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2024年03月02日(土)3:44 PM

ラオスにおける海外のDigital Platform (Eコマース)事業者に課せられる付加価値税について
のニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

EコマースVAT納税義務

 

ラオス:海外のDigital Platform (Eコマース)
事業者に課せられる付加価値税について

2024年3月2日
One Asia Lawyers Groupラオス事務所

1.背景

2021年4月に施行された「電子商取引に関する政府令(No.296)」(詳細は、ニューズレターをご覧ください)では、電子商取引(以下「eコマース」)事業における税務上の規定はカバーされておらず、eコマース事業に適用される税については、2022年2月24日財務省発行「非居住者のデジタルプラットフォームおよびEコマースサービス事業者に対する納税義務の実施に関する通知(No0541)(以下、「No0541」)」に規定されています(詳細はニューズレターをご覧ください)。

今回、財務省はNo0541の一部を改正したガイドライン「海外からのデジタル商品及びデジタルプラットフォーム又はeコマース提供者の付加価値税の納税義務の実施に関するガイドライン(No0558)(以下、「ガイドライン」)」を2024年2月14日に発行し、2024年8月1日より、施行予定です。

2.VATの登録について

(1)VAT登録対象者

No0541では、「ラオス国内のユーザーからの収入が年間 4億 キープ(約 20,000 米ドル)を超えるデジタルプラットフォーム事業者は、VAT 登録が必要となる」と規定されています。

一方、ガイドラインでは、海外からのデジタル商品提供者及びデジタルプラットフォーム事業者又はeコマース事業者(以下、「非居住Eコマース事業者」)は、「ラオス国内の利用者から収入を得た場合、VATに登録する必要がある」と改正されています(ガイドライン3)ので、収入の額を問わず、VATの登録が必要となります。

デジタル商品およびサービスがデジタルプラットフォーム事業者を通じて提供される場合 、デジタル・プラットフォーム事業者が、商品・サービスの提供者とみなされ、海外又はラオス国内のデジタル商品・サービス提供者に代わって、VATを納税する必要があります(ガイドライン3)。

なお、VAT登録をした非居住Eコマース事業者は、2024年8月1日より、ラオス国内のサービス利用者からVATを徴収することが義務付けられています(ガイドライン3.4)。

(2)登録方法について

ラオスに居住しておらず、企業登録をしていない海外の個人、法人及び団体は、財務省が開発した電子システムDigital Tax Service System (DTax System) (http://taxservice.mof.gov.la )へアクセスし、VATのオンライン登録をすることができます。このDTax System上で、VATの申告、銀行とリンクしたシステムによる支払い、支払いの確認、各種情報の訂正等も可能となります(ガイドライン4.(6)(7))。なお、DTaxSystemへの登録は、2024年5月から開始される予定です(ガイドライン13.(4))。

 (3)VATへの登録免除について

新聞、雑誌、教科書を電子形式(e-books)で販売する場合、VATが免除され、また、海外からの電子書籍には、VATは課税されず、電子書籍(e-books)の事業者は、VATへの登録する必要はありません(ガイドライン4.(2))。

3. VATの納税について

(1)課税基礎

VATは、デジタル商品の価格やサービス料に手数料(ある場合)を含めた合計の額に対して課税されます(ガイドライン4.(6))。なお、税率はラオス国内で適用されている税率となります(ガイドライン4.(7))。

(2)電子VATインボイス

ラオス国内の個人に対してデジタル商品やサービスを提供した場合、電子VATインボイスを発行する必要はなく、納税時に、又は税務署から要求された時に、情報を提供することになります。

他方、ラオス国内の法人にデジタル商品やサービを提供した場合、電子VATインボイスを発行する必要があります(ガイドライン9.(1)(2))。なお、通貨は、USD、EUR、CNYのいずれかを使用することが可能です。電子インボイス等の会計書類は、10年間保管する必要があります(ガイドライン9.(2))。

(3)VAT申告の時期

VATの申告は、下記の通り、年に3回と規定されています(ガイドライン10)。

① 1月から4月分は、翌月5月に申告

② 5月から8月分は、翌月9月に申告

③ 9月から12月分は、翌年1月に申告

(4)VATの控除と還付

非居住Eコマース事業者はインプットVATを控除することはできません(ガイドライン12)。なお、VATが還付されるのは、原則注文がキャンセルになった場合やシステム上のエラーが生じた場合のみです。

4.罰則規定

 納税申告が遅れた場合、警告、電子システムによる罰金が以下のとおり、科せられます。
1)  VAT の支払いが遅れた場合、四半期ごとに 800 米ドルの罰金が科せられます。

2)  未払いのVATの額に対して 1 日あたり 0.1% の罰金が科せられます。
3)  催促応じなかった場合に、以下の通り罰金が科せられます。

-1 回目の催促に応じなかった場合、支払わなければならないVATの 30% の罰金が科せられます。

– 2 回目の催促に応じなかった場合、支払わなければならないVATの 60% の罰金が科せられます。

– 3 回目の催促に応じなかった場合、支払わなければならないVATの 100% の罰金が科せられます。

 4) 通信技術の担当部署に対して、デジタル商品やサービスのオンライン上の提供を一時的に停止または停止するよう提案します。

 5) ケースに応じて、銀行に対して、決済サービス事業者の支払いツールを一時的または永久的に停止するよう提案します。

                                          以上

 

 

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

 

2024年01月30日(火)11:35 AM

非銀行金融機関(ノンバンク)に向けた通知についてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

ノンバンク通知

 

ラオス: 非銀行金融機関に向けた通知

2024年1月30日
One Asia Lawyers Groupラオス事務所

1.背景

ラオス中央銀行の非銀行金融機関管理局(NON BANK FINANCIAL INSTITUTION SUPERVISION DEPARTMENT(以下、「中銀」)より、ラオス国内の非銀行金融機関(以下、「ノンバンク」)に宛てて、以下の二つの通知が出されました。

(1)2024年1月10日付「ノンバンクの株式譲渡申請書類に関する指示書 (No.64)」

(2)2024年1月16日付「ノンバンクの国内外の金融機関からの借入れ申請書類に関する指示書(No.95)」

中銀は、ノンバンクについては、株主の情報や財政状況に関して特に厳しく管理しており、株主の変更や資金調達方法に関しては、独自の規定が存在し、中銀より事前に承認を得る必要があります。今回中銀は、ノンバンクが、株式譲渡や借入申請を中銀へ行うときに必要な書類を明示し、承認プロセスの効率化を図ることを目的として、この二つの指示書を発行しました。

