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2021年12月29日(水)10:25 AM

ラオスにおける税に関する法令の改正についてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

税に関する法令の改正について

 


ラオスにおける税に関する法令の改正について

                                    2021年12月29日
                              One Asia Lawyers ラオス事務所

1.背景

 ラオスの税に関する法令は、付加価値税法(2018年)、税管理法(2019年)、所得税法(2019年)、物品税法(2019年)、所得税法履行に関するガイドライン(2021年)が存在しています。今回、ラオス政府は、税管理法、付加価値税法、所得税法及び物品税法の一部の条文を改正するために、「税に関する法律の改正に関する法律(No01/NA)」を発行しました。2022年1月1日より施行されます。

今回、付加価値税に関する大きな変更点は、付加価値税率が10%から7%へ引き下げられ、申告納税日が翌月の15日までとなっていましたが、給与所得税に合わせ、翌月の20日までに改正されています。

同ニューズレターでは、税管理法、付加価値税法(以下、VAT法)及び所得税法の改正点について解説いたします。

なお、各改正項目については、条文番号は示されていますが、どのように改正されたかについての詳細は公表されておらず、改正箇所は、弊所で確認できた範囲内にとどまりますので、ご留意いただきますようお願いします。

2.改正された項目について

各法律の改正点は下記の表のとおりです。改正後の赤字で示した箇所が、改正された内容となります[1]。※赤字の箇所は、PDFをご参照ください。

 

税の種類

改正前

改正後

税管理法

32条  税金の納付のタイミング

納付は、次に掲げる期間のとおり実施する。

 1. 物品の輸入については、物品の輸入を行う場所における関税申告時に、 税関当局の計算どおり税金を国庫の銀行口座又は国庫に納付すること。

(2~6は、省略)

32条  税金の納付のタイミング

納付は、次に掲げる時点で実施する。

 1. 物品の輸入については、物品の輸入を行う場所における関税申告時に、 関税当局の計算どおり税金を国庫の銀行口座又は国庫に納付、又は、政府が定めた規定に従いラオス国内で物品を供給したときに、税金を納付する。

(2~6は、改正前と同じため省略)

VAT法

11条 付加価値税課税対象活動

付加価値税が課税される活動は以下のとおり。

1. 物品の輸入

2. 付加価値税制度に登録された個人、法人及び組織がラオス国内において行う物品及び サービスの供給

 3. ラオス非居住者又はラオスの法律に基づいて設立されていない企業がラオス国内において行うサービスの提供

4. ラオスの経済特別区内で企業登録した企業が、経済特別区外で行うサー ビスの提供

 5. 電子的なシステムを通して行われる物品及びサービスの提供

 

11 条 付加価値税課税対象活動

付加価値税が課税される活動は以下のとおり。

1. 物品の輸入

2. 付加価値税制度に登録された個人、法人及び組織がラオス国内において行う物品及び サービスの供給

 3. ラオス非居住者又はラオスの法律に基づいて設立されていない企業がラオス国内において行う物品及びサービスの供給

4. ラオスの経済特別区内で企業登録した企業が、経済特別区外で行う物品及びサー ビスの供給

 5. 電子的なシステムを通して行われる物品及びサービスの供給

 

VAT法

12 条 付加価値税の非課税対象となる活動

1.物品輸入

(1.1~1.19は省略)

 

2. 国内における物品又はサービスの供給

(2.1 ~2.21は省略)

 

12 条 付加価値税の非課税対象となる活動

1. 物品輸入

(追加)1.20 国内供給のための外国からの電力の輸入

(1.1~1.19は改正前と同じため省略)

 

2. 国内における物品又はサービスの供給

(追加)2.22  電力会社への国内電力供給

(2.1 ~2.21は改正前と同じため省略)

 

(追加)3.輸出

3.1 外国及び経済特区への鉱物の輸出

3.2 外国及び経済特区への電力の輸出

 

VAT法

15 条  付加価値税算定基準

付加価値税の計算基礎は以下のとおりとする。

 1. 物品の輸入は、実際の取引原価(CIF 価格)に(適用される場合は)関税及び物品税の額を加算した 額とする。

 2. 国内における物品及びサービスの供給は、物品又はサービスの価額に(物品税適用される場合)の額を加算し、付加価値税の額を除いた額とする。

 3. ラオスの法律に基づいて企業登録していないラオス非居住者が供給したサービスは、実際のサー ビスの価額から付加価値税の額を除いた額とする。

4. ラオスの法律に基づいて企業登録していないラオス居住者が供給する物品及びサービスは、実際の物品及びサービスの価額から付加価値税を除いた額とする。

5. 付加価値税制度に登録されていない者については、実際の取引原価(CIF 価格)に関税及び物品税(適用がある 場合)の額並びに粗利益の額を加算した額とする。

 6. 自己消費、交換又は無償譲渡については、物品及びサービスの実際の価額若しくは市場価格に、 (適用がある場合は)物品税の額を加算した額とする。

 7. 電子的なシステムを通じた物品及びサービス供給は、実際の物品及びサービスの価額に(適用が ある場合は)物品税の額を加算した額とする。

8. 付加価値税納税者に副収入がある場合、当該副収入の額は付加価値税の課税金額に含まれるものとす る。

外貨建ての収入については、その時点のラオス中央銀行の為替相場に基づいてラオスキープに換 算するものとする

15 条  付加価値税算定基準

付加価値税の計算基礎は以下のとおりとする。

1.物品及びサービスの供給

1.1 物品の輸入については、実際の取引原価に関税及び物品税(適用がある場合)の額を加算した 額とする。

 1.2. 国内における物品及びサービスの供給は、物品又はサービスの価額に物品税(適用される場合)の額を加算し、付加価値税の額を除いた額とする。

 1.3.ラオスの法律に基づいて企業登録していないラオス非居住者が供給したサービスは、実際のサー ビスの価額から付加価値税の額を除いた額とする。

1.4.ラオスの法律に基づいて企業登録していないラオス居住者が供給する物品及びサービスは、実際の物品及びサービスの価額から付加価値税を除いた額とする。

1.5. 自家消費のために物品を輸入した者については、実際の取引原価に関税及び物品税(適用がある 場合)の額並びに粗利益の額を加算した額とする。

  自家消費、交換又は無償譲渡については、物品及びサービスの実際の価額又は市場価格に、物品税 (適用がある場合)の額を加算した額とする。

電子的なシステムを通じた物品及びサービス供給は、実際の物品及びサービスの価額に物品税(適用が ある場合)の額を加算した額とする。

 

(追加)2. 鉱物

2.1 輸入の場合は、実際の取引原価又は政府が決定した価格に輸入関税を加算した 額とする。

2.2 ラオス国内、経済特区における鉱物の供給又は売買、海外への輸出、自家消費、交換又は無償譲渡の場合、実際の価額又は市場価格又は政府か決定した価格

(追加) 3. 電力

3.1 電力を発電する者は、電力量測定器に基づく月々の電力量に国内外の売買契約書の価格を乗じた額

3.2電力会社と消費者の場合、政府が決定した価格また又はは電力売買契約書に基づいた電力使用量別の価格

3.3付加価値税納税者に副収入がある場合、当該副収入の額は付加価値税の課税金額に含まれるものとす る。

3.4外貨建ての収入については、その時点のラオス中央銀行の為替相場に基づいてラオスキープに換 算するものとする

 

VAT法

17 条  付加価値税の税率

付加価値税の税率は以下のとおりとする。

1. 輸入された物品、並びに物品及びサービスの供給についてはラオス国内で適用される付加価値税 の税率は 10%とする。

 2. 外国へ輸出する物品については、付加価値税の税率は0%とする

 

17 条  付加価値税の税率

付加価値税の税率は以下のとおりとする。

1. 税率7%:

- ラオス国内で付加価値税が徴収される輸入物品、物品及びサービスの供給

- 鉱物の輸入及び国内供給

- 一般の電力消費者、発電者及び国内販売者の電力使用

2.外国へ輸出する物品については、付加価値税の税率は0%とする。

場合によっては、税管理法第94条に従い、付加価値税の税率は改正される。

 

