ラオスにおける電気通信法の改正について
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→電気通信法の改正について
ラオスにおける電気通信法の改正について
2022年4月18日
One Asia Lawyers ラオス事務所
1.背景
ラオスにおける通信事業は、これまで郵政電気通信省の管轄下にありました。2021年に科学技術省が解体され、それにともない郵政電気通信省は、技術通信省(Ministry of Technology and Communications)へ名称が改められました。
今回、電気通信法が、2021年11月16日付で改正され、2022年3月23日に官報に掲載、15日後に施行されています。
電気通信法で規定される電気通信分野における事業について解説いたします。
2.電気通信分野事業の種類
ラオスにおいては、電気通信事業は2種類に分類されます(電気通信法第25条)。
1)電気通信に関するサービスの提供
2)電気通信に必要な設備等の提供
各事業に含まれるサービス内容は、以下の通りです。事業者は、複数のサービスを提供するビジネス形態をとることが可能であり、自身の通信ネットワーク(通信設備)の有無は問いません(電気通信法第26条)。
なお、各サービス料金を改正する場合は、値上げであっても、値下げであっても、必ず技術通信省から承認を得る必要がありますので、留意が必要です(電気通信法第43条)。
1)に含まれるサービス (電気通信法第26条) |
①モバイル通信サービス ②固定電話サービス ③インターネットサービス ④衛星放送を利用した通信サービス ⑤位置情報分析検索システムサービス ⑥高度道路交通システム ⑦High Altitude Platform Station(HAPS)を使用したインターネットサービス ⑧HAPSを使用した携帯電話サービス ⑨セットアップサービス ⑩アプリケーションサービス ⑪Internet of Thingsに関するサービス ⑫その他の電気通信事業サービス |
2)に含まれるサービス (電気通信法第27条) |
①電気通信インフラの貸し出し ②電気通信機器の組立、製造及び/又は販売 ③電気通信機器の据付、修理 ④電気通信機器の輸出入 ⑤電気通信に関するコンサルタント ⑥情報センターに関するサービス |
3.事業許可取得要件
電気通信に関する事業を行うことを目的としている個人、法人、組織は、計画投資省のワンストップサービスにて投資許可証を取得し、商工業省/局にて企業登録をする必要があります。投資許可証と企業登録証を取得した後に、技術通信省/局にて、事業許可証を取得することになります。
なお、電気通信分野への投資期間は、最大15年間と定められていますが、要件を満たせば、更新することも可能です(電気通信法第28条)。
事業許可証の取得要件は以下のとおりです(電気通信法第29条)。
(1)投資許可証、企業登録書を取得していること
(2)各活動に対する資金が十分にあること
(3)実現可能性調査報告書及び/又は事業計画書があること
(4)少なくとも2年以上の電気通信分野又はITに関連する経験、知見のある人材が確保されていること
(5)ラオスに拠点(事務所)があること
(6)電気通信省から電気通信環境を使用するための許可を取得していること(分野による)
(7)全国にインターネットサービスを展開する事業者は、自身の通信ネットワークを所有していること
技術通信省は、申請者が上記の要件を満たし、申請に必要な書類が揃った状態から30日以内に事業許可証を発行します。
事業許可証の有効期間は1年間で、満期になる30日前から更新することができます(電気通信法第32条)。
以 上
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