なお、ノンバンクとは、マイクロファイナンス業(預金型・非預金型)、質屋、リース業、貯蓄信用組合を指します(2019年2月12日付「ノンバンクの事業通貨はキープのみとする通知」)。

2.株式譲渡申請について

ノンバンクが第三者に株式を譲渡する場合に、中銀へ提出する必要書類は以下のとおり、規定されています。外国語で作成された書面は、すべてラオス語へ翻訳し、翻訳会社からの認証が必要と規定されています。なお、写しの場合はカラーコピーとし、それ以外の書類は、すべて原本が必要です。

(1)株式の一部を譲渡する場合

①株式譲渡申請レター(記載内容:株式譲渡理由、譲渡人及び譲受人の情報、譲渡株式数、

譲渡の対価、株式譲渡前と後の株主情報と株式数など一覧表)

②定期的に法令で規定する書類提出にかかる手数料の支払い証明証

③株主総会決議書

④資金源及び株主について審査することを許可する中銀宛のレター

⑤資金源の証明書の写し

⑥Bank Statement(銀行またはその他金融機関発行)

⑦財産、債務申告書(中銀所定の書式)

⑧登録資本金、株主情報及び株式数に関する条項を修正した定款のドラフト

⑨申請を代理人が行う場合は委任状

⑩その他関連書類

(2)全株式を譲渡する場合

会社のすべての株式を譲渡する場合は、上記①から⑩の書類に加えて、「経済技術分析報告書(中銀所定の書式)」を提出する必要があります。

(3)事業所及び会社構成に変更があった場合

例えば、取締役会委員、内部又は取締役監査委員に変更が生じた場合は、関連する法令   に従い、必要書類を準備すること。

(4)個人への株式譲渡の場合

譲受人の個人がラオス人の場合と外国人の場合とでは、下記の通り必要書類が異なります。

ラオス人の場合

外国人の場合

村役場が認証した履歴書(中銀所定の書式)

履歴書(中銀所定の書式)

住所証明書

パスポートの写し

無犯罪証明書

無犯罪証明書又は類似する権限を持つ当局が承認した証明書

身分証明書の写し

滞在許可証(ラオスに居住している場合)の写し

パスポート/ファミリーブックの写し

労働許可証(ラオスで働いている場合)の写し

(5)法人による株式譲渡の場合

 譲渡先の株主が法人の場合、中銀へ必要な申請書類は以下の通りです。

①企業登録書(Enterprise Registration Certificate)又は事業許可証(Business Operation License)の写し

②法人が公開会社の場合、管理人から認証された書類の写し

③納税証明書の写し

④外部監査報告書(直近の年度のもの)の写し

 ⑤財政報告書(現在までのものすべて)の写し

⑥法人(株主)代表者をノンバンクの株主代表者へ選任する任命状の写し

以上の①から⑥に加え、法人の代表者に関する必要書類は以下のとおりです。

①法人代表者の履歴書(中銀所定の書式)

②住所証明書

③無犯罪証明書

④身分証明書の写し

⑤ファミリーブックの写し

⑥パスポート(外国人の場合)の写し

⑦法人の代表者が外国籍である場合、無犯罪証明書又は権限のある当局が発行した類似の書類でも可能

3.ノンバンクの国内外からの借入れについて

(1)借入申請に必要な書類について

ノンバンクが、国内外の金融機関から借入をする場合に、中銀へ提出する申請書類は以下の通りです。外国語で作成された書面は、すべてラオス語へ翻訳し、翻訳会社からの認証が必要です。

 

借入申請書(記載内容:借入先の情報、借入の種類、借入目的、収入源、借入期間、利息、借入手数料など)

関連法令が定める手数料の支払い済証明書

株主総会決議書又は取締役会決議書(決議内容は、1と整合性があること)の写し※一人株主会社の場合は不要

ローン契約書のドラフト(借入れ条件を規定した書面)

ローン返済計画

返済用外貨準備高(外貨を借入る場合)

中銀への申請を代理人が行う場合の委任状

その他の関連書類

(2)関連法令について

ノンバンクが、外国から借入をする場合、「ノンバンクの国内外の金融機関からの借入れ申請書類に関する指示書(No.95)」の他に、中銀発行の以下の法令に従う必要があります。

①2019年5月30日付「Decision on the Capital Import-Export of Lao PDR and the Lending or Receipt of Loans and Foreign Trade Loans(No453)」②2023年12月21日付「Decision on Foreign Exchange Management Related to Foreign Direct Investment(No1225)」③2019年12月10日付「Notice on Lending or Receiving Loans from Foreign Business Banks, Foreign Business Bank Branches and Non-Financial Institutions (No. 684)」

なお、上記②の「外国直接投資における外貨管理に関する合意 (以下、「中銀合意」)」によると(詳細はニューズレターをご参照ください)、海外からの融資及び利子の返済などの取引に使用する口座は、投資関連口座のみと規定されており、(中銀合意第6条)さらに、中銀の監督下にある金融関連事業者は、別途定める関連法に従うとあります。現時点では、別途定める法令が確認できていませんので、借入の返済に使用する口座を新たに開設する必要があるか否かは、中銀へ事前に確認する必要がありますので、留意が必要です。
                                          以上

 

 

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

 

2024年01月13日(土)5:52 PM

ラオスにおける公証役場法ガイドラインについてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

公証役場法ガイドライン

 

ラオス: 公証役場法ガイドラインについて

2024年1月13日
One Asia Lawyers Groupラオス事務所

1.背景

2022年12月29日付で公証役場法が改正され(以下、「改正法」) 2023年3月30日より施行されています(詳細はニューズレターを参照ください)。これまで、どのような契約書が公証の対象であるのか明確ではありませんでしたが、改正法では、契約書の種類(例えば、株式譲渡契約、不動産売買契約、合弁契約、リース契約など)を具体的に記載しています。これによって、まずは、国民が自身が署名した契約書が公証の対象であることに気づくことになります。次の段階として、公証するためには、具体的にどのような書類が必要で、どのような手続きを踏むのかという情報が必要となりますが、改正法には、契約書を認証してもらうために必要な書類の詳細について、規定されていません。

