ラオスにおける電気通信・インターネット利用者保護について
ラオスにおける電気通信・インターネット利用者保護について報告いたします
ラオスにおける電気通信・インターネット利用者保護について
2020 年6月25日
One Asia Lawyers ラオス事務所
- 背景
ラオスにおいては、電気通信法(2011年)及び消費者保護法(2010年)が存在していますが、電話及びインターネット等の利用者の保護に関する具体的な規定はありませんでした。ラオスでは、2004年ぐらいからタイ系資本とラオス政府の合弁会社であるラオ・テレコム(LTC)と国営のラオス電気通信公社(ETL)がインターネット接続サービスを開始しています。移動電話に関しては、主にLTC、ETL、ベトナム資本のUnitel、Beeline Lao(LTCの傘下となる予定)の4社がサービスを提供しています。各社サービスの質にもばらつきがありますが、ネット接続スピードの不安定性、データ使用量に見合わない料金を請求されるなど、問題も出てきているようです。今回、電気通信・インターネット利用者保護に関する大臣合意が郵便電気通信省より発行され、2020年5月25日に官報に掲載、15日後に施行されています。その概要をご紹介します。
- 営業電話等の規制
ラオスでは、営業目的で電話をかけてくる通信関連業者は少ないですが、限度を超えると迷惑行為とみなされます(同合意第8条)。時間帯及び回数に対する制限が以下の通り、規定されています。
1.月曜日から金曜、8時から17時まで、営業目的の電話又は通信関連の広告をショートメッセージサービスにて(SMS)配信することを禁止する
2.営業電話又はSMS配信は、消費者一人につき、月に10回までとする
3.1日3回以上の営業電話又はSMS配信を禁止する
4.商品やサービスを宣伝する目的で電話又はSMS配信する必要があるものは、電気通信会社より許可を取得する必要がある
利用者相談窓口の設置
政府は、インターネットサービス、通信に関する商品[1]、迷惑電話等に困っている消費者に対して相談窓口を設置しております。
1.電気通信会社に直接相談する
2.県・ヴィエンチャン都の郵便電気通信課に直接相談する
3.電話相談窓口は、商工業省(1510)、首相府事務所(1516)及び国民議会(156)の3か所で受け付けています。
4.インターネットで相談する場合:www.Icp.gov.la (商工業省)
通信関連サービス業者が自社の商品・サービス等にクレームを受けた場合、7営業日以内に解決し、両者の側の立会人を含めた署名付きの覚書を交わす必要があります。なお、消費者が相談したにも関わらず、問題が解決されない場合、県・ヴィエンチャン都の郵便電気通信課へ解決を要請することが可能となっています。
[1] 電話及びネットSIMカード、固定電話・移動電話回線システム、ネットサービス、プリペイドカード等を指します。
以 上
本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)