ラオスにおける為替レートの設定について
ラオスにおける為替レートの設定についてのニューズレターを発行しました。
PDF版は以下からご確認下さい。
→為替レートについて
ラオスにおける為替レートの設定について
2026 年5月20日
One Asia Lawyers Groupラオス事務所
1.背景
ラオス中央銀行(以下、「中銀」)は、銀行の代理店として登録されていた私設の両替所を2023年1月以降すべて閉鎖し、現在は、銀行の両替所のみが営業を行っています(詳細は弊所ニューズレターを参照下さい)。
また、中銀は、商業銀行が設定する為替レートと中銀の参考レートとの乖離幅を調整するため、毎年基準の見直しを行っています。
今回、2026年4月10日に発行された合意(No.313)は、2025年3月の合意(No.191)に代わるものです。
特に、商業銀行によるラオスキープと米ドルの売買レートの許容幅が、中銀の参考レートに対する「±6.5%」から「±1.0%」へ大幅に縮小された点が注目されます。
2. 中銀による為替レートに設定(No313第2条)
中銀通貨政策局は、ラオスキープと米ドルの日々の為替レート(参考レート:Reference Rate)を定め、営業日の午前8時10分までに中銀ウェブサイト上で公示します。商業銀行は、この参考レートを基準として、合意の規定に従い為替レート(Exchange Rate)を設定します。
さらに、銀行サービス局は、当該参考レートに基づき、ラオスキープと米ドルその他の通貨との売買レートを定め、同じく午前8時30分までに中銀ウェブサイト上で公示します。
公休日については、休日直前に中銀が公示した最新の為替レートが参考レートとして使用されます。

(出典:中銀ウェブサイトより抜粋(https://www.bol.gov.la/en/index))
3. 商業銀行による為替レートの設定(No313第3条)
商業銀行はラオスキープ/米ドル及びその他の通貨の為替レートを以下の基準に基づき決定します。
1) ラオスキープと米ドルの売買レートは、中銀通貨政策局が日々決定する参考レートの±1.0%を超えてはならいこと。
2) ラオスキープとタイバーツ、人民元、ユーロ、円及び英ポンドの売買レートの差は2%を超えてはならないこと。
3) ラオスキープとその他の通貨の両替における売買レートの差は、5%を超えてはならないこと。
No191では、上記1) のラオスキープと米ドルの売買レート許容幅は、「±6.50%」とされていましたが、今回の改正により「±1.0%」へ大幅に縮小されました。
ラオスでは近年、外貨不足や輸入超過、対外債務負担等を背景として、キープ安が急速に進行していました。そこで、許容幅を±1.0%まで狭めることで、市場での過度なキープ売り、実勢レートの急変動 を抑制し、為替市場を安定化させる意図があると考えられます。
また、ラオスでは近年、外貨規制全般を強化する傾向がみられ、特に以下の政策が推進されています。
・国内決済のキープ建て原則強化 (詳細は弊所ニューズレターをご参照ください)。
・外貨口座利用の管理強化 (詳細は弊所ニューズレターを参照下さい)。
・外貨持出規制 (詳細は弊所ニューズレターを参照下さい)。
・輸出代金の国内送金義務 (詳細は弊所ニューズレターを参照下さい)。
今回のレート規制強化も、こうした流れの一環として、中銀主導で為替市場を管理・統制する政策方針に沿うものと理解できます。なお、上記2)および3)の基準については、今回の改正による変更はありません。
以上
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)
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