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ラオスにおける住居登記について

2025年07月07日(月)

ラオスにおける住居登記についてのニュースレターを発行しました。
PDF版は以下からご確認下さい。
住居登記について

ラオスにおける住居登記について

                                      2025年7月7日

                           One Asia Lawyers Groupラオス事務所
1.背景

ラオスでは、これまで土地の登記制度は存在していましたが、土地の上にある住居や建物単体については、登記制度が存在していませんでした。

しかし、2023年に発行された「コンドミニアムに関する首相令(No.352)」(以下、「コンドミニアム法」)により、初めて「コンドミニアムのユニットにかかる区分所有権」の概念が導入され、外国人や外国法人でもコンドミニアムの区分所有権を取得することが可能となりました(詳細は弊所ニューズレターをご参照下さい)。

今回ラオス政府は、2024年12月11日付で「住居に関する法令(No71)(以下「住居法」)」を発行し、2025年6月26日に官報に掲載後、2025年3月1日よりバックデートされ、施行されました。

これにより、ラオス初となる住居登記制度がつくられ、国内の建物に関する所有関係が明確化されることとなります。特に、ラオスでは外国人が土地を所有することはできないため、今後は土地使用権と建物所有権との関係を正確に契約で整理し、建物について必要な登記をすることが外国人投資家にとって一層重要となります

以下、住居の登記方法に関して解説いたします。

2.住居の種類について

住居法において定義される「住居」には、以下の6種類の建物が含まれます。

なお、これらに加えて、省庁、事務所、銀行、ホテル、ゲストハウス、工場、倉庫、学校、病院、寺院、教会、商業施設、公共施設なども含まれます。

<住居の種類(住居法第11条)>

一般住宅 (戸建て、半戸建て)

レンガ造り、半レンガ半木造、木造、高床式店舗兼住宅、地床式住宅、その他、別荘、商用/サービス用として建てられた住宅

集合住宅

2部屋以上が連結、4階建て以下の住宅や建物

分譲住宅

販売、賃貸、リースを目的として建設した住居で、インフラ(アクセス路、水道、電気、運動場、公共施設、セキュリティシステムなど)設備を住人が共同で使用するタイプの住居

生徒、学生、公務員、社員が居住する建物(有料無料を問わない)

アパートメント

インフラ設備が整った複数の部屋と階数のある建物。アパートの所有者のみが所有権を有しており、月又は年単位で賃貸を目的として建設した建物

コンドミニアム

インフラ設備が整った複数のユニットと高層階の建物。コンドミニアム開発事業者が土地の登記を行い、各ユニットは国籍問わず所有権を個人、法人、団体へ販売又は譲渡することが可能(詳細は弊所ニューズレターを参照ください)。

3.住居の登記について

 住居の登記は、公共事業運輸省が所管しており、棟単位・建物単位・ユニット単位での登記が可能です(住居法第23条)。

登記を行うことで、個人または法人による住居所有が正式に証明されるとともに、住居の管理、検査、使用状況に関する情報が公的に記録されます(住居法第23条)。

なお、コンドミニアムのユニットに関する区分所有権の登記については、別途定められた法令に基づいて行われます(弊所ニューズレターをご参照ください)。

住居の登記に必要な書類は以下の通りです。

<住居登記に必要な書類(住居法第24条)>

公共事業運輸省所定の申請書

ファミリーブック、IDカード又は住所証明書のコピー、法人の場合は企業登録書の写し

土地権原書又は土地使用許可証の写し

建設許可証の写し

建築物の真正性証明書の写し

所在地及び住居の地図

住居の所有者であることを証明する書類の写し

上記書類一式を提出後、関連省庁(農業環境省、治安維持省など)が書類審査及び実地検分を行った後、すべての情報が真正であることが確認されると、5営業日以内に「住居登記証明証」が発行されます(住居法第27条)。

 

以 上

 

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)