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2021年08月18日(水)10:30 AM

ラオスにおける仮想通貨に対する注意喚起についてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

仮想通貨に対する注意喚起

 


ラオスにおける仮想通貨に対する注意喚起について

 

2021 年8月18日

One Asia Lawyersラオス事務所

ラオス中央銀行(以下、中銀)は、2018年8月29日付で  仮想通貨は合法的に認められた通貨でも、決済手段でもなく、誰の管理下にもなく、様々なリスクが存在するため、投資や売買に関しては、事前に十分に情報収集する必要があると、国民に対する注意喚起を行っていました(詳細は2019年8月20日付ニュースレターをご覧ください)。

しかしながら、昨今においても、ラオス社会の中で、一部の人たちによって、外国の暗号通貨取引所(Binanceなど)を通して、仮想通貨の売買をしたり、商取引において仮想通貨で決済を行っている人たちがいることが報告されています。

そのため、中銀は2021年8月11日付(No.156)で再度、以下の通り、仮想通貨に関する注意喚起を行っています。

1.仮想通貨は、合法的に認められた通貨ではなく、決済システム法第14条に規定された、ラオスで可能な決済方法(現金、カード、小切手、送金、電子マネー)には該当しない

2.仮想通貨への投資や売買に関しては、様々なリスク、例えば、マネー・ロンダリング(資金洗浄)及びテロ資金供与リスク、価格高騰のリスク、技術的なリスク、詐欺手口として使用されるリスク)が存在するため、国民は、事前に十分に情報収集する必要がある

3.海外の暗号通貨取引所は、中銀の管理下にはないため、(その存在が)認められることはない。仮に、詐欺の被害やリスクに遭遇した場合、関係者に対して訴訟を提起することはできない点なども十分に留意する必要がある。                           

以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

2021年08月13日(金)12:48 PM

ラオスにおけるリース業法令の改正についてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

リース業法令の改正について

 


ラオスにおけるリース業法令の改正について

 

2021 年8月13日

One Asia Lawyersラオス事務所

  • 1.背景

ラオスにおけるファイナンス・リース等の金融リース業法規制としては、1999年の首相令(Decree on Financial Leasing(No11/PM))がありましたが、5、6年前から改正案に関する会議が行われてきました。そして、ようやく2021年7月2日付でリース業に関する首相令(以下、「リース業法」)が発行、2021年7月30日に官報に掲載、15日後に施行される予定となっています。

なお、すでにラオスでリース業を行っている会社は、施行後2年以内に、同リース業法に則った業務形態へ移行する必要があります。

今回は、ラオスにおける新リース業法を基礎に、対象となる取引の形態及びリース会社設立の概要をご紹介いたします。

  • 2.法律上の定義

リース業法第2条によれば、リース業とは、「機器や機械設備等のリース物件をリース会社が直接提供し、又はリース物件の調達人となり、借手に賃貸すること」と定義されています。なお、リース物件は、改正前は、目的物となり得る「動産又は不動産」と定義されていましたが、改正後は、「動産」のみとなっている点に留意が必要です(リース業法第3条4項)。

  • 3.リース業の種類について

リース会社は、以下の3種類の取引が可能となっています(リース業法第6条)。これらのいずれかを行う場合、その事業者は、リース業法の対象となります[1]

①ファイナンス・リース

②オペレーティング・リース

③ハイヤーパーチェイス[2]

リース業法第6条によれば、上記3種類の取引の特徴は次のとおりです。

種類

契約期間

所有権

維持管理

契約満期後

①   ファイナンス

・リース

中・長期

リース会社

借手(占有権、使用権)

①返却

②買取

③契約更新

(再リース)

②オペレーティング

・リース

合意した期間

リース会社

リース会社

①返却

②契約更新

(再リース)

③ハイヤーパーチェイス

合意した期間

借手(割賦払い完了後に所有権移転)

借手

所有権移転

 

  • 4.リース契約内容の概要について

リース契約の基本的な内容は以下の通りとされており、書面で作成する必要があります(リース業法第10条)。

1.リース物件の詳細、例えば、種類、年式、シリアルナンバー等

2.リース物件の価格、リース料、リース料と支払額の計算方法

3.リース期間

4.損害又は修理が必要な場合の契約条件

5.保険(もしあれば)

6.契約不履行規定及び罰則規定(もしあれば)

7.紛争解決規定

8.契約終了又は解除規定

9.その他、両者の必要合意事項

ファイナンス・リースの場合は、上記の項目以外に、金利(ハイヤーパーチェイスの場合も同様)、期限満了後のリース物件の選択肢(返却、買取、再リース)を記載する必要があります。

また、1億キープ(約10,000米ドル)以上の契約の場合は、公証役場で認証する必要があると明記されておりますので、留意が必要です(リース業法第10条)。

  • 5.契約の履行について

借手がやむを得ない理由により支払いができない場合、例えば、遠隔地へ出張、病気などの場合は、リース会社に文書で通知する必要があります。しかし、上記理由が解決した後、15日以内に、借手は、リース料の支払いを精算しなくてはなりません。

借手が、リース料を期日に従って3回続けて支払わなかった場合、リース会社は、30日以内に支払うように知らせる必要があります。借手が、上記で定めた期日以内に支払いが行われなかった場合、リース会社はリース契約を解除することができ、また、リース物件の返却を借手より受けることができます(リース業法第13条)。

