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ラオス投資奨励法の明確化について

2021年06月21日(月)

ラオス投資奨励法の明確化についてについてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

ラオス投資奨励法の明確化について

 

ラオス投資奨励法の明確化について

 

2021 年6月21日

One Asia Lawyersラオス事務所

1.背景

現行の投資奨励法は、2017年4月に改正されています(詳細は2017年4月16日付ラオス新投資奨励法の官報掲載をご覧ください)。その中で、投資が優遇される分野及び地域に関して、それぞれ第9条及び第10条に規定されています。また、対象分野と地域へ投資する企業に対する法人税の免税措置及び政府の土地リース料又は土地コンセッション料の免税措置については、第11条及び第15条に規定されています。

しかしながら、投資奨励法第9条に記載の投資が優遇される9つの分野については、「ハイテク」、「クリーン農業」、「環境にやさしい」、「近代化」等といった具体性に欠ける表現が多く、どのような業種が該当するのか、分からない状態でした。さらに、投資奨励法第10条に記載の投資が優遇される地域については、「貧困地域」、「遠隔地域」、「利便性が低い」など、曖昧な表現となっており、明確に地域を特定することができませんでした。

そのため、今回、計画投資省から発行された「法人税、政府の土地リース料又は土地コンセッション投資奨励優遇措置に関するガイドライン(No.0760/MPI)(以下、ガイドライン)」は、上記のとおり特定できなかった9つの分野をラオス独自の産業分類コード(LSIC)[1]にあてはめて、リスト化することで、具体的な業種名が特定できるようになりました。地域については、各県にあるすべての郡を地域1[2]と地域2[3]に分けて、リスト化することで、企業が投資している地域が、どのような優遇措置を受けることができるのか、把握することができるようになりました。

 また、投資奨励優遇を受けるための手続きに関しての規定が投資奨励法にはありませんでしたので、具体的な手続き方法等がガイドラインの中で新たに規定されています。

同ガイドラインは、官報掲載(2021年5月28日)15日後から施行されています。

 2.投資優遇を受けるための前提条件

  投資奨励法及び同ガイドラインによれば、投資優遇措置を受けることができる前提条件は以下の通りとなっています。なお、以下の前提提条件に関しては、投資奨励法から特段変更はありません。

1)投資奨励法第9条及びガイドラインの別添リストに掲載されている分野に対して投資をする企業であること

2)12 億キープ(約 15万ドル)以上の投資総額、又は ラオス人技術者 30 人以上もしくは少なくとも1年以上の雇用契約を結ぶラオス人労働者を 50 名以上を雇用すること

3)投資奨励法第53条及び54条に従い、登録資本金の払込みをしていること

4)ラオスの法令に従って、事業を合法的に行い、関税、税金支払及びその他の法的義務を果たしていること

5)ラオスの法令に従い環境に十分に配慮してビジネスを行っていること

 3.投資奨励優遇分野

  投資奨励法第9条で規定された投資が奨励されている9つの分野に基づき、具体的な事業がラオスの産業分類コード(LSIC)にあてはめて、リスト化されており、対象業種が明確化されています。

 

投資奨励法第9条に基づく奨励分野

事業数

LSIC[4]

高度で最先端な技術、科学研究、研究および開発、テクノロジーの使用、環境に優しい天然資源エネルギーに関する事業

39

2431, 2432, 2610, 2620, 2631, 2640, 2660, 2670, 2710, 2720, 2731~33, 2740, 2750, 2811~16, 2819, 2821~26, 2910, 2920, 3091,

クリーンな農業、無農薬、品種生産、家畜改良、工芸作物栽培、森林開発、環境保護および生物多様性の保全、地方開発、貧困削減に資する事業

26

0111~14, 0116, 0121~23, 0126~30, 0141, 0142, 0144~46, 0149, 0322, 21009, 1080, 72102