VAT法

23 条 仕入付加価値税を控除するための要件

1.月次で付加価値税納税申告書を提出、付加価値税制度下において事業を営んでいる 個人、法人又は組織であること

2. インボイス、領収書、債権債務の通知書及びその他の書類を含む、正確で完全な証明書類を保管 していること。

 3. 仕入付加価値税は、仕入付加価値税が発生した月から控除しなければならない。3 か月以内に控除が完了しない場合、還付を請求することができる。

付加価値税制度下において事業を営んでいる個人、法人及び組織の年間の売上げが 4 億キープ以下 の場合、財務省より定められるみなし仕入率で控除することができる。

自然資源及びエネルギー事業に従事する企業にかかる付加価値税の控除は、別途の規定により定められる

23 条 仕入付加価値税を控除するための要件

1.月次で付加価値税納税申告書を提出、TaxRISシステムを使用して申告・納税、銀行又は国庫を通して納税、付加価値税制度下において事業を営んでいる 個人、法人又は組織であること

2.国内において、銀行決済により物品やサービスを売買していること

3.インボイス、領収書、債権債務の通知書及びその他の書類を含む、正確で完全な証明

書類を保管 していること。

 4. 仕入付加価値税は、仕入付加価値税が発生した月から控除しなければならない。3か月以内に控除が完了しない場合、還付を請求することができる。

付加価値税制度下において事業を営んでいる個人、法人及び組織の年間の売上げが 4 億キープ以下 の場合、財務省より定められるみなし仕入率で控除することができる。

自然資源及びエネルギー事業に従事する企業にかかる付加価値税の控除は、別途の規定により定め られる(削除)

 

VAT法

24 条 控除の対象とならない仕入付加価値税

 控除の対象とならない仕入付加価値税は、物品の輸入並びに物品及びサービスの購入の際に支 払われた以下の付加価値税である。

1. 付加価値税の非課税対象となるものに関連する仕入付加価値税。

 2. 既に控除及び還付された仕入付加価値税。

3. 本法第 22 条及び第 23 条において定義された要件を正確かつ完全には遵守していない仕入 付加価値税。

 4. 付加価値税納税者の経費に関連する事業活動に直接用いられない物品又はサービスの購入にかか る、以下のような仕入付加価値税。

– 歓迎会、祝賀会、伝統的又は宗教的な儀式、豪華又は贅沢なイベント、リラクゼーション、ダン ス又は娯楽、ゴルフなどのスポーツ並びに贈答品又は褒賞を含む、事業活動に直接関係しない商 品又はサービスの購入。

 – 事業活動外の経費並びに事業のオーナー、株主、事業パートナー及び社員の個人の経費。

 – 証明となる書類がない若しくは不正確又は不完全な証明書しかない経費。

– 旅費、饗応費、通信費及び広告費を含む、法人税計算前の比例経費対象外金額に関連する経費。

– 企業の資産として登録されていない若しくは登録されているものの、株主、取締役、マネージャ 又は従業員に贈与し、若しくは事業活動に必要な数量を超えたもののように、その一部又は全部 が事業活動に活用されていない不動産に関連する費用。

 – 電気、水道、燃料及びガスで、事業活動に使用していない割合の経費。

 – 付加価値納税者の資産としての登録の有無に関わらず、パーソナルコンピューター、ノートコン ピュータ、タブレット、携帯電話に関連する経費。

 – タバコ、アルコール飲料、全ての飲食物及びその他の製品を含む個人的に費消される物品

 

 

 

 

 

24 条 控除の対象とならない仕入付加価値税

 控除の対象とならない仕入付加価値税は、物品の輸入時、物品及びサービスの購入時に支払われた以下の付加価値税である。

1. 付加価値税の非課税対象となるものに関連する仕入付加価値税。

2. 既に控除及び還付された仕入付加価値税、又は経費として計上されたもの。

3. 2018年6月20日付け「付加価値税法No48/NA」第 22 条及び第 23 条において定義された要件を正確かつ完全には遵守していない仕入付加価値税。

(追加)4.鉱物及び電力からの仕入付加価値税。ただし、経費及び固定資産として計上することは許可する。

 5. 付加価値税納税者の経費に関連する事業活動に直接用いられない物品又はサービスの購入にかかる、以下のような仕入付加価値税。

 – 歓迎会、祝賀会、伝統的又は宗教的な儀式、豪華又は贅沢なイベント、リラクゼーション、ダン ス又は娯楽、ゴルフなどのスポーツ並びに贈答品又は褒賞を含む、事業活動に直接関係しない商 品又はサービスの購入。

 – 事業活動外の経費並びに事業のオーナー、株主、事業パートナー及び社員の個人の経費。

 – 証明となる書類がない若しくは不正確又は不完全な証明書しかない経費。

– 旅費、饗応費、通信費及び広告費を含む、法人税計算前の比例経費対象外金額に関連する経費。

– 企業の資産として登録されていない若しくは登録されているものの、株主、取締役、マネージャ 又は従業員に贈与し、若しくは事業活動に必要な数量を超えたもののように、その一部又は全部 が事業活動に活用されていない不動産に関連する費用。

 – 電気、水道、燃料及びガスで、事業活動に使用していない割合の経費。

 – 付加価値納税者の資産としての登録の有無に関わらず、パーソナルコンピューター、ノートコン ピュータ、タブレット、携帯電話に関連する経費。

 – タバコ、アルコール飲料、全ての飲食物及びその他の製品を含む個人的に費消される物品

(追加)6.2018年6月20日付「付加価値税法No48/NA」に従って付加価値税率10%で実施した分の会計年度末までに控除しきれなかった仕入付加価値税は、控除の対象とならないが、その年の会計年度の経費として計上される

 

VAT法

29 条  還付の対象とならない付加価値税

還付の対象とならない仕入付加価値税は以下の通りとする。

1. 本法第 24 条に規定される控除の対象とならない仕入付加価値税。

2. 控除又は還付の対象となる仕入付加価値税で、本法第 27 条に規定される要件を遵守しなかっ たもの

29 条  還付の対象とならない付加価値税

還付の対象とならない仕入付加価値税は以下の通りとする。

1. 本法第 24 条に規定される控除の対象とならない仕入付加価値税。

2. 控除又は還付の対象となる仕入付加価値税で、2018年6月20日付「付加価値税法No48/NA」第 27 条に規定される要件を遵守しなかっ たもの

(追加)3.2018年6月20日付「付加価値税法No48/NA」に従って付加価値税率10%で実施した分の会計年末に控除しきれなかった仕入付加価値税は、還付の対象とはならないが、その年の会計年度の経費として計上される。

 

VAT法

30 条 付加価値税の申告

付加価値税の申告は以下の通り行う。

1. 付加価値税制度下にある個人、法人及び組織は、所轄の税務当局に対して翌月 15 日までに付加価 値税の申告をしなければならない。

2. 物品の輸入を行う個人、法人及び組織は、輸入場所において関税の申告時点で付加価値税申告を しなければならない。 電子申告を含むインボイスの使用にかかる規定、手順、申告及び申告書式については、別途の規定に より定める

30 条 付加価値税の申告

付加価値税の申告は以下の通り行う。

1. 付加価値税制度下にある個人、法人及び組織は、所轄の税務当局に対して翌月 20 日までに付加価 値税の申告をしなければならない。

2. 物品の輸入を行う個人、法人及び組織は、輸入場所において関税の申告時点で付加価値税申告を しなければならない。

電子申告を含むインボイスの使用にかかる規定、手順、申告及び申告書式については、別途の規定に より定める。

 

VAT法

31 条 付加価値税の納付

付加価値税の納付は、以下の通り行う。

 1. 物品を輸入する者は、輸入場所、国庫又は国庫の口座がある銀行において納付しなければならな い。

 2. 付加価値税制度下にある個人、法人及び組織は、国庫又は国庫の口座ある銀行にて翌月 15 日まで に毎月納付しなければならない。

3. 非居住者であってラオスの法律に基づいて設立されていない者又は居住者であってラオスの法律に基づいて設立されていない者から、サービスを購入する者は以下の通りとする。

3.1 付加価値税制度下で事業を行う個人、法人又は組織は、付加価値税について翌月 15 日までに 毎月の申告納税とともに納付しなければならない。

 3.2 付加価値税制度下で事業を行っていない個人、法人又は組織は、当該サービスの供給者に対 する支払いの日から 15 日以内に納税しなければならない。

31 条 付加価値税の納付

付加価値税の納付は、以下の通り行う。

 1. 物品を輸入する者は、輸入場所、国庫又は国庫の口座がある銀行において納付しなければならな い。

 2. 付加価値税制度下にある個人、法人及び組織は、国庫又は国庫の口座ある銀行にて翌月20日まで に毎月納付しなければならない。

3.ラオスの法律に基づいて企業登録していないラオス非居住者又はラオスの法律に基づいて企業登録していないラオス居住者から、サービスを購入する者は以下の通り実施すること。