  • 6.リース会社の設立について

リース業法第16条によれば、リース会社を設立しようとする者は、商工省、都・県商工局等で企業登録を行った後(一人株主会社の形態は、認められません)、ラオス中央銀行(以下、中銀)より事業許可書を取得する必要があります。事業許可取得に必要な書類の中には、実現可能性調査(Feasibility Study)をはじめ多くの書類を要求されますが、すべてラオス語で作成する必要があります。なお、通常の会社と異なり、定款は中銀より承認を受けた後に有効となりますので、ご留意頂く必要があります。

(1)登録資本金

最低登録資本金は、50億キープ(約50万米ドル)以上と規定されています。現物出資は許容されていますが、登録資本金額の10%を超えることはできません(リース業法第17条)。

(2)取締役会・取締役委員会

取締役会の役員は3人以上と規定されています。任期は3年間で、再任も可能となっています(リース業法第23条)。取締役委員会も義務化されており、マネージング・ダイレクター(MD)、副MDから構成される必要があります(リース業法第26条)。

  • 7.事業許可取得要件

企業登録後、事業許可書に必要な書類を揃えて、中銀に提出後、15日以内に審査結果が通知されます。中銀は書類の審査と同時に、申請者が以下の要件を満たしているかどうかについても審査します(リース業法第16条)。

(1)資金原が十分かつ明確であること

(2)実現可能性調査内容に説得力があり、実行可能であること

(3)役員の金融に関連する経験、知見が十分であること

(4)株主に刑事事件履歴がないこと

中銀は、申請者が上記の要件を満たし、さらに下記の要件も満たしていると判断した場合、45日以内に事業許可証を発行します。許容できる理由により、下記の要件のいずれかを満たしていない場合、中銀は、さらに45日間、要件を満たすまで猶予を与えます。

(1)登録資本金の払い込みが完了していること

(2)人員の配置がある程度整っていること

(3)事業の実施を保証する機器、技術、場所が整っていること

(4)事業の実施、監督、管理システム等内部環境が整っていること

8.最後に

2017年5月18日に中銀より、「ラオスにおける金融関連事業に関する事業ライセンスの発行一時停止」が発行され、2019年2月まで、新規会社設立のための申請書は受理しないことが通知されていました。しかしながら、許可を得ないで金融業を行っている会社(特にマイクロファイナンス事業)が多く存在し、法令を整理する必要があることから、2019年2月以降も、中銀は、金融業の事業申請書を受理しない方針にあり、いつ解除になるのか不明な状態が続いていました。しかしながら、リース業については、中銀でのヒアリングによれば、リース業法の改正及び施行により、申請書の受理および事業許可書の発行が開始される見込みとのことです。

[1] 文言上、対象となる取引は広範に及んでいますが、実務上どこまで適用対象となるかは中央銀行等の関係当局の判断によると想像されます。

[2] ハイヤーパーチェイス契約については、民法第414条から第417条においても規定が存在しております

以 上

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yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

2021年07月27日(火)6:31 PM

ラオスにおけるeコマース事業者に適用される税についてニュースレターを発行しました。

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eコマース事業者に適用される税について

 


ラオスにおけるeコマース事業者に適用される税について

 

2021 年7月27日

One Asia Lawyersラオス事務所

  • 1.背景
    電子商取引(以下、eコマース)に関する法令は、2021年4月12日付「電子商取引に関する政府令(No.296/GO)(以下、政府令)」があります(詳細は、5月31日発行のニューズレターをご覧ください)。本政府令では、eコマース事業における税務上の規定はカバーされていませんでした。
    eコマース事業に適用される税について所得税に関しては、所得税法及び2021年2月10日付「所得税法の実施に関するガイドライン(以下、ガイドライン)」の第66条から68条(個人の場合)と第69条から71条(企業の場合)に定められています。
    本ニューズレターでは、eコマースの3種類[1]の形態のうちの「ネット販売」にかかる税を中心に解説いたします。
    2. ネット販売からの収入にかかる税金
    ネット販売は、①企業登録をせずにオンラインで商品を販売する個人事業主、②すでに会社があり、ネット販売も並行して行っている事業者(法人)の二つの形態があります。これらの二つの形態に対する課税について、ガイドライン及び所得税法に以下の通り規定されています。個人事業主の場合、ネット販売からの収入を得た日から数えて15営業日以内に、所轄の税務署に申告する必要があります。
    なお、付加価値税法第11条には「電子的なシステムを通して行われるサービス・商品の提供」も付加価値税の課税対象であることが規定されています。

事業形態

税金の種類

税率

①個人事業主

ネット販売収入による個人所得税

(所得税法第34条、第38条、ガイドライン第66条)

全収入の2%

(所得税法第39条、ガイドライン第67条)

②法人

法人税

(ガイドライン第70条)

一般企業の法人税率20%

(所得税法第15条)


3. ネット販売で外国から商品を購入した場合にかかる税金

ラオス居住者が、オンラインでラオス非居住者又はラオスで企業登録していない業者から商品を購入し、その商品を空港又は郵便局で受け取る場合、支払う必要がある税金について、ガイドライン第8条2項例3に規定されています。商品の受領者が、非居住者(販売者)の業種区分に従って(所得税法第14条[2])、それぞれのみなし利益率に対する法人税相当額を支払う必要がありますので、ご留意下さい。

例えば、商品の価格1,000USD(1USD=9,800LAK)、関税率5%の場合

(ガイドライン8条例3をもとに表を作成)

                                    (単位LAK(ラオス現地通貨))

税金の種類

計算式

算出額

商品LAK額 

1,000USD×9,800LAK

9,800,000

関税 

9,800,000×5%[3]

490,000

みなし利益

(9,800,000+490,000)×15%

1,960,000

みなし法人税 

1,960,000×20%

392,000

付加価値税

(9,800,000+490,000+1,960,000)×10%

1,225,000

商品受取時に支払う税金の総額

関税+みなし法人税+付加価値税

2,107,000

 

