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カンボジア労働法改正の概要について

2018年08月15日(水)

カンボジアにおける労働法改正の概要について報告致します。

カンボジア労働法改正の概要

 

カンボジア労働法改正の概要

2018年8月15日

One Asia Lawyers カンボジア事務所

1 概要

 労働法を修正する法律(以下、「修正法」という。)が本年6月28日に公布され、即日発効となった。今回の労働法の主な改正点は、「年功補償」制度の導入である

2 改正前の制度概要

 労働者が継続勤務することによって発生する労働者の権利(使用者の義務)は、修正法施行以前は以下の通りであった。

 ・有期労働契約の場合
 ・有期労働契約(2年間が上限)が終了する場合、使用者は、終了理由を問わず、契約期間中の給与総額(残業代等を含む。)の5%以上を退職金として支払わなければならない。
 ・無期労働契約の場合
 ・無期労働契約には退職金という概念はなく、使用者は、労働者を解雇した場合にのみ解雇補償金の支払義務を負うとされていた(じゅうだいな契約違反による懲戒解雇の場合は支払義務なし)。

3 年功補償制度の概要

 ・適用範囲

 年功補償制度は、無期労働契約における解雇補償制度に代わって導入されたため、有期労働契約における退職金制度は変更されていない。

 もっともこの点、修正法では年功補償の対象を向き労働契約に限定する旨の記載がなく、有期労働契約への適用の余地を残す記載となっていることから、今後の省令等での補足が待たれる。

 ・内容

 年功補償制度の大まかな内容としては、労働者は勤務継続1年毎に15日分の給与及びその他手当に相当する金額の年功補償を受け取ることができ、使用者は6ヶ月毎に半額ずつこれを支払わなければならないというものである。

4 実務上の対応

 修正法は、年功補償の対象・手続等の詳細は省令が定めるとしているが、8月15日現在、左記に関する省令は公布されておらず、また、内容も公表されていない。

 企業の関係各位としては、適時に情報を把握された上、対応策を取られることが肝要であると考える。

以 上