江副 哲
Satoru Ezoe
One Asia法律事務所大阪オフィス代表パートナー弁護士(日本法)
技術士(建設部門)
インフラ輸出リーガルプラクティスチームリーダー
プロフィール
大学から大学院まで土木工学を専攻し修了後、ゼネコンに入社し土木技術者として土木工事の施工管理や設計に従事した実績を踏まえ在職中に技術士(建設部門)の資格を取得する。
その後、法科大学院で一から法律を学び、卒業後、司法試験に合格、大阪弁護士会に弁護士登録、建築紛争専門の法律事務所に入所し大阪事務所の所長として、ゼネコン、ハウスメーカー、工務店、建設コンサルタント、一級建築士事務所等の企業側の代理人として数々の建設紛争案件に携わり、顧問先企業からの日常の法律相談にも対応してきた。
クライアント企業や建設系行政職員、各種建設関係団体向けに、主に建設業界にまつわる講演を数多く行い、国土交通省等の各種委員会にも所属しながら、技術士兼弁護士として、建設業界の健全な発展に貢献すべく活動している。
さらに、今後は,弁護士法人One Asiaのインフラ輸出リーガルプラクティスチームのリーダーとして、各種インフラ関連企業に対して、法的側面・技術的側面の両面からリーガルサポートを提供していく。弁護士業務以外でも、大学で土木工学を志している学生向けに技術者倫理に関する講義で教鞭をとっており、将来の土木技術者の育成にも力を入れている。
【専門分野】
建設業関連(建築・土木、設計・施工すべてにわたり)、不動産業全般において、全国各地のクライアント対応をしており、建設専門の訴訟案件、交渉案件の実績がある。その中でも、特に難解な技術的案件(地盤の問題、構造物の構造計算、コンクリート等の材料系の問題等)にも対応しており、技術的な見解書の作成も行っている。
- 主要実績
- 著書・論文
- 講演
- ニューズレター
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・事務所兼住宅の分譲マンション(調停申立時:築14年)の所有者(建築工事の発注者)が,外壁タイルの剥離・剥落という瑕疵の存在によってその補修に多額の費用を要したとして,マンション建築工事の請負業者に対して当該補修費用を請求した損害賠償請求調停事件:マンション所有者代理人,タイル施工に瑕疵があるという前提での勝訴的和解
・戸建て住宅の建築工事を請け負った元請業者が,下請業者による室内配管の接続ミスで室内が水浸しになったことから建物(べた基礎と立上り基礎以外)のやり替え工事(解体・新築)を余儀なくされたとして,下請業者に対して当該工事費用を請求した損害賠償請求事件:元請業者の代理人,下請の施工に過失があるという前提での勝訴的和解
・店舗の建築工事後すぐに不同沈下事故が生じ,沈下修正工事(薬液注入工事)を行ったものの再沈下が生じた事案において,店舗所有者(建築工事の発注者)が基礎選定に不備があったとして建築工事の設計者に対して,沈下対策工事費用相当額を請求した損害賠償請求事件:施工者が訴訟の途中から原告補助参加人として訴訟参加し,補助参加人の代理人として沈下原因の技術的機序を説明の上,施工に過失はなく設計者による基礎選定に過失がある旨主張した結果,施工者の負担ゼロという内容の和解で終結
・地中に空洞のある敷地で行われた造成工事の施工者に対して,空洞が陥没する危険性を工事中に把握できたという事情を前提に,安全対策を講じることを検討する必要がある旨,発注者に説明し,安全対策を講じることの可否について発注者と協議すべきであったとして,請負契約の付随的債務としての説明義務違反が認められた損害賠償請求事件:発注者代理人,控訴審一部勝訴(第一審敗訴)
・基礎コンクリートのクラックの瑕疵該当性が問題とされ、基礎再築費用相当額の損害賠償が請求された訴訟事件:被告工務店代理人、勝訴的和解
・委託者から設計監理業務を受託した設計事務所が予算内で建築できるような設計をしなかったとして、設計事務所に対して既払の業務報酬金の返還を求められた損害賠償請求事件:被告設計事務所代理人、勝訴(第一審判決確定)
・ハウスメーカーが建築した戸建て住宅に過大な不同沈下が生じた事案において、ハウスメーカーが宅地造成工事を実施した建設造成工事に対して、建物の建替え工事費用等の賠償を請求した損害賠償請調停事件:ハウスメーカー代理人、勝訴的和解
・施主が工務店の施工に瑕疵があるとして工事途中で請負契約を解除し、損害賠償を請求した調停において、工務店から出来高及び逸失利益を請求した調停事件:工務店代理人、勝訴的和解
・施主から設計変更の有無が争われ、建物の間取り等が当初契約図面とは異なるから瑕疵である等として、工務店が損害賠償を請求された訴訟事件:工務店代理人、第一審、控訴審ともに勝訴(確定)
・隣地の掘削工事により被害者所有の敷地地盤が緩み建物に損傷が生じたため、隣地地権者らに対して損害賠償を請求した訴訟事件:被害者代理人、勝訴的和解
・リフォーム住宅の施工に瑕疵があるとして、施主に請負代金の支払いを拒絶された請負残代金及び追加変更工事代金をハウスメーカーが請求した訴訟事件:ハウスメーカー代理人、第一審、控訴審ともに勝訴(確定)
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・『問題不動産 対応マニュアル』新日本法規出版(共著)
・『土木の法務解説』連載・日経コンストラクション/日経BP社 (単著)
2021年2月 8日号「発注者の法的責任・工事現場の事故にも賠償命じる」
2021年4月12日号「インフラによる日照権侵害・国の通知よりも実質的な被害で判断」
2021年5月24日号「10㎝角の網目スクリーンは瑕疵」
2021年8月23日号「反対運動を理由に占有不許可は妥当」
2021年11月22日号「施行者以外も法的責任を負う恐れ」
2021年11月22日号「施工者免責、発注者だけに賠償命令」
・『弁護士・技術士が答える建設現場のトラブル相談』清文社(単著)
・『民法改正と契約書早わかりガイド:不動産売買契約書・
不動産賃貸借契約書』全日本不動産協会(単著)