 ラオスにおいては、個人事業主が税金を納税することは、極めて稀なことですが、今後もオンラインで商品を売買する個人の増加にともない、当局の監視の目が厳格化すると推測しています。

なお、eコマースの3種類 の形態のうちの残りの、マーケットプレイス(Electronic Marketplace)への出店及びマーケットプレイスの運営にかかる納税ルール等についての詳細な規則等は発布されておらず、今後の動向を注視して参ります。

[1] ①ネット販売(Online Ordering Function)、②マーケットプレイス(Electronic Marketplace)への出店及び③マーケットプレイスの運営 (政府令第6条)

 

[2] <所得税法第14条>

 不正確又は不完全な帳簿を保持する事業者又はラオスで設立されていない企業である非居住者は、強制粗利で計算される。強制粗利額は年間売上高にみなし利益率を乗じて計算する。業種別みなし利益率は、以下のとおり。

1) 農業及び手工業:7% 2) 工業を及び加工業:10% 3) 商業及びサービス:15%

[3] 通関時に原則として5~40%(物品により区分される)の関税が課せられる。

以 上

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2021年07月19日(月)12:17 PM

ラオスにおける電子署名についてニュースレターを発行しました。

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ラオスの電子署名について

 

ラオスにおける電子署名について

 

2021 年7月19日

One Asia Lawyersラオス事務所

1.背景

ラオスでは、2019年に電子署名法が施行され、2020年に電子署名サービス事業に関する合意が発行されています。コロナ禍において、外国人の投資家がラオスに来ることが難しい状態が続いており、電子契約等の需要は高まっています。今回は、ラオスにおける電子署名の有効性や要件等について解説いたします。

2.電子署名(Electronic Signature)とは何か

(1)電子署名の定義
電子署名とは、本人が署名していることを識別し、電子文書の内容が正しいことを証明するために電子文書に付与される電子的に作成された文字、記号、符号、数字、音等と定義されています。

(2)電子署名の種類
電子署名には、以下の3種類があります(電子署名法第8条、第9条、第10条、第12条)。
①簡易電子署名(Public Key Infrastructure(公開鍵暗号基盤、以下「PKI」)を使用しない電子署名)
②デジタル署名(PKIを使用する電子署名)
③デジタルシール(公印)

3.ラオス法上、求められる要件

電子署名法第11条及び第13条で規定される下記①から④の要件を満たしたデジタル署名及びデジタルシールであれば、紙面への直筆の署名及び捺印と同様とみなされ、ラオス法上、有効であると解されます。

①署名者本人(公印使用者の名前)を識別し、認証すること
②署名した(押印した)時間を明確に記録し、認証すること
③デジタル署名(デジタルシール)と電子文書が一定の形式で明確に紐づけられること
④電子証明書発行業者と紐づいたPKIを使用していること

なお、同法では、デジタル署名やデジタルシールが認められない例外文書についての定めはありませんが、デジタル署名は個人では、使用することができず、デジタルシールのみの使用に限定されます(電子署名法第16条)。

4.電子証明書とその発行主体について

デジタル署名を使用するためには、PKIを取得する必要があり、PKIの情報が入った電子証明書を認証局より発行してもらう必要があります(電子署名法第10条)。電子証明書とは、デジタル署名において、身元を保証する証明書を指します(電子署名法第23条)。

電子証明書の公共の発行主体は、Public Certificate Authority (認証局)と呼ばれており、技術通信省に確認したところ、その認証局として、政府から事業許可を与えられているのは、7月現時点において、Star Telecom Co., Ltd (ユニテル)1社のみとのことです 。しかしながら、ユニテル側は、公式に電子証明書を発行できる状態には至っておらず、発行できる状態になるためには、まだ一定の時間を要するとの情報もあります。

5.ラオスの現状

以上により、現時点においては、ラオスで合法的に電子署名サービスを提供できる会社は存在しない状態であります。ただ、ラオスの技術通信省は、すでにラオスで活動しているインターネットのサービスプロバイダー等に対して、認証局としての業務を打診しているとのことで、今後、認証局の準備、運用状況の動向に注目していきたいと考えます。

以 上

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2021年06月21日(月)9:51 AM

ラオス投資奨励法の明確化についてについてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

ラオス投資奨励法の明確化について

 

ラオス投資奨励法の明確化について

 

2021 年6月21日

One Asia Lawyersラオス事務所

1.背景

現行の投資奨励法は、2017年4月に改正されています(詳細は2017年4月16日付ラオス新投資奨励法の官報掲載をご覧ください)。その中で、投資が優遇される分野及び地域に関して、それぞれ第9条及び第10条に規定されています。また、対象分野と地域へ投資する企業に対する法人税の免税措置及び政府の土地リース料又は土地コンセッション料の免税措置については、第11条及び第15条に規定されています。

しかしながら、投資奨励法第9条に記載の投資が優遇される9つの分野については、「ハイテク」、「クリーン農業」、「環境にやさしい」、「近代化」等といった具体性に欠ける表現が多く、どのような業種が該当するのか、分からない状態でした。さらに、投資奨励法第10条に記載の投資が優遇される地域については、「貧困地域」、「遠隔地域」、「利便性が低い」など、曖昧な表現となっており、明確に地域を特定することができませんでした。