3.1 付加価値税制度下で事業を行う個人、法人又は組織は、付加価値税について翌月 20 日までに 毎月の申告とともに納付しなければならない。

 3.2 付加価値税制度下で事業を行っていない個人、法人又は組織は、当該サービスの供給者に対 する支払いの日から 15 日以内に納税しなければならない。

 

VAT法

34 条 付加価値税制度の登録

事業登録を行い、関連省庁より投資許可を所有し及び納税番号を保有する個人、法人及び組織は、零 細事業者を除き、付加価値税制度の登録をしなければならない。

34 条 付加価値税制度の登録

事業登録を行い、関連省庁より投資許可を所有し及び納税番号を保有する個人、法人及び組織は、零細事業者を除き、付加価値税制度に登録をしなければならない。

零細企業は、任意で付加価値税制度に登録することも可能。

 

VAT法

60条  付加価値税制度下で事業を行う個人、法人及び組織に対する措

付加価値税制度下で事業を行う個人、法人及び組織が付加価値税に関する法令に違反した場合、以下 の通り措置が取られる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1. 付加価値税申告書の提出が遅れた場合は、毎月 500,000 キープの罰金が科される。

2. 付加価値税申告書に納税者番号の記載を怠った場合、違反の度に 100,000 キープの罰金が科され る。

3.電話番号、事業所の住所、その他の変更について税務当局に対する通知を怠っ た場合、違反の度に 3,000,000 キープの罰金が科される。

 

 

4. 付加価値税申告書に記載された納付すべき付加価値税を納付しない場合は、1日当たり 0.1%の罰 金が科される。

5. 会計基準に違反した場合は、会計法の規定に従った罰金が科される。

6. インボイスの不使用、不完全なインボイスの使用又はインボイスに不正確な情報を記入した場合 は、インボイスにかかる法律の規定に従った措置が取られる。 7. 付加価値税の申告及び納付がされない場合は、毎月に 1,500,000 キープの罰金が科される。

8. 付加価値税の対象となる物品及びサービス供給の付加価値税申告及び課税の懈怠、過少申告、控 除対象とならない付加価値税の控除、付加価値税の過大控除、過大繰越付加価値税控除、計算し た付加価値税の申告漏れ、閾値以下の申告など不正確な申告を行った場合は、申告漏れ付加価値 税額の 50%分の罰金が科される。

9. 会計文書の不提出並びに不正確又は不完全な会計文書又は情報を提出した場合は、催告通知ごと に 1,000,000 キープの罰金が科される。

10. 税務当局職員や担当官に協力しない又は妨害した場合は、違反の度に 1,000,000 キープの罰金が科される

 

 

60 条  付加価値税制度下で事業を行う個人、法人及び組織に対する措

付加価値税制度下で事業を行う個人、法人及び組織が付加価値税に関する法令に違反した場合、以下 の通り措置が取られる。

 

(追加)イ) 指導

1.付加価値税を申告する際に、納税者番号を記載をしなかった場合、文書による注意

2.付加価値税を申告する際に、会社の電話番号や住所などの情報が変更になったことを通知しない場合は、文書による注意

3.会計書類の未提出、又は不正確及び/又は不完全な会計資料を提出、不明確及び/又は不正確な資料を提出した場合は、文書による注意

4.税務当局の業務に協力しない、妨害行為した場合は、文書による注意

 

(追加)ロ)罰金

1. 付加価値税申告書の提出が遅れた場合は、毎月 500,000 キープの罰金が科される。

2. 注意文書発出後、付加価値税申告書に納税者番号の記載を怠った場合、違反の度に 100,000 キープの罰金が科され る。

3. 注意文書発出後、電話番号、事業所の住所、その他の変更について税務当局に対する通知を怠っ た場合、違反の度に 3,000,000 キープの罰金が科される。

4. 付加価値税申告書に記載された納付すべき付加価値税を納付しない場合は、1日当たり 0.1%の罰金が科される。

5. 会計基準に違反した場合は、会計法の規定に従った罰金が科される。

6. インボイスの不使用、不完全なインボイスの使用又はインボイスに不正確な情報を記入した場合 は、インボイスにかかる法律の規定に従った措置が取られる。

 

7. 付加価値税の申告及び納付がされない場合は、毎月に 1,500,000 キープの罰金が科される。

8. 付加価値税の対象となる物品及びサービス供給の付加価値税申告及び課税の懈怠、過少申告、控除対象とならない付加価値税の控除、付加価値税の過大控除、過大繰越付加価値税控除、計算し た付加価値税の申告漏れ、閾値以下の申告など不正確な申告を行った場合は、申告漏れ付加価値税額の 50%分の罰金が科される。

9. 注意文書発出後、会計文書の不提出並びに不正確又は不完全な会計文書又は情報を提出した場合は、催告通知ごと に 1,000,000 キープの罰金が科される。

10. 注意文書発出後、税務当局職員や担当官に協力しない又は妨害した場合は、違反の度に 1,000,000 キープの罰金が科される

 

(追加)同法の1から10項の罰金の支払い指示に従わない場合、税務当局は、当事者のラオス国内の商業銀行または金融機関の預金を差し押さえる命令を発出。同時に当事者に対して、命令を受領後5日以内に罰金を支払うように命じる。期限内に支払いに応じない場合、商業銀行又は金融機関に対して預金から罰金額分を引き落とすことを要請する。

 

VAT法

61 条  付加価値税滞納者に対する措置

付加価値税の滞納を有する付加価値税納税者に対しては、以下の措置がとられる。

1. 1 通目の催告通知に対しては納付すべき税金に対して 30%の罰金が科される。

2. 2 通目の催告通知に対しては納付すべき税金に対して 60%の罰金が科される。

3. 3 通目の催告通知に対しては納付すべき金額に対して 100%の罰金が科される。

付加価値税の滞納を有する者が以上の措置に従わない場合は、事業中止若しくは事業許可、投資許可又はその他の許可の取消若しくは法に従って違反の重大性に応じた懲罰が科される。

各回の催告通知は発行及び滞納を有する納税者への交付から 15 日間有効となる。

61条  付加価値税滞納者に対する措置

付加価値税の滞納を有する付加価値税納税者に対しては、同法第60条 ロ)4及び8に従い、以下の措置がとられる。

1. 1 通目の催告通知に対しては納付すべき税金に対して 30%の罰金が科される。

2. 2 通目の催告通知に対しては納付すべき税金に対して 60%の罰金が科される。

3. 3 通目の催告通知に対しては納付すべき金額に対して 100%の罰金が科される。

付加価値税の滞納を有する者が以上の措置に従わない場合は、同法第60条2項を適用及び/又は、事業停止又は企業登録書の取消、投資許可書の取消、その他の許可の取消を関連当局へ要請、又は法に従って違反の重大性に応じた懲罰が科される

各回の催告通知は発行及び滞納を有する納税者への交付から 15 日間有効となる。

 

所得税法

14条  法人税課税算出基準

法人税の課税対象額は以下のとおりとする。

1. 会計基準に従った帳簿を整備している場合、課税対象金額は以下のいずれかの

方法で計算される。

– 年間売上高から控除対象費用を差し引いた差額。

– 会計上の利益の額に、本法第 18 条に規定する控除対象外費用を加算した額。

2. 不正確又は不完全な帳簿を保持する事業者又はラオスで企業登録していない非居住者は、強制粗利で計算される。強制粗利額は年間売上高に強制粗利率を乗じて計算する。業種別強制粗利率は、以下のとおり。

イ) 農業及び手工業は 7%

ロ) 工業を及び加工業は 10%

ハ) 商業及びサービスは 15%

 

 

 

 

複数の事業を行い売上が業種別に区分できない場合、主な業種の強制利潤率を適

用するものとする。

ラオス国の法律に従って企業を設立した事業者で不正確又は不完全な帳簿を保持している者は、1年間のみ強制利潤率を適用できるが、その後は、会計基準を遵守しなければならない。会計基準を遵守しない場合、本法第 72 条及び第 73 条並びにその他関連法で定める措置が適用される。

