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2020年11月13日(金)5:36 PM

シンガポールにおけるCOVID-19暫定措置法第3次修正法案についてニュースレターを発行いたしました。PDF版は以下からご確認ください。

→COVID-19暫定措置法第3次修正法案

 

2020 年11月13日

One Asia Lawyers シンガポール事務所

 

シンガポールにおけるCOVID-19暫定措置法第3次修正法案

 

1、イントロダクション
COVID-19によって、企業に大きな影響があり、経済、社会的活動が停滞しています。シンガポールでは、COVID-19暫定措置法(COVID-19 (Temporary Measures) Act 2020) を制定し、契約を履行できない当事者の救済が図られています。COVID-19暫定措置法は2020年4月7日に発効し、発効後1年間は効力を有するとされています。これまでに第1次修正(6月5日)および第2次修正(9月18日)が行われており、債務者に対する訴訟提起その他の法的措置の一時停止期間の延長、非居住用不動産の賃貸借契約における賃料免除に関する争いについての第三者査定人による解決支援など、救済措置が追加的に図られてきました。

2、法案の概要
現在、COVID-19暫定措置法第3次修正法案(COVID-19 (Temporary Measures) 3rd Amendment (“Re-Align Framework”)) が発表されており、特定の種類に属する契約について、さらなる追加的救済が予定されています。第3次修正法案による追加的救済は、2020年3月25日以前に締結され、2020年11月2日時点で効力を有しており、シンガポール法に準拠し、契約当事者の少なくとも一方がシンガポールに事業所を有する場合に適用するとされており、概要は以下の通りです 。

① 建設契約について、いまだ建設完了の認証を受けていない場合、122日納期が延長される。また、受益者たる契約相手方が個人(個人事業主は除く)ではない建設契約について、COVID-19のために元々の納期までに建設完了できない場合、費用の50%か契約金の0.2%の少ないほうの金額を契約相手方に対して請求できる。
② 住居用または商業用不動産の売買契約について、引渡し日が122日延長され、延長期間中に購入者が負担した所定費用は開発者が負う。購入者が請求する費用に関して当事者間に争いがある場合には査定官による審査の申請を行うことができ、査定官による決定は当事者を拘束する。
③ 特定の契約に対するさらなる救済
非居住用不動産の賃貸借またはライセンス契約 、商用機器の購入またリース契約、商品またはサービスの供給に関する契約を対象として、以下の救済が与えられる。
i. 当事者は他方当事者に対して、調整救済査定人への申立も含め契約内容の交渉を求めることができる。この交渉が失敗すると当該契約は終了する。
ii. 契約が終了した場合、契約終了以前に既に発生していた債権は存続するが、終了以降に生じる債権は消滅する。貸主は、借主が事前に支払っていた契約終了日以降の期間に係るリース料や保証金などは返還しなければならない。
iii. 債権額に争いがある場合、調整救済査定人によって最終決定を受けることができる。この際、調整救済査定人は当事者が申し立てた事情以外の事情も考慮に入れて決定する。この決定には司法上の効力が生じ、従わない場合にはSGD 1,000以下の罰金が科されうる。

3、まとめ
COVID暫定措置法第3次修正法案は11月3日に議会を通過していますが 、今後の社会情勢および経済情勢によっては、依然として内容が修正される可能性もあり、引続き注視していく必要があります。しかしながら、法務省は、第3次修正法案の成立を待つことなく、当事者間で債権債務額その他の契約条件の調整または変更について交渉することを推奨しており 、現在までに公表されている第3次修正法案の概要を踏まえて、契約の早期終了も含めて交渉を進めることができると考えられます。
他方、シンガポール企業と取引を行う外国企業については、相手方のシンガポール企業から交渉を求められることが想定され、後に査定人が介在して契約条件の調整または変更に関する決定がなされた場合には同決定に拘束されますので、相互の経済状態を考慮して柔軟に交渉することが重要になってきます。

以上

本記事に関するご照会は以下までお願い致します。
info@oneasia.legal

2020年11月13日(金)5:30 PM

シンガポールにおける解雇に関する全国賃金評議会の補足ガイドラインについてニュースレターを発行いたしました。PDF版は以下からご確認ください。

解雇に関する全国賃金評議会補足ガイドライン

 

2020 年11月13日

One Asia Lawyers シンガポール事務所

 

シンガポールにおける解雇に関する全国賃金評議会の補足ガイドライン

 

