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ベトナム:職場におけるセクハラ行為に対する罰金を規定

2022年03月10日(木)

職場におけるセクハラ行為に対する罰金を規定についてニュースレターを発行いたしました。

PDF版はこちらからご確認ください。

 

 

<ベトナム:職場におけるセクハラ行為に対する罰金を規定>

 

2023年3月3日

One Asia Lawyers ベトナム事務所

1 概要

 ベトナム政府は2022年1月17日、労働、社会保険、契約に基づき外国で就労するベトナム人労働者の送り出し分野の行政違反の処罰について定めた政令Decree No. 12/2022/ND-CP号を公布しました。本政令は即日発効し、2020年4月から施行されていた従前の政令Decree No. 28/2020/ND-CPは失効しています。

 本政令において、以前までは存在していなかった職場におけるセクハラ行為に対する罰金が規定されているため、以下紹介させていただきます。

2 本政令の対象

 本政令は、就職サービスや労働派遣サービスなどの労働関連サービス業、採用から労働契約解除までの一般労務、労働安全衛生、女性の雇用、外国人の雇用、未成年者の雇用、お手伝いさんの雇用、労働紛争、労働組合、社会保険など多岐にわたる場面での違反行為の罰則を定めている政令であり、2019年労働法(Law No :45/2019/QH14)や2020年契約にもとづき外国で就労するベトナム人労働者法(Law No:69/2020/QH14)など、近年改正された法律に基づいて罰則が改められたものになります。

3 職場でのセクハラ行為に対する罰金が設定

 2021年1月1日から施行されている2019年労働法では、職場におけるセクハラ対策を就業規則に盛り込まなければならないなど、就業規則の大きな改定を求められるなど企業にとってインパクトの大きい改正がありましたが、他方で職場におけるセクハラ行為については、就業規則違反による懲戒対象となるほかは、刑法におけるわいせつ行為や性的犯罪に対する罰則以外に、特に罰則が存在していなかったところ、本政令において、職場におけるセクハラ行為に対して15,000,000VNDから30,000,000VNDまでの罰金が設けられました。

第11条 労働契約の履行に関する規定違反

3.刑事責任追及をするにいたらない職場におけるセクハラ行為に対しては15,000,000から30,000,000ドンの罰金を課す。

 就業規則の改定に絡んで社内講習等を実施する機会も多いと思われるところ、職場におけるセクハラ行為は懲戒処分の対象となるだけでなく、罰金が課される可能性もあることを従業員に認識させることで、職場でのセクハラ防止がより効果的になることが期待されます。

 

 

 

以上