強制粗利税の計算方法については、別途規則で規定する。

14条  法人税課税算出基準

法人税の課税対象額は以下のとおりとする。

1. 会計基準に従った帳簿を整備している場合、課税対象金額は以下のいずれかの方法で計算される。

– 年間売上高から控除対象費用を差し引いた差額。

– 会計上の利益の額に、本法第 18 条に規定する控除対象外費用を加算した額。

2. 不正確又は不完全な帳簿を保持する事業者又はラオスで企業登録していない非居住者は、強制粗利で計算される。強制粗利額は年間売上高に強制粗利率を乗じて計算する。業種別強制粗利率は、以下のとおり。

イ) 農業及び手工業は 7%

ロ) 工業を及び加工業は 10%

ハ) 商業及びサービスは 15%

(追加) ニ) 電力及び鉱物に関する事業は30%

 

複数の事業を行い売上が業種別に区分できない場合、主な業種の強制粗利率を適用するものとする。

ラオスの法律に従って企業を設立した事業者で不正確又は不完全な帳簿を保持している者は、1年間のみ強制粗利率を適用できるが、その後は、会計基準を遵守しなければならない。会計基準を遵守しない場合、2019年6月18日付「付所得税法No67/NA」第 72 条及び本法第 73 条並びにその他関連法で定める措置が適用される。

強制粗利税の課税算出基準については、別途規定する。

 

所得税法

16条  法人税率の加算と減算

1. 法人税率の加算

– たばこ製品の製造、輸入及び販売を行う企業に対しては 22%の税率が適用され、 当該税率のうち 2%は、たばこ管理法で定めるとおり、たばこ管理基金に配分され る。

 – 鉱山採掘のコンセッション事業に対しては 35%の税率が適用される。

 2. 法人税率の減算

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

– 投資促進法で定める法人税免税期間の終了後、学校、研修センター、革新研究そ の他の教育事業等の人材育成に関する事業並びに近代的な病院、製薬及び医療機 器工場の設立並びに伝統的な薬の生産及び治療に関する事業に対しては5%の税 率が適用される。

 – 投資促進法で定める法人税免税期間の終了後、生産において、革新的技術及び環 境適合性の導入並びに天然資源の使用及びクリーンエネルギーの効率的な利用がなされている事業に対しては7%の税率が適用される。

 – 証券取引所に上場している企業に対しては、登録日から4年間 13%の税率が適 用される。その後は、本法第 15 条に規定する法人税率 20%を適用する。

 不正確又は不完全な帳簿を保持する事業者又はラオスで設立されていない企 業である非居住者に対しては、第 15 条に規定する法人税率及び本法で定める利潤 税率の加減算を適用する。

16条  法人税率の加算と減算

1. 法人税率の加算

– たばこ製品の製造、輸入及び販売を行う企業に対しては 22%の税率が適用され、 当該税率のうち 2%は、たばこ管理法で定めるとおり、たばこ管理基金に配分され る。

 – 鉱山採掘のコンセッション事業に対しては 35%の税率が適用される。(削除)

 2. 法人税率の減算

(追加)‐合法的に新規で登記された零細企業で付加価値税制度に任意で登録している場合は、0.1%の税率が適用される。

(追加)‐合法的に新規で登記された小規模企業で付加価値税制度に任意で登録している場合は、最初の3年間は、3%の税率が適用される。

(追加)‐合法的に新規で登記された小規模企業で付加か価値税制度に任意で登録している場合は、最初の3年間は、5%の税率が適用される。

 – 投資促進法で定める法人税免税期間の終了後、学校、研修センター、革新研究そ の他の教育事業等の人材育成に関する事業並びに近代的な病院、製薬及び医療機 器工場の設立並びに伝統的な薬の生産及び治療に関する事業に対しては5%の税 率が適用される。

 – 投資促進法で定める法人税免税期間の終了後、生産において、革新的技術及び環 境適合性の導入並びに天然資源の使用及びクリーンエネルギーの効率的な利用がなされている事業に対しては7%の税率が適用される。

 – 証券取引所に上場している企業に対しては、登録日から4年間 13%の税率が適 用される。その後は、2019年6月18日付「所得税法No67/NA」第 15 条に規定する法人税率 20%を適用する。

 不正確又は不完全な帳簿を保持する事業者又はラオスで設立されていない企 業である非居住者に対しては、2019年6月18日付「所得税法No67/NA」第 15 条に規定する法人税率及び本法で定める法人税率の加減算を適用する。

 

所得税法

18条  控除対象とならない費用項目

 以下に掲げる費用項目は控除の対象から除外する。

1. 法人税

2. 事業直接使用する固定資産にかかる仕入付加価値税

3. 本法第 19 条で規定する減価償却率又は耐用年数を超えて控除された減価償却費

 4. 関連する省庁、個人又は法人からの証拠又は証明された書類のない不良債権

5. 企業の資産として登録していない固定資産にかかる減価償却費

 6. 個人企業の経営者に対して支払われる給与及びパートナーシップが役職を持たず勤務をし ていないパートナーに支払う給与

 7. ゴルフ、娯楽、贈与品及び賞品など、事業に関係しない経費

 8. 企業の所有者又はパートナーの個人的な経費

 9. 財務省の定める様式に従っていない領収書にかかる若しくは証明書類がない又は証明書類 が有効でない経費

10. 市場価格より著しく高額な経費

11. 銀行及びその他金融機関を除き、実際に支出されていないすべての種類の引当金

12. 資産(固定資産、棚卸資産、不良債権等)の評価損の控除

13. パートナーシップにおけるパートナー及び株主が出資のために借り入れた借入金の利子

14. 年度末日における資産及び負債の評価損

15. 繰延税金資産

16. すべての種類の罰科金

17. 会計年度又は年度末日における外貨建資産及び負債の為替差損

18条  控除対象とならない費用項目 以下に掲げる費用項目は控除の対象から除外する。

1. 法人税

2. 事業直接使用する固定資産にかかる仕入付加価値税

3. 2019年6月18日付「所得税法No67/NA」第 19 条で規定する減価償却率又は耐用年数を超えて控除された減価償却費

4. 関連する省庁、個人又は法人からの証拠又は証明された書類のない不良債権

5. 企業の資産として登録していない固定資産にかかる減価償却費

6. 個人企業の経営者に対して支払われる給与及びパートナーシップが役職を持たず勤務をし ていないパートナーに支払う給与

7. ゴルフ、娯楽、贈与品及び賞品など、事業に関係しない経費

8. 企業の所有者又はパートナーの個人的な経費

9. 財務省の定める様式に従っていない領収書にかかる若しくは証明書類がない又は証明書類 が有効でない経費

(追加)10.領収書又は内容が正しいことの証明書類はあるが月次の付加価値税申告書書類として不完全な経費

11. 市場価格より著しく高額な経費

12. 銀行及びその他金融機関を除き、実際に支出されていないすべての種類の引当金

13. 資産(固定資産、棚卸資産、不良債権等)の評価損の控除

14. パートナーシップにおけるパートナー及び株主が出資のために借り入れた借入金の利子

15. 年度末日における資産及び負債の評価損

16. 繰延税金資産

17. すべての種類の罰科金

18. 会計年度又は年度末日における外貨建資産及び負債の為替差損

 

所得税法

73条 罰金

(罰金の内容は省略)

 

未納の所得税を有する者が上記に掲げる措置に従わない場合、事業停止若しくは企業登 録、投資許可証又はその他許可証の取消の措置若しくは事案の重要性に鑑み法律に従って 措置が科される。 要求書は、毎回、要求書を発行し所得税未納付者へ発送した日から 15 日間隔で行う

73条 罰金

(罰金の内容は改正がないため省略)

 

法令に従わず、納税をしなかったり、法に従い要求される罰金を支払わない場合、税務当局は、当事者のラオス国内の商業銀行又は金融機関の預金を差し押さえる命令を発出。同時に当事者に対して、命令を受領後5日以内に罰金を支払うように命じる。期限内に支払いに応じない場合、商業銀行又は金融機関に対して預金から罰金分を引き落とすことを要請 及び/又は、事業停止又は企業登録書の取消、投資許可 書の取消、その他の許可の取消を関連当局へ要請、若しくは事案の重要性に鑑み法律に従って 措置が科される。