今回ラオス司法省は、2023年12月28日付で「公証役場法の実施にかかるガイドライン(No1786)(以下、「ガイドライン」)」を発行しました。ガイドラインは、契約書及び書面の種類ごとに、公証に必要な書類及び認証審査の内容が記載されており、そのほか、対面審査についても補足説明されています。

2.公証に必要な書類

ガイドラインでは、各契約書の種類ごとに提出が必要な書類が規定されていますが、どの契約書もほぼ同じような書類を必要としますので、例としてローン契約書の場合を以下に記載します(ガイドライン2.7)。

<公証役場に提出する書類(ローン契約書の認証の場合)>

ローン契約書の原本(少なくとも3部[1]

当事者が個人の場合、住所証明、IDカード又はファミリーブック又はパスポート又はその他署名者自身を証明する書類

法人や団体の場合、企業登録書、納税証明書、投資許可証又は事業許可証

担保設定する財産の所有証明書又は土地を抵当に入れる場合、土地の取引(活動)証明書

保証付きの契約の場合は、保証人の情報(上記2と3)

その他の書類

3.公証人との対面審査

対面審査の方法は、直接対面する方法とVideo Callによる対面(ガイドライン5.2)の2通りがあります。

(1)直接対面

公証人によって、認証書類の審査が行われた後、公証人の面前で契約書の内容を認証、承諾、合意するため、原則、署名者本人が公証役場へ出向きます。しかしながら、病気、けが、高齢等の理由で出向くことが難しい場合は、公証役場の所長が、公証人を選任して、当事者のいる場所へ出向き、その場で認証することも可能と明記されています(ガイドライン5.1)。

また、当事者同士がそれぞれ異なる県、郡、又は国外にいる場合は、それぞれが居住している最寄りの公証役場で代わりに直接対面を行うことが可能です。その場合、代行した公証役場は、対面後5営業日以内に対面の内容を書面で公証申請書を受理した公証役場へ提供する必要があります(ガイドライン5.1)。代行した公証役場が、ラオスの在外公館又は領事館の場合、対面の内容を15営業日以内に公証申請書を受理した公証役場へ送付する必要があります。

(2)Video Callによる対面

Video Call などの電子機器を使用して公証人と対面する場合、公証役場内のシステムを使用して、対面の様子を録画し、音声も録音する必要があります(ガイドライン5.2)。

[1] 実務的には、内訳としては、契約当事者各1部ずつ、公証役場保管1部

以上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

 

2024年01月03日(水)6:45 PM

ラオスにおける外国からの投資における外貨管理についてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

外国直接投資外貨管理合意

 

ラオスにおける外国からの投資における外貨管理について

2024年1月3日
One Asia Lawyers Groupラオス事務所

1.経緯

2022年10月に「改正外国為替管理法」が改正され(詳細はニュースレターをご参照ください)、また2023年6月にラオスで登記した、外国からの投資企業に対して「外国からの資金輸入証明書(Capital Importation Certificate)の取得に必要な書類」について通知が出され(詳細はニュースレターをご参照ください)、さらに2023年7月に「外貨管理の実施に関する首相命令」が発令されました(詳細はニュースレターをご参照ください)。

このように、ラオス政府は外貨の流れについて厳しく管理するために、様々な政策を実施しています。ラオス中央銀行(以下、「中銀」)は、ラオス国内の外貨預金についても管理を行うべく、外国からの投資家及びラオス国内商業銀行に向けて、2023年12月21日付で「外国直接投資における外貨管理に関する合意 (No1225)(以下、「中銀合意」)」を発行しました。新たな政策として、特に外国からの投資家に対しては、一般的な預金口座ではなく、投資に特化した預金口座をラオス国内の商業銀行に開設することを規定しています。

2.外国からの直接投資とは

ラオスの会社法においては、外国法人の定義はありませんが、中銀合意には、「外国からの投資家」及び「外国からの直接投資」を以下の通り、定義しています(第3条)。

外国からの投資家:ラオスへ投資するためにラオスの法律に従い企業登録(事業登録)した外国籍の個人または法人

外国からの直接投資:外国の投資家のラオスで事業を行うための投資。独資、又は、外国籍が10%以上の株式を保有する合弁会社(政府、国営企業、ラオス国内民間企業との連携)の投資

3.銀行口座の開設について

(1)投資準備口座

原則、法人の場合、企業登録書(Enterprise Registration Certificate)がない場合、ラオス国内の商業銀行で口座を開設することはできません。しかしながら、会社設立前の準備期間において、事業開始までに(投資許可証、企業登録書、事業許可取得期間)、に必要な様々な費用(例えば、車両、事務所などのレンタル料、宿泊料、渡航代、各種手数料の支払い、コンサル料など)が発生することを考慮して、外国からの投資家は、ラオス国内の商業銀行において、投資準備のための銀行口座(以下、「投資準備口座」)を開設することが可能となりました(第5条)。

投資準備口座の開設のために必要な書類は以下の通りです。

投資許可又は企業登録申請手続中であることが記載された関連当局からの証拠書類

外国法人の企業登録書又は会社が実在していることの証明書

ラオスの商業銀行へ口座を開設することの代表者への委任状

委任された代表者のパスポート

中銀又はラオス国内の商業銀行が規定するその他必要な書類

(2)投資関連口座

投資許可証又は/及び企業登録書を取得した外国からの投資家は、15営業日以内にラオス国内の商業銀行に現地通貨キープ及び外貨の「投資関連口座」を開設する必要があります。例えば、登録資本金の送金、利益、配当金、海外からの融資に対する返済及び利子の返済などの取引に使用する口座は、投資関連口座のみと規定されています(第6条)。但し、中銀の監督下にある金融関連事業者は、別途定める関連法に従うとあります。

投資関連口座の開設に必要な書類は以下の通りです。

商業銀行所定の申請書

投資許可証、企業登録書の写し

事業許可証(Business Operation Certificate)の写し(ある場合)

その他商業銀行が定める書類

中銀合意が施行される前にすでに商業銀行で一般的な銀行口座を開設し、海外からの直接投資に関する事業を行っている既存の外国からの投資家は、一般的な銀行口座を投資関連口座に変更するための手続きを行う必要があります(第6条)。