そのため、今回、計画投資省から発行された「法人税、政府の土地リース料又は土地コンセッション投資奨励優遇措置に関するガイドライン(No.0760/MPI)(以下、ガイドライン)」は、上記のとおり特定できなかった9つの分野をラオス独自の産業分類コード(LSIC)[1]にあてはめて、リスト化することで、具体的な業種名が特定できるようになりました。地域については、各県にあるすべての郡を地域1[2]と地域2[3]に分けて、リスト化することで、企業が投資している地域が、どのような優遇措置を受けることができるのか、把握することができるようになりました。

 また、投資奨励優遇を受けるための手続きに関しての規定が投資奨励法にはありませんでしたので、具体的な手続き方法等がガイドラインの中で新たに規定されています。

同ガイドラインは、官報掲載(2021年5月28日)15日後から施行されています。

 2.投資優遇を受けるための前提条件

  投資奨励法及び同ガイドラインによれば、投資優遇措置を受けることができる前提条件は以下の通りとなっています。なお、以下の前提提条件に関しては、投資奨励法から特段変更はありません。

1)投資奨励法第9条及びガイドラインの別添リストに掲載されている分野に対して投資をする企業であること

2)12 億キープ(約 15万ドル)以上の投資総額、又は ラオス人技術者 30 人以上もしくは少なくとも1年以上の雇用契約を結ぶラオス人労働者を 50 名以上を雇用すること

3)投資奨励法第53条及び54条に従い、登録資本金の払込みをしていること

4)ラオスの法令に従って、事業を合法的に行い、関税、税金支払及びその他の法的義務を果たしていること

5)ラオスの法令に従い環境に十分に配慮してビジネスを行っていること

 3.投資奨励優遇分野

  投資奨励法第9条で規定された投資が奨励されている9つの分野に基づき、具体的な事業がラオスの産業分類コード(LSIC)にあてはめて、リスト化されており、対象業種が明確化されています。

 

投資奨励法第9条に基づく奨励分野

事業数

LSIC[4]

高度で最先端な技術、科学研究、研究および開発、テクノロジーの使用、環境に優しい天然資源エネルギーに関する事業

39

2431, 2432, 2610, 2620, 2631, 2640, 2660, 2670, 2710, 2720, 2731~33, 2740, 2750, 2811~16, 2819, 2821~26, 2910, 2920, 3091,

クリーンな農業、無農薬、品種生産、家畜改良、工芸作物栽培、森林開発、環境保護および生物多様性の保全、地方開発、貧困削減に資する事業

26

0111~14, 0116, 0121~23, 0126~30, 0141, 0142, 0144~46, 0149, 0322, 21009, 1080, 72102

環境に優しい農業生産物の加工、国の伝統・独自の加工品、手工芸品の生産

16

1021, 1031, 1041, 1051, 1062, 1072,

1311~13, 1391~93, 1411, 1430, 1629

2012

環境に優しく持続可能な自然、文化、歴史観光産業

2

55101

教育、スポーツ、人材開発(人的資源開発)、職業技術、職業訓練所、教材およびスポーツ用品の生産

9

3220, 3230, 8510, 8521, 8522, 8530, 8541, 8542

高度な医療施設、医薬品、および医療器具製造工場、伝統医薬品の製造と治療

5

8610, 2100, 3250

都市の渋滞緩和、居住地域整備のための公共サービス・インフラ施設への投資運営開 発、農業、工業用インフラ建設、商品輸送サービス、越境サービス

7

4921~23, 41002, 3011~12, 5021~22

銀行融資を受けることが難しい貧困地域およびコミュニティに対する貧困解決のための政策的銀行業務、マイクロファイナンス事業

1

 

国内製造および世界的に有名なブランドの販売促進のための近代ショッピングセンター開発運営、工業、手工芸品、農業分野の展示場の開発運営

2

 

4.投資奨励優遇地域

 投資奨励法には、地域1と地域2の定義しか書かれていませんでしたが、ガイドラインでは具体的にどの郡がどの地域に分類されるのか、下記の表のようにリスト化され、該当地域が明確化されました。

 

県名

地域1(郡の名前)

地域2

地域3

首都ヴィエンチャン

 

全部の郡

経済特区

ポンサリー

マイ

サムパン

ニョートウー

地域1以外の郡

ルアンナムター

 

全部の郡

ウドムサイ

ガー

地域1以外の郡

ボーケーオ

 

全部の郡

ルアンパバーン

ポーンサイ

パークセーン

ウィアンカム

ポーントーン

地域1以外の郡

フアパン

フアムアン

ヒアム(ウィアントーン)

 

地域1以外の郡

サイニャブリ―

サイサターン

地域1以外の郡

シェンクワン

ノーンヘート

モーク

地域1以外の郡

ヴィエンチャン

 

全部の郡

ボーリカムサイ

サイチャムポーン

地域1以外の郡

カムムアン

 

全部の郡

サワンナケート

ノーン

セポーン

地域1以外の郡

サラワン

ターオーイ

サムアイ

地域1以外の郡

セーコーン

ラルーム

ダークチュン

地域1以外の郡

チャムパサック

 

地域1以外の郡

アッタプー

サームサイ

地域1以外の郡

サイソンブーン

タートーム

地域1以外の郡

5.投資奨励許可証について

 投資奨励法には、投資優遇措置を受けるための具体的な手続きについては規定がありませんでした。同ガイドラインでは、優遇措置が許可された企業に対して発行される「投資奨励書」のサンプルが添付されています。その投資奨励書を取得するために必要な書類は、以下の通りです(ガイドライン2.3条)。