 要求書は、毎回、要求書を発行し所得税未納付者へ発送した日から 15 日間隔で行う

 

[1] 各税法の日本語訳は、JICA ラオス 法の支配発展促進プロジェクトで作成された「ラオス六法日本語訳」を一部引用及び参考に作成しています。

 

以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

2021年12月27日(月)9:29 AM

ラオスにおける貯蓄信用組合についてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

貯蓄信用組合について

 


ラオスにおける貯蓄信用組合について

                                    2021年12月27日
                              One Asia Lawyers ラオス事務所

1.背景

ラオスにおいてマイクロファイナンス事業に関する法令は、①「預金型マイクロファイナンス機関の管理について」、②「非預金型マイクロファイナンス機関の管理について」及び③「貯蓄信用組合の管理規定」の3つがあり、いずれも2008年に発行されています。2012年にこれらを統合させ、「マイクロファイナンス機関に関する首相令」が発布されました。

今回、ラオス中央銀行は、2008年の「貯蓄信用組合の管理規定(以下、規定)」の改正版を2021年12月6日付で発行しました。ラオス中央銀行は、設立背景や組織体制が脆弱な村落基金よりも、運営能力や信用度が高い、中央銀行の管轄下にある貯蓄信用組合(Saving and Credit Union)の許可申請を推進しており、今回の改正では、事業内容に村落基金等への技術面のコンサルティング業務を追加したことで、小規模金融機関の管理強化にもつながることが期待されます。

なお、2015年7月13日付「ラオス国籍者へ保全される事業」に該当するため、外国人は参入することはできないビジネス形態となっています。ただ、ラオスの農村社会においては、農業等を開始するための資金調達先として、重要な役割を果たしているため、規定内容について簡単に解説します。

2.法律上の定義

本規定第2条によれば、貯蓄信用組合とは、「職域等を同じとする者や業域が異なる有志によって、融資面での相互扶助を目的として同規定に基づいて事業許可証を取得した協同組合」と定義されます。

3.貯蓄信用組合(以下、組合)の設立について

組合事務所の修理や設備機器の導入及び融資の資金源とするために、会員より現金で出資を募り、会社設立後、中央銀行より事業許可書を取得することで、ビジネスを始めることが可能となっています。会員は、150人以上という条件があり、18歳以上のラオスに在住する、ラオス国籍者のみが会員となることが可能となっています。

4.事業内容

組合が提供することが可能なサービスは以下の通りです。

 

・会員からの預金(通貨はキープのみ)

・会員への融資(通貨はキープのみ)

・保険代理業

・決済サービス代理業

・村レベルの小規模金融機関(村落開発基金、村銀行など)への技術面の支援に関するコンサルティング業務

・その他、中央銀行が認めた業務

組合の資金調達方法としては、会員からの貯蓄以外には、国内外からの無償資金提供、寄付、国内外の金融機関からの融資があります。

 

                     

以 上

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2021年11月30日(火)8:38 AM

ラオスにおける村レベルの紛争解決についてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

村レベルの紛争解決について

 


ラオスにおける村レベルの紛争解決について

                                     2021年11月30日
                              One Asia Lawyers ラオス事務所

1.背景

ラオスにおいては、紛争が生じたとき、裁判所での訴訟提起の前に、必ず当事者の管轄下にある村又は経済紛争解決センター(Economic Dispute Resolution Center)で調停手続を行う必要があります。調停において、和解合意に至らなかったことを証明しなければ、裁判所は事件を取り扱わない仕組みとなっています(民事訴訟法第170条)。

これまで村レベルの紛争解決方法について具体的に定めた法令はなく、ラオス政府は、2021年10月22日付で「村レベルの紛争解決に関する首相令」を発行し、11月26日に官報に掲載、15日後に施行されます。

今回は、村レベルの紛争解決方法の概要を実務と照らし合わせながら解説いたします。

2.取り扱う紛争の種類(第15条から22条)

村レベルの調停で取り扱うことができる紛争は以下の通りです。

ア)民事関係

家畜問題、相続問題、境界問題、土地使用権、商事関連以外の契約違反、村の運営に関する紛争、その他法律が定める私人間の問題など

イ)商事関係

小規模で解決が困難ではない商事に関連する問題。紛争金額が高額であっても、当事者が合意し、調停人に紛争解決の能力がある場合は扱うことが可能

ウ)家族関係

離婚以外の家族間の問題、夫婦の財産、家族内の借金、養育・扶養・養育・扶養費の問題、親子関係の問題など。ただし、ドメスティックバイオレンスについては、民法の規定に従う。

エ)環境関係

家畜の糞尿問題、ごみ問題、汚水の垂れ流しなど小規模で被害額が高くない紛争

オ)労働関係

事業体の中ではなく、家族内の労務問題。事業体の中の労働紛争については、村レベルの労働社会福祉支局がその解決を担う。ただし、村レベルに同支局がない場合は、村レベルの紛争解決チームが扱うことが可能

カ)刑事関係

財産の被害額が1,000,000キープ(約100ドル)以下の事件。ただし、強奪、強盗、常習的な犯罪又は累犯は除く。

身近な人からの傷害事件。ただし、女性と子供への暴力行為、60歳以上の人への被害、身体障害、常習的な行為、累犯は除く。

その他、名誉棄損、誹謗、侮辱、過失致死、姦通、身近な人による人権侵害、プライバシー侵害、住居侵入、個人情報の漏洩など

キ)青少年犯罪 

15歳未満の重犯罪、常習的又はグループ犯罪又は軽犯罪

15歳以上18歳未満で禁固刑3年以下の軽犯罪及び中犯罪

15歳以上18歳未満で刑事事件の要件を満たす、被害額が1,000,000キープ以下の犯罪。ただし、強奪、強盗、常習的な犯罪又は累犯は除く。

3. 調停に関与する者(第23条から27条)

調停に参加する関係者は以下の通り構成されています。

①当事者(当事者がラオス語を理解することができない場合は、通訳者が同席することも可能)

②第三者(紛争に関与する第三者で自身の権利と利益を守るために出席)

③当事者の家族や親せき

④招聘された者(ラオス国家建設戦線、女性同盟、青年同盟、有識者、少数民族の代表など)

4.調停の手続きについて(第28条から33条)

ア)訴状の提出

申立者が居住している村又は紛争が生じている村の紛争解決チームに対して訴状を提出します。訴状を書くことができない場合は、口頭で訴えることも可能です。口頭の場合は、紛争解決チームが内容を聞き取り、記録をとります。記録した内容を申立者に聞いてもらい、署名又は/及び拇印により、証拠とします。

イ)訴状の受け取り

紛争解決チームは、訴状を受け取った後、3日以内に相手方対して紛争の内容を説明します。相手方は、通知を受けて4日以内に自身の意見書を紛争解決チームへ送ります。この場合、ア)で述べたように、口頭でも構いません。その場合は、同様の手続きを行います。

ウ)訴状の検討

当事者からの訴えを受けてから3日以内に紛争解決チームは、生じている紛争に関する覚書を用意します。必要に応じて、村長や司法省支局の専門家など関連する機関から意見を求めます。精査の結果、調停が可能であると判断した場合、当事者へ伝え、調停の準備(期日、場所、召喚状、招聘状の作成など)をします。

実務的には、期日の前日に知らされることもあり、ラオス国内に当事者が居住していない場合は、日程を延長し、再設定してもらう必要があります。なお、延長申請自体は比較的、容易に認められています(第35条)。また、代理出席も認められています。

エ)調停

調停が始まると、はじめに申立者、次に相手方の順に意見を聞きます。その後、第三者、家族・親せきの順に意見を聞きます。そして、最後に招聘された者の意見を聞き、紛争解決チームは、法的な見解、常識的なアドバイス等をすることで、平和的な手段で和解、合意する方法を検討します。

オ)調停の効果

紛争解決の解決が、どのような結果であっても、調停調書を作成し、参加者全員の前で読み上げます。内容に間違いがないか確認をした後、参加者全員が署名・拇印をして証拠書類とします。調停調書は、ラオス語で作成されなければならず、当事者がコピーを1部ずつ保管します。

実務においては 調停調書は、手書きで作成されることがほとんどであり、内容が誤っていることもあるため、必ず署名前に弁護士等に確認してもらう必要があります。また、通常、調停が開かれる村の管理事務所には、コピー機などのIT機器は備えていない場合が多く、全員が署名済みの書面のコピーを受け取るだけでも、1時間以上待たされることがよくあります。

