許可を受けた関連機関による研修を受けていること
  • 関連機関から、身体保護具の使用に関する指導または訓練を受けていること
  • 労働監督機関等による評価および検査を経ていること

5.禁止事項

(1) 雇用者に対する禁止事項(第9条)

  • 12歳未満の者を就労させること
  • 若年労働者の使用に関して、情報を秘匿し、隠蔽し、または改ざんすること
  • 若年労働者を1日に2つのシフトに従事させること
  • 12歳以上14歳未満の若年労働者を18時から翌日6時までの間に就労させ、または時間外労働をさせること
  • 14歳以上18歳未満の若年労働者に時間外労働をさせ、または22時から翌日6時までの間の夜間労働に従事させること
  • 労働契約および就業規則に違反すること
  • 職場において若年労働者の人権を侵害すること
  • 直接又は間接的に若年労働者を強制的に働かせること
  • 若年労働者を直接または間接に差別すること
  • その他法令および規則に違反する行為を行うこと

(2) 違反に対する措置(第20条)

合意に違反した個人、法人その他の団体は、違反の軽重に応じて、教育指導、警告、処分、民事上の損害賠償または刑事責任の追及の対象となります。

6.実務上の留意点

合意の適用範囲は、国内の雇用者および若年労働者であって、正規雇用・非正規雇用のいずれの形態であるかを問わず、また家事使用人も含まれます(第4条)。

以上

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

 


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