1. 企業からの申請書

2.投資許可証(もしあれば)、企業登録証書、事業許可証、納税証明書及び土地リース契約書又はコンセッション契約書(もしあれば)のコピー

3.登録資本金輸入許可証(現物の場合もその証拠書類)のコピー

4.環境評価証明書

5.関連機関から承認された経済技術的評価調査書又は事業計画書のコピー

6.その他関連書類

 上記書類を揃えて、計画投資省又は県・都の計画投資局へ提出し、関連する機関から意見を求めた後に、ワンストップサービスから「投資奨励書」が発行されます。書類の審査から投資奨励書の取得にかかる時間は、1ヶ月と規定しています(ガイドライン第2.4条)。

 なお、ラオス政府との大規模なコンセッション事業で、投資奨励優遇措置を与えることを国民議会が承認した決議書がある場合は、再度「投資奨励書」を取得する必要はありません。

 

[1]ラオスには、国際標準産業分類コード(ISIC)を基礎として、ラオスの産業構造に当てはめた、ラオス独自の産業分類コード(LSIC)が存在します。

[2] <地域 1> 貧困地域、遠隔地、投資に対する社会経済のインフラが整備されていない地域への投資。分野によっては、最大で15年間法人税及び政府の土地リース料が免税される(投資奨励法第11条及び15条)。

[3] <地域 2> 社会経済インフラの整備がある程度進んでいる地域への投資 。分野によっては、最大で7年間法人税が免除され、政府の土地リース料が最大8年間免除される(投資奨励法第11条及び15条)。

 

[4] LSICは、商工業省企業登録管理局の次のURLから(http://www.erm.gov.la/index.php/en/registration/lsic-codes-en)検索することができます。

以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。
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2021年06月04日(金)11:51 AM

ラオスにおける金融関連規制についてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

金融関連規制について

 

ラオスにおける金融関連規制について

 

2021 年6月4日

One Asia Lawyersラオス事務所

  • 今回は、 弊所にてよく質問を受ける金融関連規制についてQ&A形式で解説しております。 

    Q1.金融機関が定める上限金利はありますか?

     金利に関しては、以下の通り、民法に定めがあります。

    <民法第431条の規定>

    利子の計算に関する合意がある場合 、 合法的に登記された商業銀行またはその他の金融機関からの借り入れに対する利子 は、貸与した商業銀行または金融機関の規則 に従って履行しなければならない。 商業銀行またはその他の金融機関 以外からの借り入れにおいては 、 利子の計算は 年率 36% を 超えてはならない 。

    しかしながら、民法によると、商業銀行またはその他の金融機関は、各金融機関の規則に従うと書かれているのみで、具体的な上限は書かれていません。そこで、ラオス中央銀行(以下、BOL)に金融機関の金利に関する規定を問い合わせたところ、マイクロファイナンス業(以下、MFI)に関しては、以下の二つの通知に準ずるとの回答を得ています。

    なお、リース業につきましては、上限金利に関する規定は存在していないとの回答を得ております。従いまして、特段の例外的な許可等がない場合は、民法第431条が適用されると考えます。

    1.2020年5月20日 BOL合意(No319)
    MFIの上限金利は、商業銀行の年間金利の平均値の4倍を超えないこと。

    2.2021年1月6日付 BOLのMFI管理局からの通知(No03)
    ①商業銀行の年間金利平均値は、9.82%
    ②MFIの年間金利は、39.28%/ (9.82%×4倍)を超えないこと。
     月間金利は、3.27% (39.28÷12カ月)を超えないこと。

    上記金利は、2021年1月1日から2021年6月30日まで有効となっており、半年ごとに更新されます。上記規定に違反した場合の罰則については、指導、警告、罰金、さらに3回目の警告でも改善されない場合は、事業の停止又は事業許可のはく奪の可能性もあります。

    Q2 ラオスでは、複利は禁止されていますか?

    民法に「消費貸借については、利子を元本に組み入れることはできない」という規定があります。この意味は、当初の元本に対してのみ、利息が計算される方法ではなく、一定期間ごとの利息を元本と合算させた元本に対して利息を計算する行為、すなわち「複利」のことを指していますので、複利は禁止されていると解釈されます。
    なぜ、ラオスでは複利が禁止されているかという点につきまして、民法典の草案にかかわった専門家に確認したところ、ラオスは、高利貸しが社会問題化している背景があり、金融機関等の債権者の経済取引の自由の保護といった観点からではなく、債務者の保護に重点を置いていおり、そのような態度は、ラオスの政治体制や文化に根差しているのではないかとのコメントを得ています。

    Q3 担保権を有する物を売却するときには、売却価格等を債務者等に事前に通知する必要がありますか?

    2011年に発行された「契約履行担保法の実施に関する首相令(No178 )」 第43条に担保権を有する動産の処分等についての規定が以下の通りあります。

    「合法的に占有した担保財産を担保契約に従い、売却、貸与又は購入する場合その10日前までに、債務者等に通知する必要がある。但し、劣化が早い財産については、通知する必要はない。なお、民事裁判の場合は、判決に従うことになる」

    なお、不動産の場合、債務者への通知は、15日前までとなります(第67条)。


    Q4 ラオスで不動産の担保提供を契約書に明示する場合、何を記載すれば特定できますか?