調停で当事者が合意したにも関わらず、紛争当事者が、この調停調書の条項にすべて従わない場合、調停チームが意見を調停調書にまとめ、当事者に対して紛争解決のために自身の権利を使用することをアドバイスします。また、調停で合意に至らなかった場合も、同様のアドバイスをします(第38条)。

5.調停チームについて(第41条)

調停チームは、村に常設しているチームではなく、村民により選出され、村レベルの司法省の事務所を通して村長の推薦により郡長や市長/都庁により承認を受けます。

調停チームは、調停人5人から成り、チーム長1人、副チーム長1人、メンバー3人より構成されます。必要であれば、調停時に、補助人をつけることも可能です。

調停人となれる要件は以下の通りです。

ア)ラオス国籍であること、その村に住所があり居住していること

イ)25歳以上であり、身心ともに健康であること

ウ)犯罪歴がないこと

エ)一定レベルの法律の知識を持っていること

オ)村民の見本となるような人であり、尊敬されていること。

調停人は、退職、移転、解任、死亡した場合に、その役目が終了となります。

なお、調停にかかる費用は1回につき、200,000キープ(約20ドル)を超えない額で、当事者が折半することと規定されています(第39条、40条)。

 

                     

以 上

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satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

2021年11月19日(金)9:17 PM

ラオスに所在する国際機関、大使館、領事館、及び外交官に対するVAT還付に関するガイドライン
についてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

VAT還付に関するガイドライン

 


ラオスに所在する国際機関、大使館、領事館、及び外交官に対する

VAT還付に関するガイドライン

                                     2021年11月19日
                              One Asia Lawyers ラオス事務所


1. 背景
ラオスの付加価値税法(以下、VAT法)は、2018年6月に改正され、同年12月に施行されています。VAT法第25条4項及び26条5項において、ラオスに事務所を有する国際機関、大使館、領事館及び外交官は、還付請求の対象であり、国内で購入した商品・サービスにかかるVATは、還付を受けることが可能であると、明記されています。しかしながら、実際は、還付手続きに時間と手間がかかり、実務上の運用面において、大きく隔たりがありました。
 そのため、今回ラオス政府は、2021年8月30日付けで「ラオスに所在する国際機関、大使館、領事館、及び外交官に対するVATの還付に関するガイドライン(No.4083)」 (以下、ガイドライン)を発行、同年11月10日付けで官報に掲載、施行されています。
 本ニューズレターでは、還付請求の要件、還付を受けるために必要な書類等を中心に解説いたします。

2. 還付請求の要件について(ガイドライン第9条)
ラオスに事務所を有する国際機関、大使館、領事館及び外交官は、以下の要件を満たす場合、VATの還付を受けることができます。

ア) 外交特権を享受し、ラオス外務省から承認されていること
イ) 国際機関、ラオス外務省が発行したIDカード、外交旅券の所持していること又は書記官以上の職位を有する外交官及び領事館の職員であること
ウ) 財務省税務局が発行した納税者番号を保有していること(もしあれば)
エ) ラオス国内において、商品・サービスを提供するVAT登録事業者が発行したVATインボイスの内容について、「領収証に関する首相令」の規定に従って、商品・サービス名とその価格、VATの価格、売買者の署名・公印等について、すべて証拠書類として情報が揃っていること
オ) 商品・サービスの売買が事実であること
カ) 還付を受けるVATは、ラオス国内で商品・サービスを提供するVAT登録事業者から購入した際に発生したものであること

3. 還付請求に必要な書類について(ガイドライン第10条)
VATの還付請求には下記の書類が必要です。
ア) 国際機関、大使館、領事館及び外交官(家族を含む)からのVAT還付請求申請書
イ) VAT還付申請額が記載されている証拠書類、例えば、VATインボイス、売買契約書等
ウ) 外交官のIDカードのコピー又は個人で還付請求を申請する場合は、ラオス外務省儀典局発行の要請書

4.還付対象の商品及びサービス(ガイドライン第8条)
ラオスに所在する国際機関、大使館、領事館及び外交官に対してVATの還付の対象となっている商品・サービスは、以下の通りです。なお、国際機関、大使館、領事館等で働く還付対象となる人数によって、VATの還付が受けられる数量に制限がありますので、ご留意ください。

ア) 乗り物用ガソリン
イ) 不動産の建設資材、修繕資材及び機械
ウ) 不動産の建設、修繕サービス
エ) ラオス国内でVATを支払った商品及びサービス
オ) 事務所用文房具、機器
カ) 業務管理上必要な先端機器及び外交上必要な通信機器

 

 

                     

以 上

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2021年11月10日(水)2:17 PM

ラオスにおける農業用トラクター輸入許可証発行廃止に関する商工業省大臣命令についてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

農業用トラクターに関する大臣命令

 

ラオスにおける農業用トラクター輸入許可証発行廃止に関する通知

                                     2021年11月10日
                              One Asia Lawyers ラオス事務所
1. 背景
人口の約7割が農業に従事しているラオスですが、商品作物の栽培促進のため、初期投資費用の軽減及び農業参入プロセスの簡素化を目的として、2021年10月19日付で「農業用トラクター輸入許可証の発行廃止にかかる商工業省大臣命令(No.0982)」を発行しました。
今回、輸入許可証の発行が廃止となる農業用トラクターは、ラオスの関税表率において、分類番号(HSコード)8701 に属するものです。
今回は、該当する農業用トラクターの輸入に関する手続きについて解説いたします。

2.農業用トラクター(運転室を有する)
同トラクターは、輸入許可証は取得する必要はありません。しかしながら、輸入にかかる税金や関税を支払う前に、公共事業運輸省運輸局から原動付車両技術許可証を取得し、当局で登録する必要があります。なお、国際国境からのみ輸入可能となっています。

3. 農業用歩行操縦式トラクター
同トラクターも輸入許可証を取得する必要はありません。さらに、上記2のように、公共事業運輸省運輸局から原動付車両技術許可証の取得及び当局での登録の必要もありません。輸入にかかる税金や関税の手続きのみで輸入が可能となっています。なお、国際国境、地方国境及び慣習的国境から輸入することが可能です。
4.輸入台数について
農家は、1家族1台の農業用トラクターを輸入することができます。居住している村の役場より、トラクターを農産物の栽培目的で使用することを証明するレターを取得する必要があります。
農業団体や農業組合は、実際の耕作面積に応じた台数の農業用トラクターを輸入することが可能です。団体や組合が所在する、地方レベルの農林事務所より、トラクターを農産物の栽培目的で使用することを証明するレターを取得する必要があります。

5.農業用トラクター等の国内販売
農業用トラクター、部品・パーツ、付属品等をラオス国内において販売目的で輸入するためには、ラオスにおいて企業登録をする必要があります。また、アフターサービスの提供及び外国企業の場合は、企業登録証とは別に、商工業省より、卸売・小売り事業許可証を取得する必要があります。販売目的の農業用トラクター等は、国際国境からのみ輸入可能です。

 

[1] ラオスのHSコードは、以下のサイトで確認することができます。https://laotradeportal.gov.la/index.php?r=tradeInfo/codeView&hsType=Sub&value=8701&searchType=HSCODE                       

以 上

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2021年10月15日(金)12:53 PM

ラオスにおける電気自動車の使用に関する政府方針についてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

電気自動車に関する政府方針

 

ラオスにおける電気自動車の使用に関する政府方針について

 

2021年10月15日

One Asia Lawyers ラオス事務所

  • 1.背景

ラオス政府は、2025年までに全自動車の少なくとも1%、そして、2030年までに30%以上を電気自動車へ移行することを国会で決議し、2021年10月4日付けで「ラオスにおける電気自動車使用優遇措置の承認に関する決議」を発布しました。

政府が電気自動車への移行を推進する主な目的として、①ガソリンの輸入による外貨流出の抑制、②自動車使用者の経費削減、③ガソリンエンジンによる排気ガスの削減の3つを掲げています。また、電気自動車への移行は、ラオス国内で増産傾向にある電力の使用を推進するためであるとされています。