環境に優しい農業生産物の加工、国の伝統・独自の加工品、手工芸品の生産

16

1021, 1031, 1041, 1051, 1062, 1072,

1311~13, 1391~93, 1411, 1430, 1629

2012

環境に優しく持続可能な自然、文化、歴史観光産業

2

55101

教育、スポーツ、人材開発(人的資源開発)、職業技術、職業訓練所、教材およびスポーツ用品の生産

9

3220, 3230, 8510, 8521, 8522, 8530, 8541, 8542

高度な医療施設、医薬品、および医療器具製造工場、伝統医薬品の製造と治療

5

8610, 2100, 3250

都市の渋滞緩和、居住地域整備のための公共サービス・インフラ施設への投資運営開 発、農業、工業用インフラ建設、商品輸送サービス、越境サービス

7

4921~23, 41002, 3011~12, 5021~22

銀行融資を受けることが難しい貧困地域およびコミュニティに対する貧困解決のための政策的銀行業務、マイクロファイナンス事業

1

 

国内製造および世界的に有名なブランドの販売促進のための近代ショッピングセンター開発運営、工業、手工芸品、農業分野の展示場の開発運営

2

 

4.投資奨励優遇地域

 投資奨励法には、地域1と地域2の定義しか書かれていませんでしたが、ガイドラインでは具体的にどの郡がどの地域に分類されるのか、下記の表のようにリスト化され、該当地域が明確化されました。

 

県名

地域1(郡の名前)

地域2

地域3

首都ヴィエンチャン

 

全部の郡

経済特区

ポンサリー

マイ

サムパン

ニョートウー

地域1以外の郡

ルアンナムター

 

全部の郡

ウドムサイ

ガー

地域1以外の郡

ボーケーオ

 

全部の郡

ルアンパバーン

ポーンサイ

パークセーン

ウィアンカム

ポーントーン

地域1以外の郡

フアパン

フアムアン

ヒアム(ウィアントーン)

 

地域1以外の郡

サイニャブリ―

サイサターン

地域1以外の郡

シェンクワン

ノーンヘート

モーク

地域1以外の郡

ヴィエンチャン

 

全部の郡

ボーリカムサイ

サイチャムポーン

地域1以外の郡

カムムアン

 

全部の郡

サワンナケート

ノーン

セポーン

地域1以外の郡

サラワン

ターオーイ

サムアイ

地域1以外の郡

セーコーン

ラルーム

ダークチュン

地域1以外の郡

チャムパサック

 

地域1以外の郡

アッタプー

サームサイ

地域1以外の郡

サイソンブーン

タートーム

地域1以外の郡

5.投資奨励許可証について

 投資奨励法には、投資優遇措置を受けるための具体的な手続きについては規定がありませんでした。同ガイドラインでは、優遇措置が許可された企業に対して発行される「投資奨励書」のサンプルが添付されています。その投資奨励書を取得するために必要な書類は、以下の通りです(ガイドライン2.3条)。

1. 企業からの申請書

2.投資許可証(もしあれば)、企業登録証書、事業許可証、納税証明書及び土地リース契約書又はコンセッション契約書(もしあれば)のコピー

3.登録資本金輸入許可証(現物の場合もその証拠書類)のコピー

4.環境評価証明書

5.関連機関から承認された経済技術的評価調査書又は事業計画書のコピー

6.その他関連書類

 上記書類を揃えて、計画投資省又は県・都の計画投資局へ提出し、関連する機関から意見を求めた後に、ワンストップサービスから「投資奨励書」が発行されます。書類の審査から投資奨励書の取得にかかる時間は、1ヶ月と規定しています(ガイドライン第2.4条)。

 なお、ラオス政府との大規模なコンセッション事業で、投資奨励優遇措置を与えることを国民議会が承認した決議書がある場合は、再度「投資奨励書」を取得する必要はありません。

 

[1]ラオスには、国際標準産業分類コード(ISIC)を基礎として、ラオスの産業構造に当てはめた、ラオス独自の産業分類コード(LSIC)が存在します。

[2] <地域 1> 貧困地域、遠隔地、投資に対する社会経済のインフラが整備されていない地域への投資。分野によっては、最大で15年間法人税及び政府の土地リース料が免税される(投資奨励法第11条及び15条)。

[3] <地域 2> 社会経済インフラの整備がある程度進んでいる地域への投資 。分野によっては、最大で7年間法人税が免除され、政府の土地リース料が最大8年間免除される(投資奨励法第11条及び15条)。

 

[4] LSICは、商工業省企業登録管理局の次のURLから(http://www.erm.gov.la/index.php/en/registration/lsic-codes-en)検索することができます。

以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)