インド:インド新労働法中央規則の施行
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インド新労働法中央規則の施行
2026年5月15日
One Asia Lawyers南アジアプラクティスチーム
吉田 重規 (弁護士・日本法)
2026年5月8日、労働雇用省(Ministry of Labour and Employment)は新労働法典に関する以下の中央規則を公布・施行しました。
・賃金法典(中央)規則(Code on Wages (Central) Rules 2026)
・労働安全衛生・雇用条件法典(中央)規則(Occupational Safety, Health and Working Conditions
Code (Central) Rules 2026)
・労使関係法典(中央)規則(Industrial Relations Code (Central) Rules 2026)
・社会保障法典(中央)規則(Social Security Code(Central) Rules 2026)
新労働法典は、インド政府により昨年11月21日に施行されたものの(昨年12月16日付けニュースレター参照)、同法典の各施行規則は制定されておらず、実務上求められる対応は不透明な状況が継続していました。その後、同施行規則の草案について、2025年12月30日付で公表され、パブリックコメントに付されていました(本年1月29日付けニュースレター参照)。本中央規則について、公布・施行をもって中央政府による労働法典の施行の基本的部分の整備は完了したといえます。なお、草案から主要な枠組みに大きな変更は加えられておりません。
もっとも、インド労働法領域は、中央政府に加えて各州政府にもその制定権限があり、本中央規則が適用される事業所はむしろ限定的です(下記参照)。したがって、通常の民間企業の工場、オフィス、店舗等については、拠点が所在する各州の州規則および関連通知の状況を継続確認する必要があります。各州においても、労働法典の施行規則の制定を進めており(産業主要州は概ね草案は公開済み、グジャラート州・カルナータカ州などで一部最終化済み)。
各規則の適用対象となる事業所について
各法典において相違がありますが、概ねの枠組みは近似しており、中央規則が適用されるのは、中央政府が所有・運営する事業所・中央法により設立された法人その他の機関、鉄道・鉱山・油田・主要港・航空輸送・電気通信、銀行・保険会社などとなります(条文上は、appropriate Governmentの定義という形式を通じて、中央規則・州規則のいずれが適用されるか定められています。賃金法典2条(d)、労働安全衛生・雇用条件法典2条(1)(a)、労使関係法典2条(b)、社会保障法典2条(3))。
もっとも、社会保障法典については、これらに属さない通常の民間企業であっても、複数州に部門・支店を持つ場合、中央規則の適用が想定されており、中央規則の適用可能性を個別に確認する必要があります。
他方、労働安全衛生・雇用条件法においては、工場・自動車運送事業・プランテーション等については、州規則が適用されることが想定されており、中央規則の適用があるように見える場合も、所在州の州規則を確認することが必要となります。
以上
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