    民法第522 条に 「担保に供する物は、契約において特定される形で記載しなければなら
    ない」とありますが、具体的に何を明示すれば、特定されるのかは、明言されておりません。
    この点、現在のラオス実務では、土地の場合、少なくても土地権原書(バイターディン)に記載されている情報 を最低限書く必要があり、それに加え、土地の価格、土地の上のある建物、木の情報など、情報は多ければ多いほどよいとされています。
    特定の観点からいえば、対象となるバイターディンを別添するだけでも十分のように思われますが、ラオスは土地に関するいろいろな問題が存在しているため、できる限りの情報を記載することが推奨されます。
    また、借地の場合は、所有者(地主)との契約書のコピーや地主からの合意書を添付することも重要となります。
    なお、土地を担保とする場合は、担保契約書とバイターディンを天然資源環境省で登録する必要があります。土地の上に建つ建物や家のみを担保にすることは、登記制度がないため 、問題が生じる可能性が高く、必ず土地と建物はセットで担保設定するよう、留意する必要があります。

以 上

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yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

2021年05月31日(月)6:25 PM

ラオスにおけるeコマース事業についてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

eコマース事業について

 

ラオスにおけるeコマース事業について

 

2021 年5月31日

One Asia Lawyersラオス事務所

  • 1.背景
  • 新型コロナウイルス感染症の拡大により、ラオスにおいてもレストラン、カフェなどの飲食店やスーパーマーケットなどは、オンラインで注文を受け、デリバリーする形態が増えてきました。

インターネットの普及に応じて、さまざまな取引が電子化されつつありますが、ラオスにおいて、それらを導入・管理するための法令は、消費者保護法(2010)、電子取引法(2012)、コンピューター犯罪防止法(2015)、情報通信技術法(2016)、電子決済システム法(2017)[1],電子情報保護法(2017)、電子署名法(2018)などがあります。

今回、発行された2021年4月12日付「電子商取引に関する政府令(No.296/GO)(以下、政府令)」は、上記の法令ではカバーされていない電子商取引(以下、eコマース)に関して、主に、事業許可の取得及び電子契約について規定されています。

 本ニュースレターでは、eコマースの導入部分について解説いたします。

2. eコマースの形態(政府令第6条)

eコマースの形態は下記の通り3種類あります。

①ネット販売(Online Ordering Function)

②マーケットプレイス(Electronic Marketplace)への出店

③マーケットプレイスの運営

3. eコマース事業承認証明書の取得(政府令第10条から13条)

上記①及び②の事業を行う場合は、ラオスにおいて会社を設立する必要はありませんが、商工業省へ下記に記載する書類を揃えて、通知する必要があります。すでに、事業を実施している個人、法人は、同政府令の施行日(2021年6月5日)から90日以内に、商工業省へ通知しなくては、なりません。通知を怠った場合は、何らかの指導を受けることになります。

通知に必要な書類は以下の通りです。

<法人の場合>

①商工業省所定の申請書

②企業登録書の写し(ただし、会社法上、登記する必要のない事業体は除く)

③事業許可証の写し(事業許可証の取得が義務付けられている事業分野の場合)

④ラオス国内の決済サービス利用証明書の写し

<個人の場合>

①商工業省所定の申請書

②IDカードまたはパスポートの写し

③住所証明証

④ラオス国内の決済サービス利用証明書の写し

上記の書類をすべて揃えて、商工業省へ提出後、3営業日以内に、「eコマース事業承認証明書」が発行されます。同証明書の有効期間は2年間で、有効期限が切れる30日前に更新することが可能です。

4. eコマース事業許可証の取得(政府令第9条、14条から17条)

  マーケットプレイスを運営する場合、法人であることが前提となります。外国の個人、法人がラオスで事業を行う場合、外資規制があり、最大90%まで株式を保有することが可能です。また、登録資本金は、100億キープ(約1億1600万円)と規定されています。

事業を実施するためには「eコマース事業許可証」を企業登録書とは別に商工業省から取得する必要があります。すでに、事業を実施している法人は、同政府令の施行日(2021年6月5日)から90日以内に、商工業省へ申請する必要があります。事業許可証を取得せずに、事業を行った場合は、法律に基づき何らかの指導を受けることになりますので留意が必要です。

事業許可証取得に必要な書類は以下の通りです。

 ①商工業省所定の申請書

②企業登録書の写し

③事業計画書

④インターネット技術証明書

③事業許可証の写し(事業許可証の取得が義務付けられている事業分野の場合)

④ラオス国内の決済サービス利用証明書の写し

⑤ラオス中央銀行が規定した特別規則に基づいた電子決済サービス利用許可書

 上記の書類をすべて揃えて、商工業省へ提出後、5営業日以内に、「eコマース事業許可書」が発行されます。同許可書は3年間有効で、有効期限が切れる30日前に更新することが可能です。

5. 電子署名に関して

 eコマースで必須となるのが、電子認証や電子署名ですが、同政府令の中では、電子署名に関しては触れられていません。ラオスでは、2019年に電子署名法が施行されており、今年3月に郵便・通信省が中心となって、同法律を普及させるための会議を開催しています。ラオス政府のE-government system projectに対して、技術支援をしている、大手通信会社スターテレコム(ユニテル)が電子署名に関しても高い技術を持っているため、この分野に貢献できることをアピールしています。なお、ラオスにおける電子署名については、次回のニュースレターにて執筆予定です。

6.所得税について

eコマース事業に関する税については、同政府令では明確に定められておらず、所得税に関して2021年2月10日付「所得税法の実施に関するガイドライン」の第66条から68条(個人の場合)と第69条から71条(企業の場合)に定められています。eコーマスと税金の問題については、ラオスのみならず、各国で問題になっておりますので、ラオス政府の方針や新たな通達等も含めて、動向を注視したいと思います。

[1] 電子決済サービスに関するニュースレターはこちらから(https://oneasia.legal/3922

以 上

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2021年04月23日(金)3:49 PM

ラオスにおける新型コロナウイルスの状況についてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

新型コロナウイルスの状況について

 

ラオスにおける新型コロナウイルスの状況について

 

