ラオスにおける陸上車両法の制定について
ラオスにおける陸上車両法の制定についてのニュースレターを発行しました。
PDF版は以下からご確認下さい。
ラオスにおける陸上車両法の制定について
2022年3月14日
One Asia Lawyers ラオス事務所
1.背景
ラオスにおいて「陸上」と名がつく法律は、「陸上運輸法(2012年)」、「陸上交通法(2012年)」がありますが、2021年11月16日付で新しい法律「陸上車両法」が制定され、2022年3月4日に官報に掲載、15日後に施行されます。
同法では、車両の定義から始まり、車両の種類の説明、各車両の輸入について、車両の登録方法、ナンバープレートの取得、車両検査、車両売買、譲渡、車両に関するビジネス等(ビジネスについては、2020年1月31日付ニューズレター「ラオスにおける車両関連事業に関する首相令について」をご覧ください)、全92条から構成されています。
今回は、車両の定義、種類、輸入、登録を中心に解説いたします。
2.陸上車両の定義
同法第2条において、陸上車両とは、「エンジンで走る二輪車以上の乗り物で、運転手の有無は問わず、技術基準に従い、デザイン、組立、製造され、ガソリン、ガス、太陽光、電気、水素などのエネルギーを動力源として使用する」と定義されています。
3. 車両の種類
車両には、以下の表の通り、6種類が規定されています。
種類 |
詳細 |
原動付き自転車(バイク) |
二輪から四輪 |
普通自動車 |
セダン(4輪、5座席以下、総重量2,500Kg以下) ピックアップ(4輪、5座席以下、総重量3,500㎏以下) ジープ(4輪、車高高い、9座席以下、総重量3,500㎏以下) バン(4輪、スライド式ドア(1から2ドア)、9座席以下、総重量3,500㎏以下) |
輸送車 |
旅客輸送車(小型;9座席以下、中型:35座席以下、大型36座席以上) 貨物自動車(小型:総重量3,500㎏以下、中型:総重量15,000㎏未満、大型:15,000㎏以上) |
重機 |
建機、採掘用、木材加工用、牽引車両、ごみ収集車、救急車、消防車、バキューム車など |
農機 |
耕耘機、コンバインなど |
特殊車両 |
バギー、ゴーカート、オフロードなど |
4.車両の輸入
ラオスへ車両を輸入する方法は、永続的使用のために輸入(永続輸入)と一時輸入の二通りがあります。公共事業運輸省による技術基準審査及び商工業省より輸入許可(一時輸入は除く)が必要です。
1)永続輸入
新車の場合は、メーカーからの品質保証、安全・環境保証が必要となります。中古車[1]の場合は、車検をしてから12か月以内の技術基準証明証が必要であり、別途規定に従うこと。
また、永続輸入する車両は、①左ハンドルであること、②バイクの場合、排気量1,600CC以下であること、③安全・環境基準に適合していることの条件を満たす必要があります(第19条)
2)一時輸入
は、ある一定の期間ラオスで使用するために一時的に輸入される車両を指し、輸入後、ナンバープレートをラオスのものに変更する場合と変更しない場合の二通りがあります。
ナンバープレートを変更しない車両には、観光目的の車両、展示用、研究用、試用、貨物・旅客輸送用などが該当します。
ナンバープレートを変更する車両は、以下の通り2種類があります。
①外国の使節団が使用する車両(外務省からの許可が必要、有効期限2年間、更新可能)。
②経済特区を含めラオス政府が重点を置いている建設プロジェクトに使用する車両。 関連機関が車両輸入計画を承認する必要があります。
なお、一時輸入の車両は、ラオスでの使用が終了後、ラオスから輸出する必要がありますが、輸出しなかった場合、関税や関連する法令に則った措置が取られます。
5.車両の登録
車両は、一時輸入であっても、1年以上ラオスで使用する場合は、ラオスで車両を登録をする必要があります。原則、一時輸入という方法で輸入した車両は、1回の登録で最大2年間登録が維持され、更新も可能(第34条)となっています。
永続登録は、最大5年間となっており、期限が過ぎて3年を経過しても更新しない場合は、車両の登録システムから登録情報が抹消されます(第33条)。また、永住権を持っていない外国人個人は、自分の名義で車両を登録することができませんので、ラオス人名義または、法人名で車を登録することになりますので、ご留意ください。
6.ナンバープレート登録
ナンバープレートは、治安維持省が製造、取り付けの義務を負っています。ナンバープレートは、不正な方法で設置することがないように(わざと見えないように取り付けるなど)、必ず治安維持省の管轄下で、メーカーが決めた場所に、取り付ける必要があります。
[1] ラオスでは、2012 年よりトラック、バス、建機以外の中古自動車の輸入が禁止 されています。
以 上
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