なお、既存の一般的な銀行口座がある銀行ではなく、違う銀行に投資関連口座を開設する場合、既存の銀行口座(古い口座)にある預金はすべて新しい銀行に開設した投資関連口座に送金し、その後、古い銀行口座は閉じる必要があります。また、新しい投資関連口座を開いてから10営業日以内に中銀外国為替管理局へ新しい口座を開設し古い口座を閉じたことを通知する必要があります(第6条)。

上記の通り「投資準備口座」及び「投資関連口座」の開設が可能であると解釈できますが、ラオス国内の商業銀行が同中銀合意をどのくらい認識しているのか不明であり、きちんと運用されているかどうかは、わからない状況にありますので、留意する必要があります。

4.資本金の送還について

 資本金輸入証明書(Capital Importation Certificate)を取得した外国からの投資家は、ラオス政府に対する支払いの義務(税金等)が完了したのち、利益、配当金、事業売却又は会社清算後の残金を、投資関連口座から本国へ送還することが可能です(第11条)。

資金を本国へ送還するために必要な書類は以下の通りです。

商業銀行所定の送金指示書

利益又は配当金の送金の場合、取締役会又は株主総会の利益又は配当金に関する決議書の写し

事業売却又は会社清算後の残金を送金する場合、商工業省/局発行の会社清算完了通知書の写し

最後に取得した資本金輸入証明書の写し

投資許可証、企業登録書の写し

事業許可証(Business Operation Certificate)の写し(ある場合)

なお、外国からの資金輸入証明書(Capital Importation Certificate)の取得に必要な書類についての詳細はニュースレターをご参照ください。

5.罰則規定

中銀合意に違反した場合、外国からの投資家に対して科せられる罰金は以下のとおりです。

(1)投資関連口座を定められた期限内に開設しない場合:10,000,000キープ(1月時点約7万円)

(2)投資関連口座を使用せずに、他の口座で外国からの直接投資事業を行った場合:10,000,000キープ

(3)中銀が承認していない両替商や送金事業者を利用した場合:取引額の10%

(4)中銀の許可を取得せずに、第三国へ投資した場合:取引額の10%

以上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

 

2024年01月02日(火)3:22 PM

ラオスにおける企業登録に関するガイドラインについてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

企業登録ガイドライン

 

ラオスにおける企業登録に関するガイドラインについて

2024年1月2日
One Asia Lawyers Groupラオス事務所

1.経緯

2018年2月1日より施行されているラオスの投資環境改善に関する首相令が発行され(詳細はニューズレターをご参照ください)、これまでに、会社設立にかかる煩雑な手続きを改善するために、多くの法令が発行されました。そして、これらの法令に基づき、2023年12月29日付で会社法が改正されました(以下、「改正会社法」)(詳細はニュースレターをご参照ください)。しかしながら、未だに法令と実務が乖離している部分も多くあり、実務上、混乱することが多いのが現状です。

今回、商工業省は、2023年12月22日付で、「企業登録実務に関するガイドライン(No.2406)

(以下、「ガイドライン」)」を発行しました。同ガイドラインは、改正会社法の中に規定される「企業登録」に関する条文に基づいて、より詳細に解説しているガイドラインであり、下記の表の通り、大きく分けて15項目から構成されています。

項目

内容

企業登録

企業登録書の記載事項

企業登録後の事業活動

企業名及び企業看板

企業登録情報の変更

企業の支店

企業印

企業登録書の再発行

企業登録書使用の停止及び再開及び納税者番号の使用停止

会社清算

印刷媒体による書類及び使用言語

手数料とサービス料

XIII     

国家企業登録情報データベースの管理

XIV

施行

XV

効力

本ニューズレターでは、企業登録書に関する規定(上記、Ⅰ、Ⅱ)と改正会社法第24条に規定されている企業登録情報の変更(上記、Ⅴ)を中心に解説します。

2.企業登録について

 (1)経済特区の中の会社の企業登録書について

改正会社法第15条において、Conducting business shall be first registered as an enterprise with the enterprise registration authorities in the industry and commerce sector, including investment in the special economic zone」と規定されており、経済特区の中の会社も商工業省/局で登記することが規定されています。

しかしながら、現状、経済特区委員会から企業登録書が発行されていることもあり、ガイドラインでは、経済特区の中の会社の企業登録書は、各経済特区が所在する都や県の経済特区委員会が発行すると規定しています。従って、改正会社法とは異なる運用がなされていますので、留意する必要があります。

(2)オンラインでの会社登録について

改正会社法第16条では、オンラインでの企業登録について、別途定める規定に従うとあります。

現時点において、オンラインでの企業登録はまだ運用されていませんが、ガイドラインでは、企業登録の方法を①印刷媒体での申請、及び ②オンラインでの申請に分けて説明しており、オンラインでの企業登録が今年中に始まることが期待されます。

(3)企業登録番号

改正会社法第18条では、企業登録書の記載内容について、「企業識別番号、納税者番号」と書かれており、現状の企業登録書には、それぞれ別の数字が付与されています。しかしながら、ガイドラインでは、企業識別番号と納税者番号は同じものであり、会社と納税システム(Tax RIS)をリンクさせていることから、納税者番号が、企業識別番号であると説明しています。今後発行される企業登録書は、企業識別番号が省略される可能性がありますので、留意する必要があります。

 (4)手数料及びサービス料

以前は、企業登録書の取得時に手数料及びサービス料を支払うことになっていましたが、企業登録書を発行しても取りに来ない会社が増えたことにより、企業登録申請書を提出した日に、同時に手数料及びサービス料を当局へ支払うルールへと変更になりました。

 3.企業登録情報の変更について

 改正会社法第24条では、企業登録内容に変更が生じた場合、事業者は、会社内で内容変更についての合意を得てから30日以内に、企業登録書の発行元へ、企業登録情報変更申請を行う義務があることが規定されています。

ガイドラインでは、各会社の形態に基づき、変更手続きに必要となる書類を記載しています。なお、変更の内容には問わず、以下の書類を揃えて、企業登録書の発行元へ提出します。

(1)企業登録情報内容変更申請書(所定の書式あり)

(2)企業登録書の原本(返却のため、オンラインで登記手続きした場合は除く)

(3)変更に関する書面による合意書

上記、(3)の合意書については、株式会社及び公開会社の場合は、株主が合意し、署名した「株主総会決議書」が必要となります。なお、資本金未払いの株主は、議決権はありません。

