カンボジアにおける新型コロナウイルス感染拡大対策の状況について
カンボジアにおける新型コロナウイルス感染拡大対策の状況についてニュースレターを発行しました。
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カンボジアにおける新型コロナウイルス感染拡大対策の状況について
2021年4月26日
One Asia Lawyers カンボジア事務所
1.ロックダウン
4月26日午前9時現在、ロックダウンが実施されている地域
・プノンペン都及びカンダール州タクマウ市(4月28日まで)
・シェムリアップ州ドーンコム市、サラーコムラアク市、シェムリアップ市
・シハヌークビル州シハヌークビル市(5月6日まで)
・バンテイ・ミンチェイ州ポイペト市内ポイペト地区及びプサーカンダール地区の一部(5月9日まで)
・コンポンチャム州Batheay区、Kang Meas区、Srey Santhor区(解除の通知があるまで)
※政府による都・州を越える移動の禁止:4月28日まで(4月25日付政府決定に基づき、同日付けで解除、もっとも、その他のロックダウン規制に基づく移動規制は有効であるため、注意を要する)
★プノンペン・タクマウにおけるロックダウンの内容(政府決定第49号及び第50号)
● 外出の禁止
<例外>
・禁止または制限されていない企業活動のための通勤
・ロックダウン対象区域から空港への移動
・食料や日用品の買い物(ただし、各世帯から2人まで、週に3回を超えてはならず、居住している市・区内の最短距離の場所で)
・緊急の健康上の理由による医療機関・薬局への移動(管轄当局から許可された場合、区域外への移動も可能、ただし、1案件につき4人を超えてはならない)
・管轄当局に指定された場所における、PCR検査の受検のための移動
・管轄当局の規定に従った、2回目のワクチン接種のための移動(ロックダウン区域内における1回目のワクチン接種については、ロックダウン期間中、一時的に停止)
・公益に資する活動または公的機関によって要請または指定された活動のための移動
・居住する住宅内での個人のスポーツ活動(住居外でのスポーツは認められない)
・外交団、国連機関、国際金融機関の外国人職員の移動(カンボジア人ドライバーの同伴可)
・身分証明書、職業証明書及び情報省発行の移動許可証を所持している報道機関職員の移動
・管轄当局が認める必要かつ急を要する理由による移動
※20時から翌5時までの夜間は、緊急の健康上の理由、物品の運搬、公共の利益に資する業務、営業禁止が免除されている企業・施設等への通勤、管轄当局から許可を得ている場合を除き、上記例外は適用されない
● 企業活動の禁止
<例外>
・食肉処理場を含む、日常生活に不可欠な食品及び食料品を製造する工場、企業、手工芸、製造所
・食料品を扱う秩序立った卸売市場・小売店、テイクアウト販売を行う飲食店、ガソリンスタンド、ガス販売所、その他管轄当局が許可する生活必需品を供給する場所
・ロックダウン地区に貢献する食品や食料を運搬するサービス
・ホテルやゲストハウスの宿泊業(ただし、管轄当局が定める隔離対象ホテルを除き、スタッフ数及び勤務時間を必要最小限とし、スタッフの数は必要最小限かつ2%以内とし、職員の食事及び宿泊は、業務に従事する現場にて行わなければならない)
・消防、電気・水道供給、ゴミ収集サービス等の公務・公共サービスに関する業務
・公的機関及び治安部隊の活動
・出勤するスタッフの数は必要最小限かつ2%以内とし、職員の食事は、業務に従事する現場にて行うとする方針に従ったオンラインで行われる全ての業務
・救急サービス、保健・薬局サービス、郵便・通信、銀行、金融及び管轄当局に認められた日常生活に必要なサービスを供給する企業等(ただし、通常通り運営されている救急サービス、保健・薬局サービスを除き、出勤するスタッフの数は必要最小限かつ2%以内とし、職員の食事は、業務に従事する現場にて行わなければならない)
・管轄当局により許可・調整された、隔離明けの者、病院または治療場所から退院した病人の移送
・国の社会経済分野に必要な物資の運搬サービス
・物資・食料保管庫の管理・保護(ただし、出勤するスタッフの数は許可を受けた必要最小限とし、職員の食事及び宿泊は、業務に従事する現場にて行わなければならない)
・マスク、アルコール、酸素を含む、医薬品及び医療物資を製造する工場、企業、手工芸、製造所
・管轄当局から許可されたその他の必要な企業活動
※例外として認められた業務、企業活動においても、全ての者は、新型コロナ感染拡大防止を目的として、ウイルスの消毒のための衛生対策、検温、マスク着用、ソーシャルディスタンスの確保等の保健措置を実施する義務を有する
※20時から翌5時までの夜間は、医療サービス、ガソリンスタンド、ホテル、その他管轄当局から許可を得ている公共サービスを除き、上記例外は適用されない
● 集会の禁止
<例外>
・同居している家族の中での集まり
・管轄当局の規定に従った葬式の実施
・COVID-19の検査の受検やワクチンの接種等の保健上の措置を実施するための集会
・治安、公共秩序を維持するための、管轄当局等の任務を遂行するための集会
・公益のための、または、管轄当局によって定められたその他の目的のために必要な集会
○ レッドゾーン規制
4月26日午前9時現在、プノンペンでは下記地域がレッドゾーンとして設定されており(その他では、バンテイ・ミンチェイ州でもレッドゾーンが設定されている。)、下記規制が課されている。違反者には罰則が課される旨規定されている。また、同地域に居住している者に対する生活支援に関する規定が定められている。
● ミエンチェイ区
・ストゥンミエンチェイ第1町
・ストゥンミエンチェイ第2町
・ストゥンミエンチェイ第3町
● ポーセンチェイ区チャオムチャウ第1町
● トゥ―ルコーク区ボンサーラーン町第14村、第16村及び第17村
【措置内容】
● 外出規制
居住する住居外でのスポーツ活動を含め、現在の住居からの外出は原則禁止(医療目的等の例外あり)
● 企業活動の禁止
市場、食料品店を含め、レッドゾーン域内の全ての業務活動は原則一時的に停止(公共サービス等の例外あり)
● 通行規制
レッドゾーンへの出入域及び通過の原則禁止(公共目的等の例外あり)
2.労務(労働職業訓練省4月19日付通達)
同通達は、プノンペン及びタクマウにおけるロックダウン期間中の4月初旬の給与等の支払いに関するものであり、趣旨・重要なポイントは以下のとおり。
・ロックダウン期間中労働契約は停止する
(※労働法上、その間の賃金、手当て(※住居・通勤手当は除く。)の支払義務はないものと考えられる。)
・使用者は、ロックダウン期間中、労働者の職位や年功をそのまま保つこと
・4月1日から14日までの給与の支払いが済んでいない場合、使用者はロックダウン終了後に当該給与の支払いを行うこと
・使用者は、ロックダウン期間中、慈悲の心、団結の精神、社会的責任に基づき、労働者に対し、使用者の能力に応じた追加の手当を支払うこと
(※こちらは指導ベースで、法的拘束力はないものと考えられる。)
以 上
本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
nobuaki.murakami@oneasia.legal (村上 暢昭)