2.電気自動車の輸入と販売者に対する方針

電気自動車の輸入・販売に対する優遇措置は以下のとおりです。

1)投資奨励法、税管理法、税関法等の関連法に規定された優遇措置を適用すること

2)電気自動車の輸入台数の割り当てを制限しないこと

3)ラオスへ輸入・販売する電気自動車は、国際基準の品質、安全性、技術を保証すること。また、アフターサービスを充実させるとともに、使用済みのバッテリー等の電気自動車の部品を適切に廃棄する仕組みを整え、環境への負担を減らすこと

4)特別なナンバープレートやマーク等により電気自動車であることを当局や一般の人が簡単に識別できるようにすること

3.電気自動車の生産と組立事業者に対する方針

電気自動車の生産又は組立工場を建設する国内外の投資家に対して、ラオス政府は、機械や車の部品の輸入等にかかる関税、法人税などの諸税金の減税、政府の土地の借地料の減額等を実施すべく、関連する法令上の優遇措置を適用させるとしています。

4.電気自動車充電スタンドサービス提供者に対する方針

特に充電スタンド設置に対する方針は以下の通りです。

・充電スタンドに必要な設備の輸入にかかる関税の免税又は減税とします

・ラオス電力公社(EDL)が充電スタンド開発者に供給する電気料金を季節ごとに決定します(雨季は乾季よりも安く設定予定)。

・ガソリンスタンド経営者に対して、徐々に充電スタンドの開発・運営を促します。

5.最後に

同決議では、手始めに、試行期間として、政府使用車や官僚が使用する車を新しく購入する際は、すべて電気自動車とし、その後、国営企業や公共交通機関を電気自動車へ移行するとあります。また、電気自動車使用者の年間道路使用料をガソリン車よりも30%割り引く等の使用者に対する優遇措置も検討されているようですが、エネルギー・鉱山省、公共事業運輸省、財務省、商工業省、治安維持省、天然資源環境省に対して、電気自動車への移行にかかる各業務を委任し、同決議施行後、45日以内に具体的なガイドラインや規則を各省が責任をもって発行するように義務付けています。

                        

以 上

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2021年10月09日(土)2:16 PM

ラオスにおける公印に関する首相令普及指示書についてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

公印に関する首相令普及指示書

 

ラオスにおける公印に関する首相令普及指示書について

 

2021年10月9日

One Asia Lawyers ラオス事務所

1.背景

2018年10月1日付で「公印に関する首相令(No.322)(以下、首相令)」が公布されました (詳細は2018年11月5日付ニュースレター「ラオスにおける看板及び公印に関する法令の改正について」をご参照下さい) 。今回、ラオス内務省は、①首相令の補足説明、②公印発行の手続きの明確化、③公印の管理機関の義務の明確化について、これら3つを目的として、2021年8月16日付にて「公印に関する首相令普及指示書(No08)」を発行しました。

今回は、外国人が関連する主な組織(法人、国際組織、NGO団体等)の公印に関する規定の追加説明の部分についてご紹介いたします。

2.公印の形、インクの色、大きさ及び内容

2-1外国の代表団体(大使館、領事館)、国際機関、国際非政府組織(International Non-Governmental Organization、以下INGO)の公印については、首相令の適用範囲となりますが、公印の形、大きさ、内容については、各組織がラオス外務省へ申請を行い認証されたものとします。

2-2 企業登録証を保有する法人、国有企業(政府が15%以上を出資)、グループ会社、事業連盟の社印の形は、8角形とします。

2-3 国際機関、連合、連盟、協会、団体、基金、非営利援助組織、商売協会などの社印の形は円形でインクの色は青色とします。

3.公印の使用条件、発行許可、管理及び使用について

3-1 組織の名前変更、会社の統合、解散、プロジェクトの終了等により公印の内容を変更する場合は、治安維持省へ既存の公印を返却する必要があります。

3-2 大使館、領事館、アジア開発銀行、世界銀行、メコン委員会等においては、その団体独自の公印を使用する前にラオス外務省へ公印の見本(Specimens) を提出することによって、その使用が許可されます。治安維持省に対して使用許可を取得する必要はありません[1]

3-3 INGO等のプロジェクト団体や事業組織は、団体独自の公印をラオスで使用する前に、公印の見本 (Specimens) をラオス外務省等の関連機関へ提出します。その後、自身の国の代表団(大使館、領事館等)で認証を受け、ラオスの治安維持省で登録手続きを行う必要があります。

なお、外国の代表団体、国際機関、INGO等がラオスで公印を作成する場合は、首相令第14条[2]に則り作成することが可能ですが、作成後、見本(Specimens)をラオスの外務省へ提出する必要がありますのでご留意ください。

[1] 治安維持省より許可を取得する必要はありませんが、同省にて登録の義務はあります(首相令第15条)。

[2] 首相令第14条「公印の作成許可について」

                        

以 上

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yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

2021年10月08日(金)1:40 PM

ラオスにおける交通ルール違反に対する罰則規定についてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

交通ルール違反に対する罰則規定

 

ラオスにおける交通ルール違反に対する罰則規定について

 

2021年10月7日

One Asia Lawyers ラオス事務所

1.背景

ラオスにおいて、陸上交通に関して規定した法令は、道路交通法(2012)、陸上輸送法(2012)、公道法(2016)などがありますが、いずれも、交通ルールを違反した者に対する罰則は規定されていませんでした。そこで、ラオス政府は、全国統一的に交通違反を取り締まるため、2021年9月16日付で「道路交通に関連する法令違反者に対する罰則規定等に関する政府令(No568)」を発行しました。

今回は、年齢、飲酒運転、速度違反等の罰金を中心に解説いたします。

2.年齢制限(第6条)

下記で規定される年齢で乗り物を運転した場合、その保護者に対して罰金が科せられます。

乗り物

年齢

罰金

自転車

9歳未満

20,000キープ

Moped[1]

12歳未満

30,000キープ

二輪車

15歳未満

50,000キープ

普通乗用車

18歳未満

100,000キープ

三輪自動車(トゥクトゥク/ジャンボー)

18歳未満

80,000キープ

※10,000キープ=約1USD(2021年10月現在)

3.飲酒運転(第7条)

二輪車の場合、体内に[2]、1リットル中のアルコール濃度が0.14mg以上検出された場合、150,000キープの罰金が科せられます。

あらゆる種類の4輪車の場合、体内に、1リットル中のアルコール濃度が0.24mg以上検出された場合、300,000キープの罰金が科せられます。

4.速度違反(第14条)

超過速度が時速15㎞までであれば、警告及び登録のみで解放されます。

超過速度が時速16㎞以上30㎞までの場合、乗り物別の罰金の額は以下の通りです。

乗り物

罰金

二輪車

70,000キープ

三輪自動車(耕運機等)

100,000キープ

普通自動車

150,000キープ

 

超過速度が時速31㎞以上50㎞までの場合、乗り物別の罰金の額は以下の通りです。

乗り物

罰金

二輪車

100,000キープ

三輪自動車(耕運機等)

120,000キープ

普通自動車

180,000キープ

 

超過速度が時速51㎞以上100㎞までの場合、乗り物別の罰金の額は以下の通りです。

乗り物

罰金

二輪車

120,000キープ

三輪自動車(耕運機等)

150,000キープ

普通自動車

200,000キープ

 

5.その他

幹線道路沿いに街灯が少なかった時代は、夕方以降はヘルメットを被ると視界が暗くなるため、被らなくてもよいという暗黙の了解がありましたが、同政府令第31条によると、ヘルメットを着用していない又はかぶっているけれどもあごひもをつけていない場合は、50,000キープの罰金が科せられるとあります(二人乗りの場合は同乗者も着用の義務あり)。また、普通自動車の場合、シートベルトを締めていない場合は、70,000キープの罰金が科せられますのでご留意下さい。

ラオスでは、道路に牛などの家畜がうろついている光景がよく見られますが、道路にいる家畜(4本足の動物)が原因で事故を引き起こした場合、家畜の所有者は1頭につき30,000キープの罰金を支払う必要があります。

6.最後に

ラオスでは、交通警察が、小遣いを稼ぐために、交通ルールを守っていても、運転者を故意に停止させ、不当な理由で法外な額の罰金を徴収することが常習化しています。同政府令は交通事故の抑止力になるだけではなく、交通警察が不当に罰金を科さないように管理するための効果もあることが期待されています。

[1] 排気量50㏄ 未満又は0.25~4キロワットを超えない発電機を搭載した二輪及び三輪のペダル付きかつ、最高時速50㎞を超えない乗り物を指します。

[2] アルコールを検出するための検査方法(呼気、尿、血液 )についての記載はありません。

                        