また、株主が法人の場合は、その法人の代表取締役又は代表取締役から書面にて委任された人が決議書へ署名する必要があります。

株主が一人であり、社外取締役がいる場合、社外取締役からの合意書が必要となります。

(4)その他の必要書類

上記、(1)から(3)の他に、変更する企業登録情報によって、以下の通り必要な書類が規定されています。

 

変更内容

必要書類

取締役、事業主、株主以外の人が変更申請手続きをする場合

委任状、委任者及び受任者のIDカード、ファミリーブック等の写し(外国人の場合は、パスポートの写し)

取締役、株主、事業主の変更の場合

新しい取締役、株主、事業主のIDカード、ファミリーブック等の写し(外国人の場合は、パスポートの写し)

個人事業主の変更の場合

公証済みの事業譲渡契約書又は営業権譲渡に関する書面

株主の変更、株式の保有比率の増減

・公証済みの株式譲渡契約書(ただし、増資による株主の増員の場合は除く)

・増資による株主の増員の場合は、株主総会決議書が必要。

・新しい株主が法人の場合は、その法人の株主リストとともに企業登録書(事業体証明書)の写しが必要。

死亡した個人事業主、株主から権利を相続した場合

公証済みの相続証明書

資本金未払いによる株主の変更(会社法第102条[1]

・取締役又は資本金払込み済みの株主発行の公証済み資本金未払い証明書(株主が法人の場合は、その法人の取締役又は委任者が署名した株主総会決議書)

・株主が変更になる場合は、新しい株主が署名した株主総会決議書

減資による登録資本金の変更

減資することを新聞又は国の企業登録データベースウェブサイトへ少なくとも3回[2]公告したことの証拠書類

 

[1]改正会社法第102条 出資金未払いによる弊害

 株主総会で合意した期日までに資本金を支払わない株主は、議決権、配当金の制限を受ける。まったく支払わない場合は、株主から抹消可能。未払いの場合、支払い期限日から60日以内に、登記情報の変更手続きをすること(減資、株主変更、株保有率変更、会社の形態変更、閉鎖等)。取締役が未払いの場合は、株主から請求、提訴することが可能

[2] 実務的には、1回の掲載期間は2か月間(5回/月)。

以上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

 

2023年12月11日(月)4:03 PM

ラオスにおけるコンドミニアム法についてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

コンドミニアム法の制定

 

ラオスにおるコンドミニアム法について

2023年12月11日
One Asia Lawyers Groupラオス事務所

1. 経緯

ラオスにおける土地法は1997年に成立していますが、その後、2003 年に一部改正され、その後10年以上改正されず、様々な土地に関する問題が生じるようになり、ようやく2019年に改正されています(詳細は2020年8月31日付弊所ニューズレターをご参照下さい)。土地法では、コンドミニアムの建設用地の登録(第106条から108条)及びユニットの区分所有権について(第132条)規定されているのみでした。今回2023年11月14日付で発行された「コンドミニアムに関する首相令(No.352)(以下、「コンドミニアム法」)」は、コンドミニアムの権利証に関する規定やコンドミニアムの管理機能に関する規定なども置かれています。同法は、2023年12月7日に官報掲載、2024年2月1日より施行される予定です。なお、土地法やコンドミニアム法に従って、コンドミニアムの建設用地を登録[1]していない既存のコンドミニアム開発業者は、2024年2月から1年以内に登録を完了させる必要があります(コンドミニアム法第54条)。

2.コンドミニアム法の概要

コンドミニアム法は、コンドミニアム開発事業許可及び建設許可の取得について(第7条から第9条)、コンドミニアム建設用地の登録について(第10条から第12条)、ユニット区分所有権の種類と登録について(第13条から第22条)、ユニット区分所有権の取引及び変更について(第23条から第24条)、コンドミニアムの管理について(第25条から第32条)、コンドミニアムの区分所有権と土地使用権について(第33条から第36条)、コンドミニアム開発事業者の権利及び責務(第37条から第38条)、コンドミニアム建設登録取り消しによる区分所有権の消滅、債務支払い、財産分割について(第39条から第40条)、罰則規定など、全55条から構成されています。

3.ユニット区分所有権の登記について

コンドミニアムのユニットにかかる区分所有権については、外国人、外国法人ともに原則としてこれを取得することが可能です(コンドミニアム法第3条)[2]。区分所有権を取得するためには、以下の書類を揃えて、県レベルの天然資源管理局へ提出する必要があります。

<ユニット区分所有権登記に必要な書類(コンドミニアム法第17条)>

コンドミニアム名義の土地権原証(バイターディン)の写し

ユニットの幅、長さ、高さを示した図面

共同部分の区分所有比率を証明した書類

ユニット所有者のIDカード、ファミリーブック又は住所証明書(個人)又は企業登録書(法人の場合)の写し

外国人の場合、パスポートの写しなど、国際機関等の場合は、ラオス政府発行の設立機関設立許可証の写し

コンドミニアム建設のための土地リース契約書、政府とのコンセッション契約書

 

県レベルの天然資源管理局は、完全に揃った書類を受理してから5営業日以内に書類を精査し、その後、問題がなければ、5営業日以内にユニット登記書及び権利証を発行します。登記書は、登記簿というかたちで県レベルの天然資源環境局が保管します(コンドミニアム法第20条)。なお、経済特区の中に建設したコンドミニアムは、経済特区委員会がユニット区分所有権の登記を行います(コンドミニアム法第19条)。

4.コンドミニアムの区分所有権の権利証について

コンドミニアムのユニットにかかる区分所有権について、権利証が存在します。権利証は、当該コンドミニアムのユニットの区分所有者を証明する唯一の書面です。内容は、ユニット所有権登記書の内容と違いはありません(コンドミニアム法第21条)。権利証には以下の内容が記載されています。

<権利証の内容>

コンドミニアムの敷地土地の所在地

土地権原書の番号及び面積

土地の住所(村、郡、県)

ユニット区分所有権登記番号

コンドミニアムの名称

納税者番号

居室階数、居室番号

ユニット区分所有者の氏名

ユニット区分所有者の生年月日、国政、職業、現住所

10

ユニット区分所有者の配偶者の名前

11

コンドミニアムの図面番号

12

ユニットの種類

13

ユニットの長さ、幅、高さ、面積

14

ユニットの間取図(写真)