2021年4月23日

One Asia Lawyers ラオス事務所

1.ラオスの状況

ラオスは、アセアン諸国の中でも最もコロナの感染拡大を抑え込んでいる国となっております。感染者のほとんどが海外からの入国者であり、14日間の隔離期間中に陽性と判明されるケースであり、市中感染の報告は、約1年ぐらいありませんでした。

しかしながら、ラオスの正月(4月14日から16日)に入る直前に、コロナに感染したタイ人がラオスへ不法入国後、ヴィエンチャン市内のカラオケ店、マッサージ屋さん、ナイトクラブ、レストラン等多くの場所に立ち寄ったことから、そこから市中感染とクラスターが発生しています。

4月20日から23日の間に、上記の濃厚接触者94人の感染が確認され、過去最も多く感染者が確認されました。ラオス政府はこれを受け、特にタイとの国境を流れるメコン川に巡視船を出し、不法入国に対する取締りを強化し始めました。

不法入国をする者は、外国人のみならず、タイなどの近隣諸国へ出稼ぎに出ていたラオス人がラオスに戻ってくる際に、14日間の隔離を逃れるために、不法入国するケースも多くなっています。

また、これを機に、ワクチン接種へ行くラオス人が増えているようですが、順番を待たずに我先へと列に割り込み秩序を乱す人がいるとの報告もあります。

2.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策への包括的な規制強化に関する首相命令(No.15/PM/VTE)

2021年4月21日付にて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策への包括的な規制強化に関する首相命令(No.15)が出され、4月22日から5月5日まで首都ヴィエンチャンはロックダウンの期間に入っています。

首都に居住している者が他県への移動することは禁止されています。他県に居住している者が、通勤以外で首都への移動することも禁止されています(COVID-19特別委員会から許可された者や運輸等の場合は、除きます)。

また、エンターテイメント施設、カラオケ、居酒屋、インターネットカフェ、マッサージスパ、ビリヤード場、屋内スポーツ施設を閉鎖することは、もちろんですが、教育施設も閉鎖する通知が別途教育スポーツ省から発出されています。

大規模事業、工場工房、銀行、金融機関、証券市場、証券会社、病院、ヘルスポスト、薬局、レスキュー隊、郵便、通信、電気、水道、レストラン、カフェ、ホテル・リゾートは、営業が許可されています。

その他は、職場はできる限り交代制として人数を減らし、日用品の購入、通院等以外は、基本的に外出禁止とされています。なお、20名以上が集まる集会、会議、イベントも禁止されています。

首都ヴィエンチャンのみならず、全国的に感染者が増えてきていますので、ラオスにおいてもwith Coronaの生活を意識する必要が出てきています。

以 上

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2021年04月19日(月)12:12 PM

ラオスにおける会計・監査法人の事業許可及び監査役についてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

会計・監査法人の事業許可及び監査役について

 

ラオスにおける会計・監査法人の事業許可及び監査役について

 

2021 年4月19日

One Asia Lawyersラオス事務所

  • 1.背景

会計・監査業務は、2019年にラオス政府が定めた14分野11業種のネガティブ事業[1]リスト内の業種に該当し、事業を始めるためには、企業登録の前に、計画投資省のワンストップサービスにおいて、投資許可を取得することが義務付けられています。

会計・監査業務については、2014年7月22日付「独立監査法 (Law on Independent Audit )」に規定されています。今回に財務省より発行された2021年2月16日付「会計・監査法人の事業許可及び監査役[2] (Statutory Auditor)に関する合意(No.0875)」は、2014年の一時的なガイドライン(No.007)にとってかわるものであり、2019年のネガティブリスト改正の内容と整合性をとるために発行されました。

会社設立や業務内容に関する詳細な規定は独立監査法を見る必要がありますが、同法には、外国の監査法人に対する要件が記載されていませんので、それらを中心に解説いたします。

2. 会計事務所の事業許可要件(合意第6条)

 会計業務の事業許可書を取得しようとする個人及び法人は、次の条件を満たす必要があります。

①公認会計士であること

②The Lao Chamber of Professional Accountants and Auditorsのメンバーであること

③公務員でないこと、他の会社の経営者、株主及び社員でないこと

④財務・会計上で犯罪歴がないこと

⑤上級の会計担当者が少なくとも3人以上いること

⑥過去に会計・監査業事業許可証を剥奪されたことがないこと

3. 監査法人の事業許可要件(合意第7条)

 ※①から④は上記、会計事務所と同じ要件

⑤外国人である場合、公認会計士、会計事務所、監査法人のその国の資格証明があること

⑥個人経営である場合、公認会計士が少なくとも2人以上、上級の会計担当職員が数名いること

⑦全株主の5分の3以上が、公認会計士であること

⑧過去に会計・監査業事業許可証を剥奪されたことがないこと

外国の監査法人の場合、上記①から⑧に加えて、次の条件を満たす必要があります。

①グループ会社又は親会社の経営が安定していること

②支店又は代表事務所のマネージング・ダイレクターは、独立監査法に則った公認会計士

であること

③親会社からの支店又は代表事務所設立に関する委任状があること

④労働関連法に基づき専門家等の人員を配置させること

4. 監査役の要件

 監査役は、公認会計士である必要があり、監査法人のマネージング・ダイレクター又は監査業務執行責任者[3] (Engagement Partner)である必要があります(合意第8条)。

5. 会計・監査事業における事業許可取得手続き

 計画投資省において投資許可証を取得し、商工業省において企業登録が完了したのち、以下の書類を揃て、事業許可証を財務省より取得する必要があります(合意第10条)。完全に揃った書類を財務省が受理した後、10営業日以内に事業許可証が発行されると規定されています(合意第12条)。