1、イントロダクション
全国賃金評議会(National Wage Council、「NWC」) は、人材省や外国商工会議所の代表者などで構成され、景気や雇用市場、経済の見通しなどを勘案し、その年度の賃金改定に関するガイドラインを発表しています。今般、COVID-19拡大によって経済および雇用市場が不況に陥っている状況で、事業を持続し、雇用を維持するために、NWCは本年(2020年)3月末に発表したガイドラインに加え、10月16日に補足ガイドライン を発表しました。NWCガイドラインに法的拘束力はありませんが、団体交渉の基準点として用いられています。この最新の補足ガイドラインは2020年11月1日から2021年6月30日までの期間に適用されます 。

2、補足ガイドラインの概要
NWCから発表された補足ガイドラインの主な内容は、以下の通りです。
① 雇用主は、可能な限り適切なコスト削減策を講じて既存の従業員を維持し、従業員を再教育し、社内の新しい業務に再配置して、特にシンガポールコア に向けて将来のためのスキルを提供し、人材を継続的に育成するべき。
② 賃金の引下げは、部門や企業の業績や見通しに応じて、慎重に決定するべき。そして、引き下げた場合でも、経営状況が許せば元に戻すべき。
③ 解雇は最終手段とし、解雇を行う場合にも雇用主は三者評議会による勧告(the Tripartite Advisory) を遵守し、責任をもって行うべき。
④ 変動制賃金制度(Flexible Wage System、「FWS」) を導入すべき。柔軟で競争力ある賃金体系によって事業を維持し、雇用を守ることにもつながる 。
⑤ その他の補足点
i. 漸進的賃金モデル(Progressive Wage Model、「PWM」) を採用している業種については、それを継続する。パンデミック期間においても、以前にしていた増額の合意は継続すると考えられる。
ii. サービス利用者は、自営業者に対しては、可能な限り取引のキャンセルを避け、COVID-19によって延期されたプロジェクトの費用の前払い、または一部分割払いを行い、また、自営業者が利用できる雇用促進サービスを推奨するべき。
iii. 業績、見通しが良い企業について、雇用計画の前倒し、ジョブデザインのアップデート、変動払いにより報奨金を公正に支払うこと。

3、まとめ
シンガポール法においては、日本法と異なり、法定された解雇予告期間より前に解雇予告をすれば解雇の理由は問わないとされていますが、経済、労働市場の見通しが立たない現状において、解雇に対して不服申し立て手続きが取られる可能性が高まっているとも考えられます。NWCガイドラインには明確な法的拘束力はありませんが、労使間交渉の指針となるため、尊重することが求められます。柔軟な賃金制度の導入をはじめ、雇用を維持するための諸施策の実施が強く要請されていることから、雇用主、労働組合、従業員、政府が相互信頼を築き、長期的な視点に立って、建設的なアプローチを検討のうえ採用することがますます重要になっています。

以上

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info@oneasia.legal

2019年01月23日(水)1:02 PM

ASEAN各国の新法状況をご報告いたします。

 

【シンガポール】決算サービス法案
【タイ】労働者保護法・刑事手続法関連の改正及びIBC制度の創設
【マレーシア】外国人社会保険義務・飲食店での喫煙禁止・贈収賄に関する改正法
【ベトナム】サイバーセキュリティー法の施行
【インドネシア】OSSシステムのBKPMへの移管
【フィリピン】外資規制緩和の最新動向
【ミャンマー】競争委員会の設立及び外国銀行の内資企業への融資撤廃
【カンボジア】労働法のアップデート
【ラオス】付加価値税法の改正
【日本】労働基準法の一部改正

 

2019新年版ニューズレター

2018年01月11日(木)4:44 PM

ASEAN各国の新法の状況をご報告いたします。

 

シンガポール→ダウンロード

タイ→ダウンロード

マレーシア→ダウンロード

ベトナム→ダウンロード

インドネシア→ダウンロード

フィリピン→ダウンロード

ミャンマー→ダウンロード

ラオス→ダウンロード

日本→ダウンロード

 

2017年10月09日(月)3:37 PM

シンガポール及び香港の紛争解決における「Third Party Funding」の概要について解説いたします。
シンガポール及び香港の紛争解決における「Third Party Funding」の概要

2020年09月14日(月)1:52 PM
タイトル:海外の不動産解説
著者:栗田哲郎、藪本雄登、村上暢昭、佐野和樹、松谷亮、内野里美等、各国専門家

言語:日本語
掲載元:週刊住宅
発行日:2020年5月25日から毎週掲載