15

共同部分の区分所有比率

 5.コンドミニアムの管理について

コンドミニアムの管理機能を担うのは、コンドミニアム運営管理者及びユニット区分所有者から選任されたコンドミニアム責任委員会であることが、コンドミニアム法第25条、第26条及び第27条に規定されています。コンドミニアム運営管理者は、コンドミニアムの開発事業者自身又は、開発事業者が起用した管理会社(法人)でも構いませんが、外部から雇用する場合は、ユニット区分所有者から合意を得る必要があります。

(1)コンドミニアム責任委員会

委員会は、議長、副議長及びメンバーの少なくても3人から構成されます。但し、委員会の人数は奇数とし、その任期はコンドミニアムの内規に規定する必要があります(コンドミニアム法第28条)。

(2)コンドミニアムのユニット区分所有者会議

コンドミニアム開発事業者は、コンドミニアムの全ユニットの30%以上を売り上げた後、6か月以内に第1回目のユニット区分所有者会議を開催する義務があります。同会議は少なくても年に1回開催する必要があり、定足数は、全ユニット区分所有者の3分の2以上の参加(コンドミニアム法第30条)、議決定足数は、全参加者の過半数以上と規定されています(コンドミニアム法第31条)。

6.コンドミニアムの解消について

コンドミニアムは以下の要件の場合、解消されます。

(1)ユニット区分所有者会議において全会一致で解消することが合意された場合

(2)コンドミニアムが全壊し、ユニット区分所有者全員がコンドミニアムを再建しないことに合意した場合

(3)コンドミニアムが差し押さえられた場合

上記、(1)及び(2)の理由で解消する場合は、その解体費用は、ユニット区分所有者が、自身の区部所有率に応じて責任を持つことになります。他方、(3)の理由の場合は、差し押さられた物件の開発プロジェクト事業者が責任を持ちます(コンドミニアム法第39条)。

[1] 土地法第108条では、建設用地が政府の分譲地の場合、個人や法人からリースした土地である場合、登録上の名称は、賃貸人の保持する土地権原書(バイターディン)の保有者となるため、開発事業者等の名称では、登録できないと規定されていました。他方、コンドミニアム法では、建設用地を政府から賃借又はコンセッション、政府の期限付き分譲地である場合は、コンドミニアムの名称で登録可能としています(コンドミニアム法第12条)。

 

[2] アパートメントについては、ラオス人、外国人、法人問わず、ユニットの区分所有権を取得することはできません(コンドミニアム法第3条)。アパートメントの所有者が、ユニットを売却したい場合は、コンドミニアム事業許可証を取得する必要があります(コンドミニアム法第7条)。

以上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

 

2023年11月24日(金)10:55 AM

ラオスにおける土地税法についてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

土地税法の制定

 

ラオスにおる土地税法について

2023年11月24日
One Asia Lawyers Groupラオス事務所

1. 経緯

ラオスの土地税に関する法令は、2000年に首相令として制定され、2007年に改正されています。今回制定された土地税法は、首相令に代わるもので、2023年7月17日付で発行され、2023年11月1日に官報に掲載、2024年1月1日より施行されます(土地税法第47条)。

ラオス財務大臣によると、「首相令は16年以上改正されておらず、現在土地税の税収は低く、改正された各種関連する法律と整合性がなく、(土地税の徴収の)実施も困難であるため、より確実にかつ具体的に、過去には生じなかった問題に対処するための新しい法律が必要となった」¹と述べています 。
本稿では、土地税の徴収に関する基本的な情報を紹介します。

2.土地税の課税対象の土地

(1)課税対象の土地
課税対象の土地は、農地と建設用地の二つに分類されます。それぞれ、以下の通り定義されています(土地税法第3条)。

農地:耕作、飼養、漁業、灌漑及び農業分野の試験場のために使用される土地
建設用地:新都市開発地、住居、事務所、省庁、公共の場所、商業、サービスを行うために建物を建設する土地及び法律に従って分譲された都市計画に準じたその他の建設用地

なお、開発されていない農地及び建築物がない建設用地、政府が貸している土地、コンセッションの土地についても、同様に課税の対象となっています(土地税法第10条)。

(2)免税対象の土地

以下に分類される農地は免税の対象となります。
① 国の農業試験のための農地
② 村長からの申請により、郡長、市長等が承認した貧困世帯の農地
③ 自然災害で被害を受けた農地。但し、免税期間は、災害に遭った年又は郡レベルの災害管理委員会の申請に基づき郡長、市長等が承認した復興期間。
④ 事業により新しい土地へ移住した家族の農地。但し、免税期間は移住後3年間。
⑤ 法令に規定されるその他の農地

以下に分類される建設用地は免税の対象となります。

① 公園、宗教的な場所、墓地、神聖な土地など公共の利益のための施設を建設する土地
② ごみ集積場、浄水場、教育施設、運動場及び子ども用の遊び場に使用する政府の建設物用の土地
③ ラオスが条約を締結している国際機関、各国の在ラオスの代表機関などラオス政府が委任した団体に対する建設用地
④ 村長からの申請により、郡長、市長等が承認した貧困世帯の住居用の土地
⑤ 自然災害で被害を受けた建設用地。但し、免税期間は、災害に遭った年又は郡レベルの災害管理委員会の申請に基づき郡長、市長等が承認した復興期間。
⑥ 事業により新しい土地へ移住した家族の住居用の土地。但し、免税期間は移住後3年間。
⑦ 法令に規定されるその他の建設用地

3.土地税の計算と納税者の義務

(1) 土地税の課税方法
土地税は、課税標準額に税率を乗じて計算されます。課税標準額は、以下の通り算出されます(土地税法第12条及び13条)。

課税標準額 = 土地の面積(㎡)× 県の国民議会が承認に基づき、県知事、都知事が合意した土地の評価額

税率は、2024年から2030年まで、以下の表の通り規定されています(土地税法第14条)。

 

土地の種類

2024年~2026年

税率(%)

2027年~2029年

税率(%)

2030年

税率(%)

農地

開発されていない農地

0.01

0.02

0.02

0.03

0.03

0.04

建設用地

‐住居地

‐工業用工場建設用地

商業及びサービス

‐開発されていない土地

 

0.02

0.03

 

0.04

 

0.03

0.04

 

0.05

 

0.04

0.05

 

