ラオスにおける警備業について

2020年05月19日(火)

ラオスにおける警備業について報告いたします

警備業について

 

ラオスにおける警備業について

2020 年 5 月 18 日
One Asia Lawyers ラオス事務所
藪本 雄登
内野 里美

1. 新首相令の背景

現在ヴィエンチャン市内には、数社の警備会社がありますが、配属された警備員の問題行動(遅刻、窃盗、怠慢等)が生じるケースがあると聞いており、警備会社及び警備員をどこまで信用できるのかわからないという声が聞こえてきます。警備業は、その業務の性質上、治安維持省及びラオス人民革命党の指導の下、業務を行う必要があるため、実務上、外国人の参入が 困難である分野であると認識されていました。そのような状況の中、今回、2020 年 3 月 2 日付けで「警備業に関する首相令(以下、「首相令」)」が発行されています。5 月 6 日に官 報に掲載され、15 日後の 5 月 21 日より施行される予定となっています。その内容を確認 する限り、外資規制は存在するものの、外国人の参入も可能であることが明文化されました。
その背景には外資を活用したラオス国内の警備業のサービスレベルの向上を実現するための措置ではないかと予想します。本ニュースレターでは、首相令の内容を踏まえ、警備会社に関する各種規制を解説致します。

2. 法律上の定義規定

首相令第 2 条によれば、警備業とは、 「ネガティブ事業リスト内の業種に該当し、個人、法人及び組織に対して、安全、治安、規律に関するサービスを提供することを任務として設立された法人」と定義されます 
また、①その他関連法令については、国家治安維持法(2013 年)の中で、警備業に関する具体的な記載はなく、②2019 年 1 月 10 日付「ネガティブ事業及びコンセッション事業リストの承認に関する首相令(No03/PM)の中で、ネガティブ事業として規定されています。 つまり、外国人の投資が禁止されているわけではありませんが、登録資本金や会社の形態等、 投資条件が規定されています。

3. 登録資本、外資規制及びその他制限

首相令第 7 条によれば、警備業について最低資本金及び外資規制が次の通り、明示されています。

(1)最低登録資本金は、10 億キープ(約 1,300 万円)以上とされており、預託金として、5 億キープ以上を銀行へ預ける必要があると規定されています。
(2)外国人は、最大 49%までしか株式を保有することができないと明示されています。
(3)会社名は、「Security(ຮັ ກສາຄວາມປອດໄພ)」を記入する必要があります。
(4)ラオスで出生したラオス国籍が Managing Director 又は取締役会議長である必要があります。
(5)外国人の場合、個人での会社設立は求められません。
(6)外国人との合弁会社の場合、外国人投資家(株主)は、10 年以上の警備関連の経験が必要です。
(7)ラオスの治安維持当局が株主ではない場合、警察官をアドバイザーとする必要があります。
(8)会社設立後、すぐに事業活動を開始、6 か月以内に、無線局を設置する必要があります。
(9)会社設立後 1 年後には、顧客との契約件数が 5 件以上、スタッフの数は最低 20 名以上、3 年後には 100 人以上雇用する必要があります。 その他細々とした規制がありますが、ご関心のある方は以下までお問い合わせください。

 なお、同首相令に違反した場合、管轄当局から許可なく事業を行った場合など、最大で 70,000,000 キープ(約 75万円)の罰金が科せられる場合もありますので、ご留意ください(同首相令第 70 条)。 

以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)