・『震災復興の法律的課題 岩手県・被災地行政から寄せられた法律相談事例』日刊岩手建設工業新聞社(共著)
・日刊岩手建設工業新聞「建設経営講座~法的課題に対する技術士の視点~」(2013年7月~2014年12月)
ほか共著多数
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・技術士兼弁護士から見た最新の建設トピックス解説講座(随時開催)
・建設業界にまつわるトラブル事例とその対策(技術系行政職員、ゼネコン、コンサルタント、一級建築士事務所、各種団体等、多数)
・建設工事における発注者責任(同上)
・受発注者のための品質確保研修(同上)
・地盤トラブルの傾向と対策(同上)
・民法改正が建設・不動産業界に及ぼす影響(ハウスメーカー、工務店、不動産会社、賃貸管理会社等、各企業主催)
・法務事例研究会(大手鉄道会社)
・トラブル事例に学ぶ研究会(住宅長期支援センター主催)
・コンプライアンス研修(公務員、ハウスメーカー、工務店、コンサルタント等、多数)
・ハラスメント研修(各企業主催)
ほか多数 -
2024/09/17日本:建設業法の改正について
2023/12/11問題不動産 対応マニュアル
2023/12/08日本:中小企業における営業秘密の管理方法について
2023/11/06日本:インボイス制度の実施に関連した下請法等の考え方及び注意事例
2023/04/11日本における工事現場の事故に対する業者間の責任割合について
2023/03/10日本における宅地造成及び特定盛土等規制法について
2023/01/17大阪オフィスにおける案件実績及び今後の方針について
2023/01/17日本における外壁タイルの浮きに対する施工者の不法行為責任について
2022/10/11日本における区分所有法制の見直しについて
2022/09/15日本における公共工事の請負契約締結を否定する議会決議の違法性について
2022/06/06建築物への太陽光発電設備の設置義務化について
2022/05/09日本における所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の改正について
2022/04/14日本における消費者契約法・消費者裁判手続特例法の改正について
2022/03/28日本における建築確認審査の省略対象縮小(4号特例縮小)について
2022/03/01日本における長期優良住宅法等の改正について
2022/02/28日本における労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案
2022/02/02資金計画の非現実性を理由とする公共事業の取消し命令について
2022/01/10日本における賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解説
2021/12/10日本における宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインについて
2021/10/29日本における土石流災害に対する民事責任の所在について
2021/10/18日本における公共工事に起因する不同沈下に対する発注者の国家賠償責任について
2021/09/15公共工事における発注者の責務について
2021/08/12航空法改正による建設現場でのドローン活用への影響について
2021/07/14日本におけるメガソーラー事業に対する行政処分の違法性について
2021/06/10日本における男性の育児休業取得推進に関する育児・介護休業法改正の概要について
2021/05/17日本における治水インフラに対する行政の管理責任について
2021/04/18日本におけるインフラによる日照権侵害に対する事業者責任について
2021/03/23日本におけるコーポレートガバナンス・コードの改訂について
2021/03/23日本における資金決済法改正にかかる資金移動業と収納代行への規制見直しについて
2021/03/03日本における会社法の一部を改正する法律の施行について
2021/02/09日本における工事現場での事故に対する発注者責任について
2019/01/23ASEAN各国の新法状況 新年特別号2019
2018/01/11ASEAN各国の新法の状況2018年新年特別号
経歴
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1995年 京都大学工学部土木工学科卒業
1997年 京都大学大学院工学研究科土木工学専攻修了
1997年 株式会社鴻池組入社
2002年 技術士(建設部門)資格取得
2010年 京都大学法科大学院卒業
2010年 司法試験合格
2011年 64期司法修習終了
2011年 大阪弁護士会登録
2011年 弁護士法人匠総合法律事務所入所
2020年 弁護士法人One Asia大阪オフィスの代表パートナーとして参画
所属
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インフラ輸出リーガルプラクティスチーム共同ヘッド
【大学講師】
2013年 神戸大学 農学部 食料環境システム学科「土木情報施工法」非常勤講師(現職)
2018年 大阪公立大学 農学部 緑地環境科学科「緑地環境施工法」非常勤講師(現職)
【委員会活動等】
2013年 土木学会関西支部「鋼橋マネジメント研究会」委員(現職)
2018年 国土交通省「建設発生土の有効利用マッチング促進ワーキング」委員(現職)
2018年 堺市「上下水道工事の受注者等による工事書類の偽造にかかる堺市上下水道局発注の管布設工事埋戻し工に関する検証委員会」(~2019年)
2019年 国土交通省「建設リサイクル推進施策検討小委員会」委員(現職)
2022年 一般社団法人泥土リサイクル協会 建設法務アドバイザー(現職)
2024年 公益財団法人大阪府都市整備推進センター「まちづくりアドバイザー」登録(現職)
言語
日本語
連絡先
satoru.ezoe@oneasia.legal
06-6311-1010(日本デスク)