①財務省所定の申請書

②公認会計士資格証明証の写し

③会計士の経歴書

④公務員または会社の社員の場合は、退職証明証

⑤The Lao Chamber of Professional Accountants and Auditorsの会員証の写し

⑥IDカード又はパスポートの写し

⑦マネージング・ダイレクターの顔写真(3㎝×4㎝) 2枚

外国の監査法人である場合、上記①から⑦に加え下記の書類が必要となります。

①親会社の過去の実績報告書

②親会社からの支店設立に関する委任状

③親会社からのラオスに常駐する責任者の選任レター

なお、監査法人のマネージング・ダイレクター又は監査業務執行責任者は、事業許可証を取得後30日以内に、必要な書類を揃えて、監査役としての認証を財務省より受ける必要があります(合意第13条)。認証に必要な書類は以下の通りです(合意11条)。

①財務省所定の申請書

②公認会計士資格証明証の写し

③The Lao Chamber of Professional Accountants and Auditorsの会員証の写し

④所属している会社からのマネージング・ダイレクター又は監査業務執行責任者であることを  

証明するレター

⑤監査法人の事業許可証の写し

⑥IDカード又はパスポートの写し

⑦3カ月以内に撮影した顔写真(3㎝×4㎝) 2枚

 

[1] 2019年2月26日付ニュースレターにおいて解説。

[2] A Statutory Auditor is an auditor eligible for signing an auditor’s report on behalf of the audit firm.(Article 3, Law on Independent Audit,)

[3] An Engagement Partner is a partner in the audit firm who is responsible for carrying on the engagement and its performance and for the auditor’s report issued on behalf of the firm. (Article 3, Law on Independent Audit,)

 

 

以 上

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2021年04月19日(月)12:07 PM

ラオスにおける外国人労働者の入国許可についてニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

外国人労働者の入国許可について

 

ラオスにおける外国人労働者の入国許可について

 

2021 年4月19日

One Asia Lawyersラオス事務所

  • 1.背景

2021年1月に「ラオスにおける外国人出入国管理に関する罰則規定」が発行されていますが、それに続いて、2021年2月23日付で「外国人労働者のラオスへの入国許可に関する労働社会福祉省大臣による合意(以下、合意)」が発行されています。

今回発行された合意は、2007年の合意の改正であり、2013年に労働法が改正されているため、その内容と整合性をとったかたちとなっています。従って、本合意の内容は、労働法の外国人労働者の入国について規定している第41条から第45条の内容に基づいています。

 一度、労働許可証を取得してしまうと、あまり気に留めることがない規定でもありますが、今回は、特に見落としがちな外国人労働者に関する規定をご紹介いたします。

なお、同合意は、外交官、各国の代表団とその家族、会議・研修参加者、事業許可証に記名されている投資家、国連・国際機関の職員等は適用の範囲外となっています。

2. 外国人労働者の要件について

 原則、外国人労働者は、ラオス人では技能が満たされないポジションの補完のため、ラオス人への技能の指導、移転のためにラオスで働くことが許可されています。

(1)条件

ラオスで働く外国人は、20歳以上、職位に応じたスキルと専門的能力があり、犯罪歴がなく、健康である者と規定されています(合意第7条)。

(2)責務

ラオスの社会保障基金に加入すること、納税すること、ラオス人へ技能を引き継ぐことなど(合意第9条)

(3)労働許可期間

雇用契約に基づき、1か月、3か月、6か月、12か月の期間(労働許可証の有効期間)働くことが可能となっています。また、5年を上限として、1回につき最大12か月の延長が可能と規定されています。

外国人労働者は、最長5年間ラオスで働いたのち、新たな職場で雇用される場合、いったん母国へ帰国しなくてはなりません。帰国してから30日後に、必要な手続きを経て、ラオスでの新たな雇用先での労働が認められます(合意第10条)。但し、雇用者が5年を超えて、継続して外国人労働者を雇用する必要があると判断した場合、雇用契約に基づき外国人労働者を雇用することが可能となっています(労働者は帰国する必要はありません)。

3. 外国人労働者の入国許可について

使用者は、事業所内における人材配置計画を作成する際、ラオス人労働者を優先する必要があります。ただし、その需要をラオス人労働者で満たすことができない場合には、使用者は、外国人労働者の使用を労働監督機関に申請する権利を有します。

(1)クオーター制(合意第17条)

事業所内の外国人労働者受入れ比率は、次の規定に従う必要があります。

ア) 肉体労働を行う技術専門家は、事業所内の全ラオス人労働者数の15%

イ) 頭脳労働を行う技術専門家は、事業所内の全ラオス人労働者数の25%

なお、クオーターは、1年間に何度でも申請可能であり、許可書発行日から同年12月31日までの最大1年間有効となっています。12月31日までに入国しなかった場合は、再度クオーターの取得申請をする必要があります(合意第21条)。申請から許可取得まで、15営業日と規定されています。

クオーター取得後に、外国人の入国許可申請を別途行う必要があり、申請後3営業日で入国許可書が発行されます(合意第38条)。

(2)労働許可証

外国人労働者は、ラオスに入国後30日以内に労働許可証を取得する必要があります(合意第25条)。30日以内に取得しいていないことが、発覚した場合は、超過1日つき一人50,000キープ(約500円)の罰金が科せられます(合意第41条)。ラオスでの雇用期間が終了し、母国へ帰国又は第三国へ行く場合は、労働許可証を管轄機関へ返却する必要があります(合意第39条)。

その他、外国人労働者は、治安維持省より滞在許可証を取得し、外務省よりLAB2ビザ(労働ビザ)を取得する必要があります(合意第23条)。

 

以 上

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