0.06


(2) 納税者の義務
土地使用権保有者、土地の利用者又は占有者は、1月1日から12月31日までの土地税を
毎年、商業銀行、税務署、村の財務部又は税の徴収を委任された人を通して、現地通貨キープで納税する必要があります(土地税法第16条)。

 

¹2023年7月10日付The Laotian Times (https://laotiantimes.com/2023/07/10/lao-minister-of-finance-proposes-new-draft-law-on-land-tax/)

以上

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yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
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2023年11月22日(水)6:51 PM

ラオスにおける職業紹介法についてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

職業紹介法の制定

 

ラオスにおける職業紹介法について

2023年11月22日
One Asia Lawyers Groupラオス事務所

1. 経緯
ラオスにおいて、職業紹介、あっせん等を規定する主な法令は、2010年1月12日付「職業紹介事業にかかる会社設立及び管理に関する労働社会福祉大臣合意(No043)(以下、「労働社会福祉大臣合意」)」、2013年12月24日付「ラオス労働法(No43)」、2015 年 7 月 13 日付「 ラオス国籍者へと保全される事業リストに関する商工大臣令(No.1328)(以下、「保全事業リスト」)」、2019 年 1 月 10 日付「ネガティブ事業及びコンセッション事業リストの承認に関する首相令(No03)(以下、「ネガティブリスト事業リスト」)」があります。

これらは、すべて有効とされていますが、特に外資規制については、各規定が矛盾した状況が続いています。例えば、労働社会福祉大臣合意の中で、会社設立の条件として「ラオス国籍又は外国人はラオス人と共同出資であること(同合意11条)」が規定されています。他方、同事業は、保全事業リストにも記載されており、外国人の参入は不可の事業に分類されています。さらに、2019年に改正されたネガティブリスト事業リストとして、新たに職業紹介業が規定されたことにより、ラオス国内の投資家との合弁会社という条件付き(労働社会福祉大臣合意が参照されている)で、外国人の事業への参入が認められるようになったと解釈されます。

今回、ラオス政府は、2023年7月17日付で「職業紹介法」を制定、2023年9月9日より施行されています。職業紹介法は、全部で66条から成り、国内・国外への職業紹介、職業紹介組織、失業認定証の発行、労働市場の情報、職業紹介事業、職業紹介事業組合や禁止事項等で構成されています。

本稿では、職業紹介事業について簡単に解説いたします。

2. 職業紹介事業について

職業紹介業は、労働社会福祉省(以下「労働省」)の管轄下にあります。会社法に従って会社を設立し、企業登録書(Enterprise Registration Certificate)を取得した後に、投資奨励法に従い投資許可証(Investment License)を取得し、その後で労働省より職業紹介業に関する事業許可証(Business Operation Certificate)を取得する手続きの流れとなっています(第38条)。具体的な手続きの流れは、別途規定するとあります。

職業紹介業は、①国内への職業紹介業、②国外への職業紹介業、③その他職業紹介に関連する事業に大別されます(第39条)。

職業紹介事業者の条件は以下の通りです(第40条)。

(1) 企業登録書及び投資許可証を取得していること
(2) 規定に従い資金が十分にあること
(3) フィージビリティスタディ(FS)及び事業計画書があること
(4) 事務所又は建物、機器、工具、車両等を保有していること
(5) 技能開発施設を有する、又は技能開発施設との協力協定を結んでいる
(6) 職業紹介に関する知識、技術、経験を有する人材がいること
(7) 事業者の活動履歴書があること
(8) その他、業種ごとの条件

職業紹介事業を行う法人は、職業紹介の事業許可書を取得するために、下記の書類を揃えて、労働省へ提出します。労働省は、完全に揃った申請書類一式を受領後、30日以内に事業許可書の発行の可否を検討して、文書にて事業者に対して通知します(第42条)。事業許可書は3年間有効であり、更新可能となっています(第43条)。
申請に必要な書類は、以下の通りです(第41条)。
(1)職業紹介事業申請書
(2)企業登録書及び投資許可書の写し
(3)FS及び事業計画書
(4)職業紹介会社の国内労働者の使用に関する会社規定
(5)その他必要な書類

3.登録資本金について

同法には、登録資本金についての規定はありませんが、ネガティブリスト事業リストには、労働社会福祉大臣合意に準ずると記載があります。同合意第16条に以下の通り規定されています。なお。保証金は、労働省の銀行口座へ振り込む必要があります。

業種

資本金/回転資金

保証金

国内職業紹介業

2憶キープ以上

(約9,600USD)

2,000USD以上

 

国外職業紹介業

20憶キープ

(約96,000USD)

20,000USD以上

 

※1USD=約20,500キープ(2023年11月22日現在)

4.外資規制について

同法には、外資規制についての規定はありませんが、ネガティブリスト事業リストには、労働社会福祉大臣合意に準ずると記載があります。同合意第11条によると、職業紹介事業は「ラオス国籍の個人、法人及び外国人の場合は、ラオス人との合弁会社」である必要があると規定されています。外資比率などは特段規定されていませんので、自由に設定可能と解釈されます。

 

以上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)
satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

 

2023年10月18日(水)12:04 PM

ラオスにおける商業銀行法の改正についてのニュースレターを発行しました。

PDF版は以下からご確認下さい。

商業銀行法の改正

 

ラオスにおける商業銀行法の改正について

2023年10月18日
One Asia Lawyers Groupラオス事務所

1. 経緯

ラオスの商業銀行法は、2006年に制定され、その後2018年に改正されています。今回の改正版は、2023年7月17日付けで発行、2023年10月13日に官報に掲載されましたが、9月15日から施行されています(以下、「改正法」)。商業銀行業は、ラオス中央銀行(以下「中銀」)の管轄下にあります。会社法に従って会社を設立し、企業登録書(Enterprise Registration Certificate)を取得した後に、投資奨励法に従い投資許可証(Investment License)を取得し、その後で中銀より銀行業に関する事業許可証(Business Operation Certificate)を取得する手続きの流れとなっています。今回の改正において、重要な改正点及び新たな規定を中心に解説いたします。

2. 改正点

改正法第13条によると、商業銀行の登録資本金の額が改正前の2倍(5,000億キープから1兆キープ)に増額されています。

登録資本金又は資本金(以下「資本金」)は、現物出資でも可能となっていますが、資本金総額の10%を超えることはできません。また、現物出資の場合、評価会社に資産を査定してもらい、その評価額は中銀からの合意を得る必要があります。現物出資は、銀行業の運営に必要な動産又は不動産とし、不動産の場合はラオスに存在する必要があります。

