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ラオスにおける為替レートの設定について

2022年10月20日(木)

ラオスにおける為替レートについてのニュースレターを発行しました。PDF版は以下からご確認下さい。
為替レートについて

ラオスにおける為替レートについて

2022年10月20日
One Asia Lawyers ラオス事務所

1.背景

2022年6月にラオス中央銀行(以下、中銀)は、「商業銀行及び外貨両替代理店の両替業に関する合意(No449)」を発行し(2022年8月4日付のニュースレターをご参照ください)、外貨両替業のサービス内容の見直し及び厳格化を図っています。同合意の中では、為替レートについては、「為替レートは、中銀の規定に従い実施する」とあるのみで、具体的な指示は規定されていませんでした。

今回、中銀は、2022年10月11日付で「為替レートの設定に関する合意(No.779)(以下、為替合意)」 を発行し、為替レートの設定について条件を規定しました。原則、為替レートは市場メカニズムで決められ、政府の管理のもと、その安定を図ることを目的としています。

2.中銀による為替レートの設定(為替合意第2条)

金融政策局がラオスキープ/米ドルの日々の参考レートを規定し、営業日の朝8時10分までに中銀のウェブサイト上(https://www.bol.gov.la/en/ExchangRate)に公示します。商業銀行や外貨両替代理店は、公示された為替レートを参考にして、同為替合意に規定に従い、為替レートを決定します。

金融政策局が規定した参考レートに従い、銀行サービス局は、ラオスキープと米ドルやその他の通貨との売買レートを規定し、同様に中銀のウェブサイト上に8時30分までに公示します。

公休日の為替レートは、中銀が休日の前に公示した最新の為替レートを参考レートとします。

3.商業銀行による為替レートの設定(為替合意第3条)

商業銀行はラオスキープ/米ドル、その他の通貨の為替レートを以下の規定に基づき決定します。

1. ラオスキープ/米ドルの売買レートは、金融政策局が日々決定する参考レートの±4.50%を超えないこと。他方、売買レートの差は1%を超えないこと。

2. ラオスキープ/タイバーツ、人民元、ユーロは売買レートの差は1%を超えないこと。

4.外貨両替所代理店による為替レートの設定(為替合意第4条)

外貨両替代理店は、米ドルの購入レートは中銀の参考レートの±3.0%以内とします。その他の通貨の購入は、自身(代理店)を管轄している商業銀行の為替レートを超えないように設定し、また中銀や自身(代理店)を管轄している商業銀行の規定に従う必要があります。2022年6月の合意の中では、為替両替代理店は、個人に対して外貨を売ることは認めており、法人へ売ることのみを禁止していました。しかしながら、同為替合意の中では、「外貨を売ることを許可しない」と記載されおり、個人及び法人を問わず、外貨を売ることを禁止すると解釈できます。

よくある質問として、ラオス旅行中に余ってしまったラオスキープを日本円に両替することが可能かどうかご相談を受けますが、商業銀行においても、外国通貨を売ることは、条件が限定されていますので、実質的には、旅行者は、余ったラオスキープを他の通貨へ戻すことは難しいため、両替する際は、ご留意ください。

 

以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)