以 上

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2021年08月18日(水)10:30 AM

ラオスにおける仮想通貨に対する注意喚起についてニュースレターを発行しました。

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仮想通貨に対する注意喚起

 


ラオスにおける仮想通貨に対する注意喚起について

 

2021 年8月18日

One Asia Lawyersラオス事務所

ラオス中央銀行(以下、中銀)は、2018年8月29日付で  仮想通貨は合法的に認められた通貨でも、決済手段でもなく、誰の管理下にもなく、様々なリスクが存在するため、投資や売買に関しては、事前に十分に情報収集する必要があると、国民に対する注意喚起を行っていました(詳細は2019年8月20日付ニュースレターをご覧ください)。

しかしながら、昨今においても、ラオス社会の中で、一部の人たちによって、外国の暗号通貨取引所(Binanceなど)を通して、仮想通貨の売買をしたり、商取引において仮想通貨で決済を行っている人たちがいることが報告されています。

そのため、中銀は2021年8月11日付(No.156)で再度、以下の通り、仮想通貨に関する注意喚起を行っています。

1.仮想通貨は、合法的に認められた通貨ではなく、決済システム法第14条に規定された、ラオスで可能な決済方法(現金、カード、小切手、送金、電子マネー)には該当しない

2.仮想通貨への投資や売買に関しては、様々なリスク、例えば、マネー・ロンダリング(資金洗浄)及びテロ資金供与リスク、価格高騰のリスク、技術的なリスク、詐欺手口として使用されるリスク)が存在するため、国民は、事前に十分に情報収集する必要がある

3.海外の暗号通貨取引所は、中銀の管理下にはないため、(その存在が)認められることはない。仮に、詐欺の被害やリスクに遭遇した場合、関係者に対して訴訟を提起することはできない点なども十分に留意する必要がある。                           

以 上

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2021年08月13日(金)12:48 PM

ラオスにおけるリース業法令の改正についてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

リース業法令の改正について

 


ラオスにおけるリース業法令の改正について

 

2021 年8月13日

One Asia Lawyersラオス事務所

  • 1.背景

ラオスにおけるファイナンス・リース等の金融リース業法規制としては、1999年の首相令(Decree on Financial Leasing(No11/PM))がありましたが、5、6年前から改正案に関する会議が行われてきました。そして、ようやく2021年7月2日付でリース業に関する首相令(以下、「リース業法」)が発行、2021年7月30日に官報に掲載、15日後に施行される予定となっています。

なお、すでにラオスでリース業を行っている会社は、施行後2年以内に、同リース業法に則った業務形態へ移行する必要があります。

今回は、ラオスにおける新リース業法を基礎に、対象となる取引の形態及びリース会社設立の概要をご紹介いたします。

  • 2.法律上の定義

リース業法第2条によれば、リース業とは、「機器や機械設備等のリース物件をリース会社が直接提供し、又はリース物件の調達人となり、借手に賃貸すること」と定義されています。なお、リース物件は、改正前は、目的物となり得る「動産又は不動産」と定義されていましたが、改正後は、「動産」のみとなっている点に留意が必要です(リース業法第3条4項)。

  • 3.リース業の種類について

リース会社は、以下の3種類の取引が可能となっています(リース業法第6条)。これらのいずれかを行う場合、その事業者は、リース業法の対象となります[1]

①ファイナンス・リース

②オペレーティング・リース

③ハイヤーパーチェイス[2]

リース業法第6条によれば、上記3種類の取引の特徴は次のとおりです。

種類

契約期間

所有権

維持管理

契約満期後

①   ファイナンス

・リース

中・長期

リース会社

借手(占有権、使用権)

①返却

②買取

③契約更新

(再リース)

②オペレーティング

・リース

合意した期間

リース会社

リース会社

①返却

②契約更新

(再リース)

③ハイヤーパーチェイス

合意した期間

借手(割賦払い完了後に所有権移転)

借手

所有権移転

 

  • 4.リース契約内容の概要について

リース契約の基本的な内容は以下の通りとされており、書面で作成する必要があります(リース業法第10条)。

1.リース物件の詳細、例えば、種類、年式、シリアルナンバー等

2.リース物件の価格、リース料、リース料と支払額の計算方法

3.リース期間

4.損害又は修理が必要な場合の契約条件

5.保険(もしあれば)

6.契約不履行規定及び罰則規定(もしあれば)

7.紛争解決規定

8.契約終了又は解除規定

9.その他、両者の必要合意事項

ファイナンス・リースの場合は、上記の項目以外に、金利(ハイヤーパーチェイスの場合も同様)、期限満了後のリース物件の選択肢(返却、買取、再リース)を記載する必要があります。

また、1億キープ(約10,000米ドル)以上の契約の場合は、公証役場で認証する必要があると明記されておりますので、留意が必要です(リース業法第10条)。

  • 5.契約の履行について

借手がやむを得ない理由により支払いができない場合、例えば、遠隔地へ出張、病気などの場合は、リース会社に文書で通知する必要があります。しかし、上記理由が解決した後、15日以内に、借手は、リース料の支払いを精算しなくてはなりません。

借手が、リース料を期日に従って3回続けて支払わなかった場合、リース会社は、30日以内に支払うように知らせる必要があります。借手が、上記で定めた期日以内に支払いが行われなかった場合、リース会社はリース契約を解除することができ、また、リース物件の返却を借手より受けることができます(リース業法第13条)。

  • 6.リース会社の設立について

リース業法第16条によれば、リース会社を設立しようとする者は、商工省、都・県商工局等で企業登録を行った後(一人株主会社の形態は、認められません)、ラオス中央銀行(以下、中銀)より事業許可書を取得する必要があります。事業許可取得に必要な書類の中には、実現可能性調査(Feasibility Study)をはじめ多くの書類を要求されますが、すべてラオス語で作成する必要があります。なお、通常の会社と異なり、定款は中銀より承認を受けた後に有効となりますので、ご留意頂く必要があります。

(1)登録資本金

最低登録資本金は、50億キープ(約50万米ドル)以上と規定されています。現物出資は許容されていますが、登録資本金額の10%を超えることはできません(リース業法第17条)。

(2)取締役会・取締役委員会

取締役会の役員は3人以上と規定されています。任期は3年間で、再任も可能となっています(リース業法第23条)。取締役委員会も義務化されており、マネージング・ダイレクター(MD)、副MDから構成される必要があります(リース業法第26条)。

  • 7.事業許可取得要件

企業登録後、事業許可書に必要な書類を揃えて、中銀に提出後、15日以内に審査結果が通知されます。中銀は書類の審査と同時に、申請者が以下の要件を満たしているかどうかについても審査します(リース業法第16条)。

(1)資金原が十分かつ明確であること

(2)実現可能性調査内容に説得力があり、実行可能であること

(3)役員の金融に関連する経験、知見が十分であること

(4)株主に刑事事件履歴がないこと

中銀は、申請者が上記の要件を満たし、さらに下記の要件も満たしていると判断した場合、45日以内に事業許可証を発行します。許容できる理由により、下記の要件のいずれかを満たしていない場合、中銀は、さらに45日間、要件を満たすまで猶予を与えます。

(1)登録資本金の払い込みが完了していること

(2)人員の配置がある程度整っていること

(3)事業の実施を保証する機器、技術、場所が整っていること

(4)事業の実施、監督、管理システム等内部環境が整っていること

8.最後に

2017年5月18日に中銀より、「ラオスにおける金融関連事業に関する事業ライセンスの発行一時停止」が発行され、2019年2月まで、新規会社設立のための申請書は受理しないことが通知されていました。しかしながら、許可を得ないで金融業を行っている会社(特にマイクロファイナンス事業)が多く存在し、法令を整理する必要があることから、2019年2月以降も、中銀は、金融業の事業申請書を受理しない方針にあり、いつ解除になるのか不明な状態が続いていました。しかしながら、リース業については、中銀でのヒアリングによれば、リース業法の改正及び施行により、申請書の受理および事業許可書の発行が開始される見込みとのことです。

[1] 文言上、対象となる取引は広範に及んでいますが、実務上どこまで適用対象となるかは中央銀行等の関係当局の判断によると想像されます。

[2] ハイヤーパーチェイス契約については、民法第414条から第417条においても規定が存在しております

以 上

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