改正法が施行される前に設立した既存の商業銀行は、政府が規定する期日内に、改正法で定められた資本金の額へ増資する必要があります。政府が規定する期日について、10月末時点ではまだ確認できていません。なお、ラオスにおいては、今回の資本金増額等により、数社の外国銀行の支店の存続に影響しています。

資本金

改正前

改正後

商業銀行

5,000憶キープ

(約2450USD

1兆キープ以上

(約4900USD

外国銀行の支店

3,000憶キープ

(約1460USD

6,000億キープ以上

(約2900USD

 

 

※1USD=約20,500キープ(2023年10月18日現在)

3. 新規規定

改正法において新たに規定された条文は以下の通りです。

(1)特定銀行(改正法第3条10項)

改正法において、商業銀行のひとつとして、一般銀行のほかに、特定銀行が新たに定義づけされています。特殊銀行とは、一定の金融商品、金融分野、地域及び対象顧客に特化してサービスを提供する銀行をいいます。

(2)事業許可証の更新 (改正法第12条)

事業許可証は、以下に該当する場合、新たに取得する必要があります。

① 株主構成の変更、事業内容の変更、事業所の移転など事業許可証に記載されている情報

に変更があった場合

② 事業許可証の汚損、破損、紛失した場合

(3)定款(改正法第15条)

改正前は、定款に記載すべき項目が規定されていましたが、改正後は、中銀が定期的に更新する書式に則る必要があるため、詳細は省かれています。また、外国銀行の支店の定款は、親会社からの承認を必要とすることが新たに規定されています。

(4)商業銀行の降格及び昇格(改正法第18条)

外国資本100%の商業銀行及び外国銀行の支店は、それぞれ、商業銀行から外国銀行の支店への降格、外国銀行の支店から外資100%の商業銀行へ昇格することは可能です。但し、変更する場合は、事業許可証を中銀の規定に従って取得する必要があります。なお、事業体の変更があったとしても、預金者、債権者に対する義務及び納税の義務等は継続されます。

(5)商業銀行の組織 (改正法第20条及び第34条)

改正前は組織体の中に補助統括部はありませんでしたが、改正後は組織体を構成する補助統括部を設置する必要があります。なお、補助統括部の業務内容は、定款に定めなくてはなりません。

(6)商業銀行協会(改正法第94条から第96条)、

非営利の商業銀行協会の設置、加入、協会の活動内容等が新規で規定されています。外国銀行の支店も加入することが可能です。

なお、ラオスにおける経営不振金融機関に対する初動措置については、弊所ニューズレターをご参照ください。

 

以上

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2023年10月03日(火)9:50 AM

ラオスにおける調停合意及び仲裁判断の履行についてのニュースレターを発行しました。
PDF版は以下からご確認下さい。

調停合意及び仲裁判断の履行

             ラオスにおける調停合意及び仲裁判断の履行について

2023年10月3日
One Asia Lawyers Groupラオス事務所 

1. 背景
現行の「経済紛争解決法」は、2018年6月22日付で成立しています。紛争解決に関する法令としては2021年11月17日付「判決執行法(詳細は、弊所ニューズレター(https://oneasia.legal/8403)をご参照ください)」、2021年10月22日付「村レベルの紛争解決について(詳細は、弊所ニューズレター (https://oneasia.legal/7860)をご参照ください)」、2022年7月21日付「郡レベルの紛争解決に関するガイドライン(詳細は、弊所ニューズレター(https://oneasia.legal/8752)をご参照ください)」等があります。

司法省は、経済紛争解決法の中でも、特に第3部の「経済紛争解決手続における判断の執行」について、全国統一的に制度化し、補足的な説明を行うことを目的として、ガイドラインを2023年5月12日付で発行、同年9月27日に官報に掲載しました。なお、同ガイドラインは2014年に発行されたガイドライン(No226)の改正版となります。

ちなみに、2022年のラオスの経済紛争解決センターの統計によると、2022年に同センターで取り扱った紛争は全部で15件(ラオス人同士の紛争9件、ラオス人と外国人の紛争6件)であり、そのうち前年度から解決されず持ち越された紛争が5件と報告されています。また、2022年に解決できず2023年に持ち越された紛争は、4件あり、合意に至っても約束が履行されず、長期化している事例があります。そのため、調停合意がうまく活用されず、紛争の長期化を避けるため、本ガイドラインが出されています。

本稿では、ガイドラインの内容を簡単に解説いたします。

2.調停合意及び仲裁判断の執行について

執行方法は、当事者による履行及び判決執行機関による執行の2通りがあります。

(1)当事者による履行

当事者による履行において、当事者が調停合意及び仲裁判断を履行しなかったことで、当事者のどちらかが不利益を被る場合、紛争が生じている場所又は財産が存在する場所の県・都の人民裁判所へ、経済紛争解決機関を通して、強制執行命令の発行を申立てることが可能となっています。

仲裁委員会による仲裁判断の執行においては、当事者から仲裁判断に対して、不服申立てがない限り、期限、手続き、履行方法を協議し、仲裁判断が下った日又は仲裁判断が通知された日から数えて30日以内に、履行する必要があります。上記期限内に履行できない場合、経済紛争解決機関へ履行できない理由を合意内容に基づき通知する必要があります。

なお、当事者が経済紛争解決機関に対して履行促進、監視の支援を要請することも可能となっています。

(2)判決執行機関による執行

判決執行機関は、経済紛争解決の結果を承認する決定又は裁判所の判決を「判決執行法」に則り、当事者に対して判決内容等を説明したり、判決執行期限等を決定します。これらは、判決執行機関の優先事項として考慮する必要があります。また、経済紛争解決の結果が不明瞭であったり、履行できないと判断する場合、経済紛争解決機関へ文書にて詳細な説明をすることを要請することが可能です。

なお、判決執行法の詳細に関しては、弊所ニューズレター(https://oneasia.legal/8403)をご参照ください。

 

以 上

本記事やご相談に関するご照会は以下までお願い致します。

yuto.yabumoto@oneasia.legal(藪本 雄登)

satomi.uchino@oneasia.legal (内野 里美)

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