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オーストラリア労働法アップデート:最低賃金の引上げおよび直近の法改正について

2023年06月13日(火)

オーストラリア労働法アップデート:最低賃金の引上げおよび直近の法改正についてニュースレターを発行いたしました。
PDF版は以下からご確認ください。

オーストラリア労働法アップデート:最低賃金の引上げおよび直近の法改正

 

オーストラリア労働法アップデート:最低賃金の引上げおよび直近の法改正

2023年6 月吉日
One Asia Lawyers
オーストラリア・ニュージーランドチーム

1.最低賃金の上昇

 2023年7月1日より、オーストラリア全域において最低賃金(National Minimum Wage)が23. 23豪ドル/時間に引き上げられることが決定されました。これは前年から2.10豪ドル(または8.6%)の大幅な引き上げとなります。また、労使裁定(Modern Award)の最低賃金は5.75%の引き上げとなります。

 最低賃金通りの給与を支払う事業者においては、今年の最低賃金の引き上げに合わせた給与の増額を行うことが求められます。また、最低賃金を超える報酬を設定している事業者においても、適用される各労使裁定に則った最低報酬額(手当等を含む)を上回る報酬額となっているか、今一度確認を行うことが推奨されます。

2.その他の主要な法改正

 弊所のニューズレター(https://oneasia.legal/9259https://oneasia.legal/9758)にて概要をお伝えしてきたオーストラリアの雇用法改正ですが、2023年6月~7月において、以下を含む雇用法(the Fair Work Act 2009 (Cth))の改正法が発効されます。

 ・柔軟な勤務形態(Flexible Work Arrangements):介護や家庭内暴力の状況にいる従業員等への適用の拡大、育児休暇期間の延長の要請権、雇用主の協議・通知義務の追加など。2023年6月6日に発効されます。

 ・有給育児休暇(Paid Parental Leave)の増加:オーストラリア政府の拠出する有給育児休暇制度(Paid Parental Leave)が改定され、2023年7月1日より、支給期間が18週間から20週間に増加となります。また、休暇の使用制限が一部除外され、従業員はより柔軟に当該休暇を使用することが可能となります。

 また、昨年末2022年12月に、従業員に対し給与・待遇の機密保持を義務付ける契約条項(Pay Secrecy Clause)を雇用契約に盛り込むことが禁止される改正法が施行されましたが、そのような条項が盛り込まれた雇用契約は、2023年6月7日までに当該条項を削除することが求められます。

 上記以外にも今年中に発効される雇用法改正事項が複数存在するため、企業は、自社に関連する改正内容の確認、およびタイムリーな雇用契約、就業規則、その他各種社内手順等の見直しを行うことが推奨されます。